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「頑固オヤジになろう」
  2002年7月1日  vol.30

■旨い店

皆さん、「旨いおでん屋」をどこか1つ思い出して欲しい。
それと、並んでも食べたいラーメン屋、前菜の味が忘れられないイタ飯屋、ーー。

皆さん、「尊敬するプロスポーツ選手」を誰か挙げて欲しい。
それから、心に焼き付いている絵画、何世代にも渡る名曲、ーー。

これらに共通することは何だろうか?
その1つが「頑固オヤジ」である。

■共通点

このような店やスポーツ・芸術に共通しているのが、なぜ「頑固オヤジ」なのだろうか?

「この隠し味ひと筋にこだわりつづけている」おでん屋のオヤジ。
「ラーメンを作って40年」のラーメン屋のオヤジ。
「前菜だけは誰にも手を加えさせない」とかたくななイタ飯屋のオヤジ。
「自分の持ち味はこれだ」と自己流を続けているプロゴルファー。
「他人に認められるために描いているのではない」という主義の画家。
「流行なんてクソ食らえ」というミュージシャン。

そう、いずれもが「自己」を貫き通しているのである。
そして、貫き通すような頑固者は、やっぱ「頑固オヤジ」と言われてしまう。

■頑固が流行り

時代がゆれている中、こんな「頑固オヤジ」の居る店やスポーツ・芸術が非常に注目を浴びている。
現に不況でも好況でも相変わらず繁盛しているし、人気が衰えない。
そして、世の中の目、企業経営の考え方が、この頑固オヤジ的なものへ移行しているのだ。
頑固オヤジが流行っているとも言えるだろう。

このメルマガは、美味しいお店やステキな絵画の紹介がテーマではないので、それは他紙に譲るとして、CSO的な経営にのみ論点を合わせてみる。
で、頑固オヤジ的経営を取り入れている例をいつくか挙げてみよう。

■頑固オヤジ的経営の例 ;工場請負人

工場再生請負人という商売があり、引っ張りだこらしい。
長年に渡り、生産管理や品質管理、工場レイアウトなど、「工場長のCSO」として工場で働いてきた苦労人。
その多くは、企画や販売、経営本部という脚光を浴びる職場とは異なり、油まみれ、作業着、手弁当、長靴という姿で、裏方的存在として、影ならがメーカーを支えてきた。

ところが、昨今のリストラ、工場の海外移転などにより、その職を奪われようとしている。

そんな中、業績悪化しているメーカーが、他の企業や、海外の投資ファンドにより買収されている例が多発している。
そこで登場するのが、この裏方さんである工場のプロフェッショナル達。

彼らは、頑固一筋、誰から何を言われようが、生産管理、品質管理に一家言を有し、貫いてきた。
そして、それが漸く認められ、表に浮き出してきたのである。

■頑固オヤジ的経営の例 ; 匠(たくみ)

最近、ちょっと落ち目だが、それでもユニクロの快進撃はすごかった。
その快進撃、裏で支えてきたのが、不況業種である繊維業界から転身した頑固オヤジたちである。

日本の繊維業界は、中国などの安い製品の影響で、不況業種として低迷している。
昔の日本は、繊維立国として大量に輸出していたし、和服は世界が認める良質の衣料なのに。

繊維立国であったころ、その技術を支えていたのが匠(たくみ)といわれる繊維職人達。
不況で、職を失いかけていた頃、ユニクロがそこに目を付けた。

安いフリースやTシャツを、誰もが驚く品質で供給しようと試みたユニクロは、生産拠点を中国に構える。
中国であれば安く供給できるが、技術的な問題があり、どうしても「良質な製品」が出来ない。

そこに活用したのが匠(たくみ)である。
不況に追いやられた匠たちは、中国に渡り、現地での技術指導に当たったのだ。
そして、彼らの技術が衰えずに今に至ったのは、「不況だろうがなんだろうが、俺は自分の技術を信じていく」という頑固オヤジ的考えだろう。

■頑固オヤジ的経営の例 ; その他

その他にも、頑固一徹、不況なんてクソ食らえ、流行なんてなんだ!、という頑固オヤジが活躍している場は多い。
木炭から出る液体が、健康に良いということで売れまくっている。不況の最たる商品で、携わっているヒトは極わずか。
でも、久しぶりに木炭が脚光を浴び、そこでの頑固オヤジは休む暇も無いほど仕事があるとのこと。

マニュアル化されたチェーンの居酒屋が流行っているが、なんとなく「どこも店員が同じ応対でつまらない」と感じているヒトが多い。
一方、いちげんさんお断りの居酒屋の頑固オヤジは、チェーン店の影響で売上減。
そんな中、「頑固オヤジの特徴を出している」チェーン店が登場し、急速に売上げを伸ばしている。

トップの経営者の例だって多くある。
オフの過ごし方に関して出版したSONYのトップ出井氏は、趣味も経営も頑固一筋、自己を曲げないことで有名。
単なる自動車メーカーの部品屋から、世界トップの「モーター」メーカーとして絶好調の日本電産。そのトップである永守氏には、多くの買収案件や新規案件が舞い込む。
しかし彼は、「うちはモーターが主であり、”回るもの”以外には手を出さない」と主義一貫している。

■ところ変わって

このように、頑固オヤジの活躍が急増している中、皆さんの周りはどうだろうか?
依然として、流行に追われ、主義一貫の無い人々、経営方針、企業戦略、ばかりではないだろうか?

昨日までサッカーなんて見ていなかったのに、にわかサッカーファンと化し、会社を休んでW杯を見る。
ヒーリング・ミュージックが流行れば、今までJ-POPしか聴いていなかったのに、ヒーリングCDを買い漁る。
不動産が儲かると思えば、こぞって不動産投資をして、バブッてしまう。
不況に陥れば、シューンとして、リストラ以外に策を講じれない。

そんな経営者、経営陣、ビジネス・ピープルばっかりではないだろうか?

別に、にわかサッカーファンになってもいいし、聴いて良いと思えばヒーリングCDを買ってもいい。
でも、「なーんも主張が無いよね、自分がないよね」ってことだけは忘れないで欲しい。

■そうなるとどうなるか?

このような「無主義者」、「非頑固オヤジ」で企業経営をすると、どうなっちゃうのだろうか?
言わずもがなだよね。

ERP(業務改善システム)が経営改善にはお薦め、と言われると、サップあたりのウン千万円のシステムを導入しちゃう。
証券化してオフバランス化すべきだと外資銀行に言われると、それは流行の経営だと、取り入れてしまう。
今はM&Aの時代だ、どんどん買おう、というMBA出身の公認会計士を信じ、自社の主義でない企業を買収してしまう。
選択と集中なんていう、いかにも経営っぽい言葉に騙されて、リストラばっか進めちゃう。

そして、頑固オヤジの居ないおでん屋が、単なる一杯飲み屋の域を出ないのと同じで、何の特徴も無い企業になってしまうことだろう。

このような「無主義者」、「非頑固オヤジ」なビジネスピープルは、どうなっちゃうのだろうか?
言わずもがなだよね。

今や資格の時代とばかりに、高い金と多大な時間をかけて、いくつもの資格を取りにいってしまう。
同期入社の奴が、独立起業したもんで、やっぱ自分も、ということで独立だけしてしまう。
工場での設計よりも企画や広告がかっこいい、なんて程度で、仕事のモラルは上がらない。
自己責任の時代というのを勘違いし、何もわからずに株式投資でスッテしまう。

そして、なーんも取り得もない、単なる「言われっぱなし」のサラリーマンに陥ってしまうのだろう。

では、時代の流行である「頑固オヤジ」になるにはどうしたらいいのか?
そのために、頑固オヤジの特徴を以下列挙してみる。

■頑固さ

”頑固さ”を持っている。これは文字通りだね。
付和雷同、事なかれ主義のふがいなさを尻目に、自分の意志を貫き、確固たる自分を持ちつづけている。
状況に応じて柔軟に行動を取るのは、いかにもフレキシビリティーがあるように思えるが、要は自己が無いってことの証でもある。

■自慢

”自慢する”ものを持っている。
何も持っていなくて頑固なのは、ちょっと使い勝手が悪いが、多くの頑固オヤジは何か”自慢のもの”を持っている。
それは、仕事に関連する技術や専門性でもいいし、趣味に関するものでもいい。
よく、一家芸に秀でているヒトには、共通している「お互いを認め合う」精神がある。
囲碁の達人と鉄道の技術士とプロのゴルファー、同じ酒場で同じ酒を飲めるそうだ。

また、「手前味噌」、「ここがミソです」という言葉がある。
昔の日本では、味噌は家庭で作っており、各家の自慢であるのと同時に、この味だけは誰にも譲らないものだった。
そこから派生し、ミソ=得意技、肝心、となった。
頑固オヤジは、自分のミソを持っているのである。

■生命線

逆に、これだけは譲れない、という生命線が明確である。
誰に何を言われようと、時代がなんであろうと、ここだけは死守するというラインを持っている。
生命線を持っていないと、ずるずるいってしまうのが人間だし、どこまでが自分の意見なのかも不明瞭になってしまう。

時代と共に先端的経営手法や、流行のモノを取り入れるのはいいが、これは譲れないという線を持っておきたい。

■聞き上手

そして、案外忘れガチなのが、頑固オヤジほど「聞き上手」である。
一般的に、頑固オヤジは、自分の意見ばっかで、他人の意見を聞かないように思われる。
しかし、「一流の頑固オヤジ」は、素直に、純粋にヒトの話を聞くのだ。

そして、聞いている話が、聞く価値が無いと判断したら、即、無視して、自分の殻に入ってしまう。
もし、これは聞く価値ありと判断したら、素直に参考にし、自分の技術を磨くのに用いる。

技術屋同志は、競合他社であっても、結構情報交換をしている。
競合他社の営業マンは、お互いの顔すら見たくないってのが多い中、技術者たちは、自分の技術向上に繋がるような聞く価値のある話には、積極的に耳を傾けるのだ。

■まとめると

以上が、頑固オヤジが流行している背景と、皆も頑固オヤジ的発想を取り入れようという話である。
もちろん、単に頑固なだけで、主義主張もなければ、自慢出来るモノも持っていない、ヒトの話も聞かないでは困る。
あくまで、「一流の頑固オヤジ」を目指し、経営に励んで欲しい。ビジネスを推進して欲しいものだ。

■最後に

背中を丸めて、黙々と糸を縫っている畳職人って、カッコいいですよね。
一家の大黒柱としての役割を果たしていた、我々のお父さんって、頑固オヤジでありませんでしたか。

黙々と何かに取組むヒトが減り、一家の大黒柱が折れてしまった現在、やっぱ、頑固オヤジの復権と復活が、日本を、そして貴方のビジネスをよりよいものにしていくことでしょう。

そう言えば、Wカップ第二位のドイツ、そのゴールを死守したMr.カーン、典型的な頑固オヤジだと思いません。

ではまた次回



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「ワールドカップを終えて」
  2002年6月21日  vol.29

■理念とビジョン

トルシエ監督の貢献度が非常に高かったことは、誰もが認める事実。
その中で、最も優れていた貢献内容は、「明確な理念とビジョン」を一貫して示し実践してきたこと、信念を貫き通したことだと筆者は考える。

4年前、無勝利の日本代表を率いていた岡田監督は「日本が世界に追いつくには10年単位の時間がかかる」と明言し、埋めがたい距離を感じたものだ。

しかし、一方では4年後に迫った自国主催の立場、勝たないわけにはいかない。
埋めがたい距離を4年間という限られた時間で埋めていくために呼ばれたのがアフリカの過酷な環境で戦いつづけた孤独の指揮官、トルシエである。

■トルシエの信念

では、10年かかると言われた距離を4年で埋めたトルシエの、そのビジョンや信念とは何か?

日本の技術水準は高いものがあると見抜いていた彼は、距離を埋めるために決定的に欠けているもの、それは逆境に打ち勝つ強い心だと考えた。
そこで、その強い心を選手内に育てることをビジョンとし、そのために必要なことは徹底して行っていくことを信念とした。

■例えば

そのために、まずは従来の慣習や精神を破壊させることが必要と考え、改革のために「管理と破壊」を徹底的に行ってきた。選手から自由を奪い、ピッチで恫喝を繰り返し、食事メニューにまで干渉した。
そして、日本にありがちな上下関係の弊害を無くすため、主将制度を止め、誰にも特権を与えず、下も上も関係無い制度を作り上げた。

合宿では夜明け前に選手をたたき起こし、海外遠征では日本食を禁じることによる外国慣れを図っていった。
その厳しさに、選手からも協会からも相当反発があり、トルシエ1人孤立した時期もあったようだ。

でも、信念は絶対に曲げない、貫き通した。

競争原理も徹底的に導入した。
度々のメンバー入替え、流動的なポジション、繰り返し行われたテストによる競争原理により、選手内の緊張感が高まり、レベルも上がり、選手層も相当厚くなったことは誰もが認める事実だ。

■日本の企業では

今の日本企業の中で、これだけ明確にビジョンを示し信念を貫き通している経営者、いるのだろうか?
皆、それぞれ勤めている会社の上司や経営陣を思い浮かべて欲しい。

ある世界的に著名な調査機関が各国の国際競争力をランキングしている。
そこで日本は年々順位を下げ、居間や30位以下。

しかし、技術力や専門性となると2位とか3位に入っている。
つまり4年前のサッカー日本代表選手と同じ、実力はあるが、それを発揮出来ていないのだ。

日本企業が、実力があるにもかかわらず競争力が低下していっている、それは単に、経営者に明瞭なビジョンが無く信念を貫き通すことをしていなからだろう。

■マネジメントとリーダーシップ

ここで少し話しを変えてみる。
皆さん、「マネジメント」と「リーダーシップ」の違いをご存知だろうか?
経営陣や監督には、この双方の能力が必要だが、それが混同されている傾向がある。

マネジメント能力とは、”効率的に組織を運営する機能”を有していること。
リーダーシップ能力とは、”変革を推し進め、前に前に進ませる機能”を有していること。

よって、マネジメントの行動は、計画を立案し、それにあわせた組織(チーム)を作り、計画と実績を管理し、問題解決を行うこととなる。

リーダーシップの行動は、ビジョンを提示し、ビジョンをチーム内に伝達し、メンバーを統合し、メンバーに動機付けをし、メンバーを引張っていく。

今回のトルシエ、そのマネジメント能力はさておいて、このリーダーシップ能力を満たしていたことは、上述した事例でお分かりだろう。


■その他

以上、リーダーシップ能力について語ってきたが、それ以外にも日本代表から学ぶことは多い。以下、簡単に列挙する。

■自主性

トルシエの政策に、「自主性」というのがある。
リーダーとして、向かうべきゴールを示しているが、それはあくまで大ざっぱな場所だけを示しているだけ。
で、詳細の番地は知らせていない。
それを、選手自らの自主性に任せ、選手自らが試行錯誤して探していけ、っていう、自主性を重要視した政策だ。

何から何まで教えないといけないと考えている経営陣が多いが、自主性をいかに発揮させるか、これが部下を使っていく、組織を運営していくには、非常に重要となろう。

■中田のリーダーシップ

リーダーシップと言えば、中田を抜かして語ることは出来ない。
その中で特筆すべきことは、「下を向くな」発言である。

予選のベルギー戦、一点先制された日本イレブン、その殆どがシューンとしてしまい、下を向いてしまった。

そこでの中田の発言が、「くよくよするな、まだ時間はある、下を向くな」であった。

人間なんて、それだけで効果が出るものなのだろうか。
先制された2分後には鈴木がGoalを決め、途中では追い越してしまった。

リーダーシップ、そこに求められるのは、苦境に立たされたときに、如何にメンバーを奮い立たせるかとう好例である。

■もう1つ、中田

中田の発言でもう1つ特筆しておきたい。
トルコ戦に負けた後の彼のインタビューで、「トップクラスの国と戦えなかったことが残念だ」というのがあった。

サポーターの多くも、選手の多くも、一勝したこと、予選突破したことに満足している傾向があるが、中田は「成し遂げないかもしれない目標を、常に理想像として掲げ、追い求めていく」姿勢を貫き通している。

W杯前、誰もが一勝できれば御の字と思っていただろう。
それはそれで現実的な話だが、成長の角度も緩まってしまう。

駄目かもしれない、不可能に近いかもしれないが、理想を追い求めていく中田、それが今の彼を作り上げたのだろう。

■負けたことは良かったね

日本サッカー界として、トルコ戦に負けたこと、これは結果的に良かったのではないだろうか?

ビジネスもスポーツも、今日で終わりってことは無い。
あくまで来年、4年後、10年後と、継続していく、そうゴーイング・コンサーンである。

その際、人間誰しもが弱いので、ある程度目標を成し遂げてしまうと、そこで力が抜けてしまう。

もし今回、ベスト8やベスト4にまで勝ち上がったら、4年後に向けての努力がやや鈍る可能性が高まったであろう。

というわけで、かえって悔しさ一杯の負け、良かったのでは。
但し、良かったというための前提が1つある。
負けは負けだが、それの中身とそれに対する努力次第ってこと。

負けはしたが試合の中身は日本が上であったし、とにもかくにも上述した通り日本選手は努力した。

それで結果は負けただけである。
中身が伴わず、しかも努力も中途半場では、負けが結果オーライとは言わない。

■まとめ

以上、トルシエや中田の貢献度を、主にリーダーシップの観点から述べてきた。
是非、ビジネス上でもこの概念と内容を理解し、実践していって欲しい。

今、業績が低迷している企業、営業成績が上がらない貴方、格付けが下がっている日本国、その全てが、日本サッカー代表とそのリーダーから、多くを学んで欲しいものだ。



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「アホな反対勢力(野党の例)」
  2002年6月14日  vol.28
■アホな反対勢力

社内で、何事につけても意見や企画に反対する勢力がいませんか?
とかく邪魔をする奴らがいるでしょう。
今日は、そのお話をします。

■アホな野党

また出たって感じ、野党のアホさが。
防衛庁の報告書問題が今世間を騒がせている。
防衛庁が情報公開報告書の公表を見送ろうとしたり、隠蔽工作したのではっていう問題。

で、野党は「再調査が実現しない限りは、開催中の国会審議に応じない」とのことだって。

国会では今、郵政関連法案、健康保険改正案、有事法制関連法案など、重要な法案が目白押し。
どれもが、国民の生活や日本の立場に大きく影響を及ぼすものだ。

■野党の姿勢

これだけ重要な問題が山積し、国会の場でいろいろと審議する必要があるのに野党は、それら法案や問題と全く関連の無い自衛隊問題を前面に出し、審議を拒否している。

別に野党が居なくても法案を通させることは可能だし、第一、野党の審議や野党の意見なんて、大して期待はしていない、どうでもいい。
でも、その態度や姿勢が気に食わないね。

まるで子供。
だって、自衛隊問題と郵政法案や健康保険法案は、全く関係ないじゃん。
何で、自衛隊の問題があるからって、他の重要な審議に応じないの?

いつもそうだけど、野党は「与党や首相の足を引張る何かをいつも探している」。
そして足を引張る材料を見つけ次第、徹底的にそれを追求する。
そして、全体を混乱させ、信任を下げさせ、与党や首相の転覆だけを目的として行動している。
まあ、子供相手に何を言っても仕方無いし、そもそもこのMMは政治討論ではないので、これ以上の話はやめておくが。

■企業の中でも

で、これと同じような行動を取るアホ集団が、企業の中にもいることだろう。
何か新規案件を持ち上げると必ず反対する奴。
常に揚げ足を取ることだけを狙い、重箱の隅を突っついてくるバカ。
ちょっとでも失敗したらそれを徹底的に持ち出し、批判する輩。
みーんな、野党と同じ子供。

■奴らの考えること

繰り返しだが、企業内の野党みたいや奴らは、どうしてそんな行動を取るのだろうか?
1つ目は、仕事の能力やその実力ではかなわないと自らが認めているから。
実力で勝てないのだから、相手の失敗を待つしかない。
失敗が起こるためには、常に何かミスを探しまくるしかない。
2つ目は、反対するってことや拒絶の態度を取るってのは、何か事を前に進めたり、社内を改革したり、新規案件を立ち上げあげるのに比べ、非常に安易で簡単な行動だから。
で、その安易な行動の割には、非常に目立つし、場合によっては賛同者も現れる。
3つ目は、ヒガミだろうな。仕事で目立つ人々に対しヒガミを持っている。
でも、そのヒガミというか嫉妬心は、そのままでは増大するのみ。
で、必然的にそのヒガミの対象を懲らしめてやろうという心理に陥るのだ。

■奴らに対して言いたいこと

奴らの行動を止めさせることは出来ないだろう。
だって、それ以外何も能力が無いんだから。
で、そんな奴らにせめて言いたいことは、「まあかわいそうな人ですね」だね。
「揚げ足を取ったり邪魔をしたりすること以外に、人生の生きがいが無いのですかね?」、「そんなことして何が面白いのかね」とでも言おう。

■奴らとの勝負に勝つために

そうは言いながら、実際に社内でそんな奴らと勝負をする必要が出てくる場面も多いだろう。
そんな時はこうしよう。
まずは、ロジカルに奴らに説明する。
「自衛隊のことはわかりました、でもそれと郵政は全く関係無いので、これはこれ、あれはあれで話し合いましょう」と。

でそれに応じなかったら、「では郵政問題はどうするのですか?全く関係の無い問題でその審議が延期になってしまうことについて、国民に納得するよう説明して下さい」とでも言おう。

それでも駄目なら、「これで郵政問題にケリが付かなかったら責任を取りますか?」と言うしかないね。

で、最後は全くの無視、無視、無視。

多分、多くの場合が、この無視戦略しかないと思う。
でもそれでいい。
多くの反対勢力は、無視されることが一番の弱点である。
無視されれば目立たなくなるし、喧嘩できなければ他には何も出すものが無い奴らなので。
そう、無視しかないね。
そもそも、反対や対抗しか出来ない奴らなので、他の手段を講じるような頭脳は持っていないだろうし。

■今回の問題

冒頭に述べた問題、筆者は決して自衛隊問題が与党に責任無いと言っているのではない。与党は十分に反省し対応すべきである。
それは野党の言うことに賛成する。

でも、郵政問題って大きなことだよね。あれだけ無駄な税金を使い、且つ民間の仕事を奪っているのだから。
有事法案だって、テロや勃発戦争が明日にでも起きる可能性があるのに、気長に検討なんかしてられないよね。

で、野党さん、どうせ貴方たちの意見は必要ないのだが、まあせいぜい国民から無視されないように、気をつけてくださいね。

■最後に

ホント、社内にも野党みたいな奴が多いですよね。
でも、そんな奴に正面から勝負を受けるのは、時間と労力が無駄ですよ。
どの道、何も出来ない人々なので、そんな奴らを相手にしている暇があったら、もっと自分のために時間を使いましょうね。
ではまた次回




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「調査レポートの目的は?」
  2002年6月3日  vol.27

■非行少年はコーラが好き?
非行少年は、コーラをよく飲む傾向があるっていうレポートが話題になった。
で、皆さん、この一行を読んで、何を感じる?
筆者は、「目的はなんとなくわかるけど、その効果が不明なので、何の意味がある調査なんだろう」と感じた。

■調査とは
そもそも調査(リサーチ)とは、その目的とは?
それは言うまでも無い。何かを調べ、その結果を何かに活かしたいからだ。

言い換えると、ある「仮説」を立て、それを「検証」し、事業戦略に「検証結果」を活かすことが目的。
例えば、パソコンの消費者動向を調べたいという場合、その目的の1つはパソコンの新規商品開発。
で、まずはある程度その動向に付いて仮説を立てる。
そして、仮説がどれだけ正しいのかを、リサーチの結果から検証する。
検証結果を、新規商品開発に活かし、新しいパソコンが生まれる、この流れ。
そう、目的→目的達成のための仮説→仮説を検証するための調査→仮説の検証→検証結果を目的達成に活かす、となる。

■非行少年の調査
で、話を冒頭の調査に戻す。
まず、調査の目的は、非行少年を減らすことであり、如何に非行少年を生み出さないかの対策を立てること。
で、仮説として、非行少年の傾向、特に食べ物や飲み物に注目した。
調査として、非行少年がどんな食べ物飲み物をとっているかをリサーチ。
その結果、コーラ好きが多いってことになった。
で、コーラを調べてみると、炭酸飲料を多く飲むと怒り易くなるって調査も出ていた。
以上より、「非行少年は、怒り易くなる性格を持っているコーラを多く飲んでいる、それが原因の一つとして非行に走っている」って結果になったのだろう。

■それがどうしたの?
英語で「So What?」 という言い方がある。
「で、それがどうしたの?」って意味だろうか?
上述したコーラをよく飲むって調査結果を獲得して、So What? だよね。
コーラを多く飲むからって、怒り易くなるって言う調査結果があることもちょっと疑問視したくなるが、まあそれは本題から外れるので棚に置いておく。
で、非行少年にコーラをよく飲む人が多いっていう調査結果、それを獲得してどうすんの?
まさか、コカコーラに対し、「お宅の飲み物が原因で非行少年が増えているので、日本での販売を自粛してください」って言うの?
それとも、「コーラを飲むと非行に走りやすくなるので、全国のお父さんお母さん、子供にはコーラを与えないように」って宣言するの?

多分、どっちでもないだろう。
だって、そんなことしたら、それはそれで問題になるもんね。
となると、この調査結果、あるいはその結果を得るための調査は、殆ど無駄ってことになるのでは。

■調査が目的
今回、別に、非行少年の調査がどうのこうのというのを主題にしているわけではない。
言いたいことは、「調査の目的をはっきりし、それをどう活かすのかを明確にし、実行する」ってこと。

大小問わず多くの企業や政府公的機関で数限りないほど調査が行われている。
筆者は、その内容や行動をたーくさん目にしてきた。
で、言えることは、多くの調査は、結果的に、「調査することが目的」となってしまっているってこと。

つまり、何かを解決したり何かの役に立てるために調査をやるのが本来の姿だが、その本来の姿を忘れてしまって、「調査レポートを作成すること」、「上司に調査レポートを提出すること」が目的となっていることが多いってこと。

調査はあくまで問題解決のための「手段・道具」に過ぎないのに、その道具を得ることがいつのまにか目的となってしまうのだ。
健康診断で体を調べるのは、何か悪いところを早期発見することが目的なのに、健康診断に行くことがいつのまにか目的とか義務になっちゃってるのと同じ。

■もう一度、非行少年調査
で、さっきの非行少年調査に戻る。
調査は、群馬県警が行ったもの。
結果をもう少し詳しく述べると、「非行少年の大好物は、焼肉、コーラ、ガム」だったんだって。
その調査結果を元にした分析は、「コーラなどの炭酸飲料を多飲すると、怒りっぽくなるという研究報告が出ている。
それと、この結果を更に発展させ、「そもそもガムやコーラはコンビニで買いやすい。コンビニで買い食いさせるような家庭は、やっぱ非行少年が生まれやすいのでは」ってこともレポートで述べているらしい。
ちなにみ、他の調査によると、中高生の好物は、アイスクリーム、ラーメン、スナック菓子というのもあるらしいがね。

■最後に
調べるのは何か目的があるからですよね。
ところが、調べること自体が目的になってしまうってこと、ホント多いですね。
皆さん、忙しく仕事をしていると思いますが、今一度、その作業の目的を明確にしてくださいね。
いつのまにか、本来の目的を忘れて、目的達成のための手段や道具が目的に昇華していることって、意外に多いですよ。




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「マスコミの報道を信じますか?」
  2002年5月28日  (vol.26)

■マスコミの言うことを信じる?
皆さん、マスコミが報道していること、どれだけ信じますか?
皆さん自身は、世論にどれだけ影響を受けていますか?

こんな問いかけに、多くの方々は「マスコミの報道を全て信じることは無いし、世論なんかには左右されないよ」と応えることだろう。
とは言いながら、実際には多大なる影響を受け、大きく世論に左右されているのも我々一般人の性である。

■誤ったマスコミ報道
本日は、マスコミがどれだけ衆愚に合わせて報道していいのか、マスコミの言うことをどこまで信じていいのかについてお話する。

まず最初に回答を言うと、まあマスコミの報道をそのまま信じるのは危険だっていう前提に立つことをお薦めする。
先に申すが、これは決してマスコミを信用するなってことではなく、マスコミ批判でも無い。
また、マスコミ報道の全てがってことでもない。

では、以下、ここ2,3年でマスコミが「営利目的」に誤った報道をし、ヘンな世論形成をしてしまった事例をいつくか簡単に挙げてみる。

■埼玉ダイオキシン問題
まず代表例の1つが、TV朝日の誤報で有名になった埼玉農家のダイオキシン問題。
ニュースステーションにて「ダイオキシン問題がある農産物」と大々的に報道したことは記憶に新しい。
で、結果的には誤報であったが、その訂正はほんのお気持ち程度。「いや、ちょっと間違えちゃった、悪い悪い」程度だろうか。
この誤報で、街に恐怖を煽り、視聴者を混乱させ、更に農家にはひどい被害を与えたにもかかわらず。

■田中真紀子や国会
最近の国会や田中真紀子、鈴木宗男あたりの報道も、あまりのレベルの低さに参ってしまう。
国会が、単なるワイドショー化したのもマスコミ様のお陰である。
ついさっきまでは田中真紀子を「日本の救世主」とまで持ち上げておいて、ストーンとはしごを外してしまった。
もちろん、ワイドショー化するほうが視聴率や購読率が上がるし、ワイドショー化するためには、ドラマティックにする必要があるので、持ち上げストーン行動をしたのだろうが。

■マラソンの高橋Qちゃん
持ち上げ後のストーンで思い出すのが、マラソン優勝で一躍有名になった高橋Qちゃんに対するパッシング。
あまりのバカらしさに頭痛すら感じた民度の高い皆様も多いことだろう。
優勝に至るまでの過酷な練習、そしてそれから開放された後の女性として当然のショッピングやお洒落。
マスコミは、どこに行ってもQちゃん騒ぎで、朝から晩までTV、雑誌等で、Qちゃんはすごい、すばらしいと持ち上げていた。
で、自分たちで持ち上げ、報道していたにもかかわらず、「マスコミ露出狂」とか、「目立ちたがりや」ってことで、ストーンと下げてしまった。
更にやれファッションセンスが悪いだの、あの笑顔が気に食わないだの、はっきり言って大きなお世話を報道として取り上げ、衆愚から視聴率を稼ぎまくっていた。

■官官接待
懐かしいのが、数年前に騒がれた役人同士の接待「官官接待」だろう。
あれもマスコミが国民を煽り、一部悪人を除いた善人のお役人たちが多大なる迷惑を被ったことは記憶に残っている。
確かに、官官接待でいい思いをした役人もたくさんいるが、それはごく一部であり、多くの役人たちは、地道な生活をしている。
お茶はお湯に近い色まで飲み尽くし、短くなった鉛筆を繋ぎ合わせて使い、6月の暑い梅雨の時期も経費削減で扇風機、って生活を。
しかし、マスコミ報道は、役人皆官官接待と言わんばかり。
これ以上短く出来ないほどにまで鉛筆を使うことを余儀なくされた役人が続出したことは差し置いて。
そもそも、どんな民間企業だって、社内接待していないところなんて、まず無いだろう。
ほとんどの企業の地方支店は、本社から出張で来た偉い人を、特産品を出す旨い酒場やゴルフ場へお連れし、会社交際費で接待している。
していない企業を探すことは、砂漠の中のアリを探すよりも困難だろう。

■MMFの元本割れ
最近では、MMFの元本割れ報道で、マスコミは大儲けした。
やれ、エンロン倒産でMMFが元本割れしただの、MMFは安全ではないだの、更にはMMFは危険な金融商品だのと。
もちろん、情報開示や勧誘の方法で金融機関にも批判されることはある。
しかし、元本割れしたMMFは、全体のごく一部だし、その後も元本割れの例は見ていないってことは、全く報道の対象にはならない。
「MMFを皆安心だと思っていたら大間違い、危険なんだから気をつけようね」って言いっぱなしで、はいバイバイでは、あまりにも無責任過ぎる。

■ペイオフ
金融で思い出すのがペイオフ、取り付け騒ぎである。
やれこの金融機関が危ないだの、やれあそこはつぶれるかもしれないだの。
これって、言われた方のことを考えたことあるのだろうか?

■瑕疵担保
金融で更に思い浮かべるのが、新生銀行(旧長期信用銀行)の瑕疵担保問題。
これは、破綻した旧長期信用銀行を買収したリップルウッドという外資と、日本政府で締結した、れっきとした契約である。
内容は、長銀を買収した時点で評価した資産(貸し付け)が、何年間かのうちに2割以上価値が下がった場合には、国が買い取りますよ、ってこと。
確かにこれだけ見れば、外資は特をしているようだ。
しかし中身はこう。
長銀の買収を検討した際、政府はリップルウッドに対し、資産の詳細情報の提示を拒んだ。
理由はわからないが、「まあ大丈夫だよ、政府を信じて。もし信じられないなら価値が下がったら買い戻してあげるから」って内容で。
買収する側としても、中身を調べてから買いたいのに、中身を見せてくれないんだから、せめて買った後に資産下落したらその責任を取ってね、っていうのは至極当たり前。
これを、マスコミは「やれ外資は汚い」とか、「なぜ外資のために税金を使わなくちゃいけないの」って報道ばっかり。
本来なら、そんなふざけた契約を締結してしまった政府機関を批判すべきところを。

■話を戻すと
まだまだマスコミの誤報例を挙げたいのだが、キリがないのでこの辺にしておく。
で、このメルマガで述べたかったことに話を戻そう。
まずは、何故、マスコミには誤報が多いのかって理由をいくつか挙げる。

■マスコミ担当者の専門性
新聞・TV・雑誌、いろんなマスコミ媒体があり、そこには記者や取材者がいる。
ここで問題なのが、記者の中には、その取材対象について素人ってことが多々ある。(専門紙・専門誌は除く)
取材対象に関して、大した知識も専門性も無い人が取材し、記事にするのだから誤報が出て当たり前。
記者は、ある分野を担当していても、2,3年で異動になることが多く、異動先では、一から知識を蓄える必要があるのだ。
で、記者の中には、取材先に「業界や取材内容についてレクチャーを受けて」から取材することが多々ある。
あるいは、「リリース・メモ」っと言って、報道内容のほとんどを取材先に書いてもらうことだってある。

JAVAという言葉すら知らない記者がJAVA関連のITベンチャーの記事を書いたり、バイオなんて全く理解出来ない記者が製薬会社のバイオ開発の記事を取材したりなんてことは日常茶飯事。

■営利目的1
次に、殆どのマスコミは、一般企業と同様に、営利団体ってことが誤報の原因になっているとも言える。
マスコミのうち、新聞雑誌の主な収入源は、購読者からの購読料。
前者の読者から収入源については、読者数を増やすことが利益アップとなる。
読者数を増やすには、スクープ、ドラマティックな記事、衆愚が喜ぶ内容とすることが優先される。
国会の報道をワイドショー化したのもその一例。
農家に被害が出ようがなんだろうが、街に恐怖を煽り、視聴者を混乱させた方が視聴率は上がる。
誰かを悪人にし、誰かを善人にした方がドラマ仕立てに出来る。
市民を巻き込んだ取材内容では、多くの場合が、大企業や政府は悪人で、反対する人々は理由の如何にかかわらず善人という役回りにしてしまう。
草の根の市民運動は、その悪に立ち向かう素晴らしい人々として。

■営利目的2
TVや新聞雑誌の収入源に、企業の広告料ってのがある。
特にTVなんて、コマーシャルをたくさん打ってくれる大手企業が大得意先。
そんな得意先が、何か失態を犯しても、そのまま報道するわけにはいかない。
誰だって、お客さんをけなしたり出来ないのと同じで。
で、どうしても、お得意様に迷惑がかからないような報道となる。

■世論の代表
そして、もう1つ言えるのが、自分は公正中立で、知識の乏しい民衆に対し自分たちが正しいことを教えてやっているって勘違いしているマスコミ記者がいるってこと。
更に、自分たちは偉いのだ、そういう特権をもった存在なのだと思い込んでいる者もいる。

■では、読者としての皆様はどう対応すべきか
では、そんなマスコミ報道に対し、我々はどうすべきなのだろうか?
まずは、読者の立場としてはこうだ。
冒頭に述べたが、マスコミ報道には誤りがあって当然っていう前提で新聞を読んだりTVを観たりすべきである。
場合によっては「しょせん素人が取材した内容だから、話半分に聞いておこう」って態度でもいいかもしれない。

次に、大半のマスコミが論じている内容ほど、信じない方がいい場合があるってことを覚えていくべきだ。
あくまで視聴率・購読数を増やすことが目的の1つであるマスコミは、世論がどうなっているかを気にしている。
世論を気にして報道内容を考えているので、それが大半のマスコミが同じであれば、事実よりも世論の方を支持した報道となる。

■企業人としての皆様はどう対応すべきか
今後は、取材される側の企業や国政府としての皆様はどう対応すべきだろうか?
1つ目は、マスコミがどうすれば喜ぶのかを考えて、取材を受け、リリースメモを作成する必要がある。
決して、事実をそのまま述べる必要は無い。
2つ目は、マスコミ報道は、味方にすればこれほど安価で影響力のある広告は無いが、敵にすれば、これほど怖い存在も無いってことを、わかっているだろうが、終始徹底すべきである。
1つ目も、2つ目も、マスコミに迎合しているっていうか、合わせている様だが、まあ生きるためには仕方がないこと、割り切るしかないだろう。

■最後に
マスコミの方々も人間、誤りもあるし、欲や利益に目がくらむことだってあります。
それは、人間として致し方ないこと、っていう程度の寛大さを持って、マスコミに接しましょう、あるいは報道を耳や目にしましょう。
で、一番大切なのは、世論に左右されるマスコミを、いい方向に持っていくのも我々世論支持者なので、我々が衆愚に陥らないことですね。

国会がワイドショー化することを、暇に事欠いて喜んで観ていたり、田中真紀子を衆愚と一緒に批判の波に乗ったり、何も知らないくせにマラソンのヒロインをバカ扱いしたり、そんな「堕ちた市民」にならないことが大切ですね。




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「格付け結果にオロオロするな!」  2002年5月20日  (vol.25)

今回は、「格付けにオロオロするな」です。

■ 日本の格付け
日本の格付けが低下していること、皆さんよくご存知の通り。
今回は、日本国債の度重なる格下げを契機に、2つのことを述べる。
1つは、「格下げされる度に、文句ばっかり言っている日本の政府、ホントみっともないよね」。
もう1つは、「あまり格付けに左右され、オロオロしないように」ってこと。

■格付けとは
格付けとは、例のMoody'sとか、S&P、あるいは日本でいうとR&Iなどの格付け会社が、企業や国、その他金融商品を格付けすること。
そうシングルAとか、トリプルBとかに。
格付けの対象は、平たく言うと「どれだけその企業や国がつぶれる可能性があるのか」ってこと。
つまり、貸した金がちゃんと返ってくるかどうかのランキングである。
間違えないで欲しいのが、その企業や国の実力とか、人気とかをランキングしたものが格付けではない。
ミシュランがやっているフランス料理屋の格付けとかホテルの3つ星4つ星は、どちらかと言うと実力や人気のランキング。
同じ格付けでも、企業や国の格付けが「安全性」の指標であり、ミシュランとかホテルは「中身の良さ」の指標。

■健康診断みたいなもの
では、企業や国の格付けはどうやって行うのだろうか?
それは、その企業や国の持っている資産や負債を丁寧に調べ、今後どれくらいの収入と支出が想定され、それがどれくらいの確率で達成できるのかを見ていく。
その達成度合いを判断するために、企業や国の問題点、課題、解決すべきこと、何が悪いのか、などを一通り拾い出す作業がある。

つまり、我々が行っている体の健康診断=企業の格付け作業で、診断結果=格付けの結果(シングルAなど)みたいなものだ。
健康診断は、病気だから受診するのではなく、「何か悪いところを見つけ出す」ことが目的。
格付けは、要は企業や国の健康診断と考えても過言ではない。

■日本の格下げ(格付けダウン)!
さてここで、日本の格下げ(格付けのダウン)に付いてお話を戻す。
Moody's、S&P、あるいはフィッティという外人格付け会社が、ここ1,2年で続々日本の格付けを下げている。
そして、ついに先進国では日本は最下位、最低の格付けとなってしまった。
何もかもが大らかなイタリアよりも下であり、下手をするとちょっとした発展途上国と同じになってしまう。
最下位の格付けとはどんなものか?
まあ、当面、借金を踏み倒したりつぶれたりはしないだろうが、将来に渡ってその可能性が低いとは言い切れないってこと。
もっと簡単に言えば、「場合によっては日本に金を貸すと、日本が倒産してしまい、金が戻ってこないかもしれないよ」だ。

■診断結果に文句を言うな!!
そんな格付け結果に、いつも日本政府は文句を言っている。
日本の格付けが下げられる度に、「そんなはずは無い。日本はもっと安全だ。もう少しよーく見ろ」と、格付け会社に食って掛かっている。
そして今回、日本の格付けが最下位となると、「ちゃんと見てるのか?何が理由で最下位なのか証明しろ」と、政府は格付け会社にいちゃもんをつけている。

これって、恥ずかしいったらありゃしない。
だって、健康診断してくれたお医者さんが、「あんたの体はちょっと悪いので、直したらいいよ」と言ってくれたのに対し、「何言ってんだ、なんで俺の体に悪いところがあるんだ。俺は健康体だ。悪いはずが無い。どうして悪いところがあるのか証明しろ」って、言っているようなもの。

■一方では「所詮、格付けなんてーー」
と、今までは、格付け会社にイチャモンつける日本政府の醜態を述べたが、次に、「所詮、格付けなんていい加減なんだから、あまり右往左往せずにオロオロするな」ということを述べる。

所詮いい加減とは言い過ぎだろうが、まあ「当たるも八卦」程度に考えておいた方がいいかもしれない。
その代表例が、日本で言うと倒産したマイカル、米国だとエンロン。
いずれも、倒産直前まで、格付け会社は「まあ当面倒産することは無いでしょう」というランクの格付けをしていた。
ホント、倒産直前まで。
で、倒産がほぼ決定してから、慌てて格付けを急激に下げ「危ないですよ」というランクにした。
そんなもの、格付け会社に言われなくても誰でも判っていること。

■なんで「当たるも八卦」なのか
では、なんで格付けが「当たるも八卦」程度なのか?
別に、これは格付け会社の能力が低いわけでもなく、格付け担当者がアホなのでもない。
彼らはとんでもなく優秀だし、格付けのためのシュミレーションとか分析力は相当なるものだ。

格付けが当たらない最大の理由は、「そんなもの誰にもわからないから」という、いとも簡単な理由である。
だって、まずは企業の情報開示自体が完璧ではないので、格付け会社は企業を全て知っているわけではない。
次に、企業はどうしても自分を良く見せようとし、多少なりとも利益粉飾みたいなこととか負債を隠す行為をしている、合法的に。
あと、これだけ先が読めない世の中で、明日何が起こるか誰もわからないのに、格付け会社だけが将来を読めるはずが無い。格付けは、あくまで「今日現在までの情報」を元に、明日意向のことを予想するのである。明日のことなんて誰もわからないもんね。

■ということで、今回の結論
で今回の結論は、後半で述べた通り、格付けは限られたDataを元に、明日のことなんてわからない人間が行うもの。
所詮、当たらないもの、程度に考えてもいいだろう。
だから、あまり右往左往せず、格付け結果にオロオロする必要は無い。

でも専門の先生が診断してくれた結果なので、その結果に文句をたれるなんて、ホントみっともないのでやめなさい。
悪いところは悪いで、しっかりと受け止め、反省・自戒し、より良くなるための材料として使うべきである。

■最後に
格付け会社を格付けしちゃおうって動きが出ています。
となると、10年後には、格付け会社を格付けした会社を格付けする会社、なんてのも出てくるのでしょうか?
まあ、企業にしろ国にしろ、ましてや人間にしろ、格付けというランキングで示せるようなものではないですよね。
あくまで、企業を見る眼を養うことと、格付けに左右されない経営を行うこと、当たり前ですが、これしかないですね。
格付けに頼りすぎたらい、格付けに左右されすぎたりすると、本末転倒ですよ、そこの社長さん、政治家さん!



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「トータルな人・商売(あるベンチャーの話)」  2002年5月14日  (vol.24)

今週は、「トータルな人やサービス」と題して、元気のいいベンチャー企業「ラピア社」を題材にお話をする。

■トータルなサービス
「ラピア社」は、女性のために美と健康をトータルにサポートしているベンチャー企業で、具体的には、エステ店の展開を核に、美容やアンダーウェア関連商品の販売を手がけている。
なぜ、このベンチャーを題材にするかと言うと、”単に、ある商品・サービスを提供するのではなく、トータル=総合的なソリューションの提供”を求めているからだ。

世にある多くのエステ店や美容・アンダーウェア販売会社は、その1つの商品・サービスを提供することを業としている。つまり、女性という顧客に対し、お店を利用させることや商品を購入してもらうことを目的として事業運営している。

一方、トータルなサポートを追求しているラピア社は、女性という顧客一人一人の「美しくなりたい」という永遠の希望を顧客と一緒に探求し、その手段としてエステ店や商品を提供している。
エステ店を、前者は提供する商品・サービスとして見なし、後者は提供する商品・サービスのための道具として見なしている点が異なる。

■単品とトータル
もう少し判りやすく述べてみるために、通常のエステ店では、その店でエステをすることのみを業としているとしよう。提供するサービスはエステそのもの。
一方、ラピア社のような企業では、美をトータルに顧客と一緒に探求してあげることが業だ。提供するサービスはトータルな美の追求であり、エステではない。
そして、前者を単一型商売、後者をトータル型商売と呼ぶ。

単一型商売は、その対象商品のみを売るのであり、当該商品を徹底的に開発しブラッシュアプさせ、提供している。
トータル型商売は、トータルな解決や追求を売るのであり、その目的達成のため必要な商品が、たまたま自社のエステ店であれば、それを提供していく。
現在のビジネスでは、この単一型とトータル型、どちらが重要と言うことは出来ないが、トータル(総合的)型商売の価値、重要性が急速に高まっていることだけは明言出来る。

■なぜトータル?

では、なぜトータル(総合的)型商売の重要性が高まっているのだろうか?
その解はこうである。

消費者は、世の中の複雑化と商品の多様化で、何を選択していいのか、わからなくなってきている。
→一方では、美しくなりたいなどの欲は日に日に高まり、その欲を満たすことを求めている。
→だからこそ、何をすべきか、何を選択すべきかを最適に提案し、道案内をして欲しい、というニーズが急増している。
→しかし、単に、単一商品を提供してもらうのでは満足しない。自分をトータルで見てもらい、総合的な観点から、ベスト・ソリューションをしてもらうことを求めている。

ということ。

もう少し詳しく述べると;
(1) 世の中の全てが複雑化し、消費者の理解を超えているものが多い。
(2) 時間軸の進み方が早く、商品・サービスの進化が非常に早くなっている。
(3) 商品自体が多様化し、消費者には「選択の苦しみ」が生じている。
(4) 消費者ニーズも多様化し、消費者は自分のニーズがわからなくなってる。
(5) 何かをやらなくてはならない的な「脅迫観念」が広く普及している。
(6) 情報洪水の中、その取捨選択だけで多くの時間を取られてしまう。

というのが原因で、消費者は、何を選択していいのか、どれをやるべきなのか、どんなことがベストなのか、どのように行うべきなのか、それらがあまりにも多く複雑になり、訳がわからなくなっている。
一方では、美しくなりたい、仕事が出来るようになりたい、モテたい、金持ちになりたい、などの要求度は日に日に高まっている。
高まってしまった自分の要求を満たしたいのだが、どうすべきかわけがわからなくなっている。

単一商品の売り込みには飽き飽きしている。またいくらでも自分で情報を集めることも出来るし。
それよりも、自分を総合的に見て、トータルに判断してくれ、その最適な解決や提案をしてもらいたいというニーズが高いのである。

■ トータルな商売の例
このようなトータルな商売を求めるのは、別に女性という消費者に限ったことではなく、一般ビジネスでも多く見受けられる。
例えばSIPSという言葉をご存知?
Strategic Internet Professional Servicesの略称で、「ネット関連の総合ソリューション提供サービス」とでも訳そうか。
ネット関連の企業や商品は星の数ほどあるだろう。
何か新しいサイト運営や、EC(電子商取引)を始める際、その一つ一つの商品を比較し、自ら構築する人は少ないと思う。
これだけネット技術が複雑化し、進化が早い中、単に「システムを作りますよ」という商品の提供ではなく、顧客の事業目的を理解し、それを達成するために最適な道具として具体的なシステムを提供してくという事業である。単なるシステム販売業ではなく、顧客の事業目的を達成させることを事業とし、その道具としてシステムを構築する、これがSIPSである。

また、違った例では、最近流行りの「代行業」があるが、これもある意味では「トータルな商売」業である。
一例として「マスコミ向け広報代行業」というのがある。
ベンチャー企業が、何か新技術を開発した際、マスコミで発表したいと思うが、どのマスコミが最適なのか、どのメディアがいいのか、大半のベンチャー企業はよくわからない。
で、「貴社の現状と開発した技術の内容、及びその将来展望を勘案し、最適なマスコミやメディアに貴社のプレスリリースを頼んであげますよ」というサービスが登場した。

事務代行なんかもこれに似ている。
単に、経理処理を代行するだけなら「トータル商売」ではないが、顧客企業の規模や内容にフィットした経理システムを見つけ出し、効率的な処理をしてあげ、更に顧客企業の戦略に多大な影響を及ぼすための経理レポートまで作成してあげる。

これらSIPSにしろ代行業にしろ、従来は単一商品・サービスのみの提供であったが、総合的なトータル商売の提供へのニーズが急増している。

ちなみに、我がC.S.O.Enterpriseが行っている「戦略参謀」的コンサルティング事業も、同様のコンセプトだ。
単に、「マーケティングコンサル」とか、「財務ソリューション」などの提供ではなく、顧客企業をトータルで見せてもらい、そこから個々の戦略を採用していくという仕組である。

■ そこで貴方(貴社)は
話は戻るが、提供する商品・サービスを大別すると、単一型とトータル型があることを思い出して欲しい。
では、どちらがいいのだろうか?
これは、どちらも必要だし、どちらがいいということは無い。
ただ、1つ言えることは、貴方がビジネスの中で担っている役割がどちらなのかを明確にすべきである。
貴社が顧客に提供している商品・サービスがどちらなのかはっきりすべきである。

明確にするためには、まずは自分や自社が、深化型(深く追求する)なのか、拡散型(広く追求する)なのか、どっちが得意なのかを見極める必要がある。
言うまでもなく、単一商品型=深化型で、トータル型=拡散型である。
あるいは、古臭い言葉で言うと、前者がスペシャリスト、後者がジェネラリストとなろうか。

■ 自分が単一型なのかトータル型なのか
自分(自社)がどっちかわからない人に、簡単なリトマス試験紙を差し上げる。
もし貴方が、自分の担当している商品・サービス・専門性などに関し、一日でその専門書を書き上げることが出来るとしたら、それは単一型である。
もし貴方が、自分の担当している商品・サービス・専門性とは全く関連の無いと思われるようなことまで、質問されたらある程度答えられる自信があれば、それはトータル型である。

■ 単一型とトータル型に求められるもの
単一型に求められるのは、徹底的にその商品・サービスを追求し、その道のプロになることである。そう、和服の職人や時計の技術者のように。
そして、耳に入る邪念やくだらない情報、あるいは場合によっては消費者動向なども馬耳東風とし、徹底して自分を貫き通す信念が必要である。

トータル型に求められるのは、常に360度の視点を持ち、まるでエステとは関係ないようなことまでも知識・専門性として取り入れる努力を続けることだ。そう、知識欲・情報吸収欲の亡者のように。
そして、自分は常に未熟であり、顧客からの声、世間の情報を寝ている間が無いほど収集し、分析し、頭で整理し、その情報を加工し、ビジネスに展開していく信念が必要である。

エステ店を例に挙げると、単一型エステ店は、自分の店が一番、その一番のサービスを徹底的に磨き上げ、顧客が多少離れていってもそれを曲げたりしない。で、結果的に自店のサービスが一番と証明されればデファクトスタンダードとしてエステ界で君臨するだろうし、そうでなければ敗れるのみ。
ラピア社のようなトータル型は、消費者一人にとって何がトータル的にメリットあるのかを求めていき、その結果、場合によっては自社ではなく競合他社の商品・サービスをお薦めすることも否まない心構えが必要である。

■ 最後に
多くの人は、自分はトータル型=ジェネラリストであると思っていることでしょう。
でも、それは単に「単一型として誰にも負けない分野」を持ち合わせていないから、そう言っているのではありませんか?
本当の意味でのトータル型=ジェネラリストは、トータルで分析し提案出来るという分野のスペシャリストです。

多くの人は、自分は、ある専門性を持っている単一型=スペシャリストであると思っていることでしょう。
でも、それは単に「その分野を仕事としてやってきた」だけではありませんか?
本当の意味での単一型=スペシャリストは、3度の飯を忘れてもその専門分野に注力出来るような人です。




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「ゴールデンウィーク」  2002年4月26日  (vol.23)

来週はゴールデンウィーク(GW)。ということで今回はGWに付いてお話します。

■ ゴールデンウィーク

来週からGWに入る。
皆さん、どんな黄金の一時をお過ごしになるのだろうか?
今日は、そんなGWを目前にして、折角の機会なので以下3つを述べてみる。

■ GWの過ごし方と、自分の人生目標と、その戦略

まず1つ目は、GWの過ごし方から、自分自身の人生の戦略を見つめ直そうということ。

GWなのに、仕事を続ける人も多いことだろう。
GWは、もちろん家庭サービスでスケジュールを埋めている方も多いことだろう。
GWだからこそ、普段時間が無くて出来ない趣味に没頭するプランを立てている人もいることだろう。
そのどれがいい悪いではない。
そうではなく、どんな過ごし方をするかを頭に浮かべてみよう。

その過ごし方で、現在貴方が何を重要視しているのか、何に重きを置いているのかがある程度わかる。
(もちろん全ての人には当てはまらないが。GWは毎年仕事の旅行関係者とか、たまたま今年だけ仕事が入っちゃった人とかいろいろいるので)

次に、自分の人生目標、将来どうなりたいか、何が自分の幸せかなどを、思い浮かべてみよう。
更に、この人生目標や夢などを達成するために、どんなライフプラン、ライフスタイルを描いているのか、あるいはそのための戦術・戦略とはどんなものなのかを、冷静に考えてみよう。
これは、あたかも企業が、その経営目標や目的を決め、それに対しての戦術・戦略を構築するのと同じように。

そして、上述した「現在貴方が重きを置いている事柄」と、「人生目標や夢に対する戦術・戦略」を比較してみる。
重視している事柄が戦略の中にフィットしていれば、それは良し。
もしフィットしていないようなら、この機会に、もう一度自分を見つめ直すのもいいのでは。

たかがGWの過ごし方とお思いになるかもしれない。
しかし、個人のGWの過ごし方は、企業で言えば、最も販売成績のいい店とか、最も稼働率の高い工場とか、最も優秀な社員などの使い方、活用の仕方に通じるのではないか。

つまり、それらの活用の仕方(過ごし方)は、その企業(個人)の戦略の中で相当なる割合を占める。
結果、活用の仕方(過ごし方)が本来の戦略とずれていると、企業全体の戦略が間違っている方向に進んでいる証となる。

■ GWが稼ぎ時の企業を相手にした商売

2つ目の話は、ビジネス関連のこと。
GWには、一般消費者を相手にした多種のビジネスがあり、多くの企業が稼ぎ時、かきいれ時として忙しくしている。
旅行会社、ホテル、交通関係、レジャー関連などがその代表例。

ここでは、GW期間中の一般消費者向けビジネスに付いて述べるのではなく、このビジネスを顧客とするビジネスに付いて述べる。
旅行会社やレジャー関連企業がGW期間中に一般消費者相手の稼ぐのであれば、そんな旅行会社やレジャー企業向けに新たなビジネスを考えてみようということ。
つまり、顧客が稼ぐ時は自分も稼ぐ付加価値を提供するってこと。

代表例として最近注目を浴びている「天候デリバティブ」に付いて述べる。
安田火災という損保会社は、GW期間の雨天により企業が被る収益減少、費用増加を補償する商品として、天候(降雨)リスク対応のデリバティブ定型商品を発売する。

「GWデリバティブ」と名付けられたこの金融商品(保険商品)は、期間中の日降水量が5mm以上観測した日数が所定の日数を上回った場合に、上回る日数に応じ、所定の補償額をお支払いするというもの。
当商品は、レジャー施設経営者、屋外イベント開催者、小売業者、弁当製造者、屋外飲食店等、GWの雨天により収益に影響が及ぶ業種を中心に販売予定。 
ちなみに、このような天候デリバティブ商品として、「冷夏デリバティブ」、「秋の長雨デリバティブ」、「暖冬デリバティブ」というのもあるらしい。

天候デリバティブの話は、いつか特集して述べるつもり。
ここで述べたいのは、貴方のビジネスはGWには全く関係ないかも知れないが、GWに関係するような企業を相手にする商売であれば、貴方のビジネスに何らかのチャンスが生じる可能性が出てくるかもしれないということ。
同じように夏休みやお正月などの季節、北海道や九州などの場所、個人や法人などの対象、それぞれに、自らのビジネスと直接関係無い先に対しても、ある企業を経由すれば、関係あるようなことは何かないか、考えてみるといろんなアイデアが浮かんでくるはず。
直接関係ないなら、間接で関係しちゃおうってことを、折角の機会なのでGW期間中に考えてみよう。

■ そして読書

3つ目は、至極当たり前の話だが、折角のGW、ここは精一杯読書をしたいものだ。
GWは、季節も最高だし、どこに行っても気持ちいい。
移動する人は、移動時間が結構あるだろう。
夜中まで読書していても何ら問題は無い。
多分、盆暮れよりも秋の夜長よりも、読書に適しているのではないだろうか?

文庫本になった山崎著「沈まぬ太陽」で人間とは何かを問い直してもいいし、大流行の高杉著「ザ外資」で改めて外資のやり方を目のあたりにしてもいいし、映画化された辻著「冷静と情熱の間」でしっとりロマンティックに浸ってもいいし。

あるいは、もしビジネス関連の書籍をお探しなら、当ホームページの下記URLをクリックしてみては?ビジネス良書が一杯記載。
http://cso.fc2web.com/Book/Book.html

■ 最後に
 
今回は、ちょっと一休み、という意味合いも含め、「せっかくのGW、少し考えてみよう」ということをお薦めする内容にしました。
GWが黄金として終わるも、単なる一週間として終わるも、全て貴方次第です。
是非、自分の人生目標やその戦略、新たなビジネスチャンスの発掘、読書による知的満足度の向上を、この期間中に行ってください。


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『商法の危険』 2002年4月23日 --vol.22

では、今回は最近話題の「商法改正の危険」に付いてです。

■アメリカ一色の経済

日本の経済界が、アメリカ一色になっていく。
これって、本当にいい方向なのだろうか?
これって、本当に皆が考えてやっていることなのだろうか?
これって、本当に日本人にフィットしているのだろうか?
その辺を、今日はもう少し考えてみよう。

■何がアメリカ一色

現在、平成の大改正と言われるほど、商法が大きく変わろうとしている。
例えばストックオプションの全面解禁、金庫株(自社株)の自由化、企業再編の手続き簡易化などなど。
これら概要は後述するが、そのほとんどの改革・改正が、アメリカ型を採用している。

経済はアメリカだけが動かしているのでもないし、ここ日本は日本ならではの経済原則や商習慣があるのに、何から何までアメリカ一色の大改正にはどうしても疑問視を抱かないわけにはいかない。

■例えばストックオプション

では、その具体例をここで述べていく。
まずは、ストックオプション制度。
これは、経営者や社員に対し、将来いくらの株価で自社株式を購入できますよ、という権利を付与するもの。
例えば現在の自分が働いている会社の株価が100円で、その後会社業績がアップすれば株価も向上し150円になったとする。
その際、100円で会社の株を購入できる自分は、その権利を行使し市場で購入株式を売却し、50円の利益を得ることが出来る。
給与等でなかなか報酬を払うことが難しいベンチャー企業が、その報酬の代わりに使うケースが典型的。

従来日本では、このストックオプションを付与する対象者をかなり厳しく制限していたが、今回の改正で、極論すれば誰にでも付与出来る。アメリカと同様に。
しかし、このアメリカでは、あまりにも安易に給料の代わりにストックオプションを与えすぎ、他の社員との格差とか、株価が上がらなかった場合のオプション保有者の動揺など、多くの弊害が早くも露呈している。
ちなみに、ドイツ型の商法では、未だにストックオプションに大きく制約をかけている。

■例えば金庫株(自社株)

次に金庫株(自社株)。
これは、企業が自社の発行している株式を購入し保有する手法で、文字通り自社の株=自社株、あるいは金庫にしまっておく株=金庫株と呼ばれる。
自社株の目的は様々で、上述した社員へのストックオプション用であったり、株式の消却用であったり、M&Aの際の株式交換用であったりと。

従来日本では、この自社株は原則禁止であり、例外として消却用やストックオプション用にのみ用いて良いとされていた。
が、今回の改正では、アメリカ並に原則自由となった。
ちなみにイギリス型では、未だに原則禁止を維持している。

■例えば経営者のモラル
 
次に経営者のモラル。
経営者は、株主から企業経営を委託されている立場。
よって、株価の極大化を図ることが最大の目的とされている(株価最大化以外にも目的とすることがあるがここでは割愛)。
アメリカ型では、社外取締役とか、米国基準会計監査役など、やたらと厳しくこの経営者達を監視する制度を導入。
要は「経営を任された経営者がしっかりと仕事をするのか、モラルを遵守するのかを監視する人々と制度」が整っていると言われている。

日本でも同じように、この経営者を監視する各種の商法が導入された(あるいは予定)。
が、アメリカでは、このような各種の監査がほとんど機能しなかった例がこのところ多発していることは皆さんがよくご存知の通り。
ちなみにフランス型では、経営者や指導者には、エリートにふさわしい高度の教養・素養が要求されている。

■何が危険か?

上述した例以外にも、いろんなアメリカ型が導入されている。
では、これの何が危険なのか?

その1つ目が、日本には日本的な考え方、商習慣、人間があるにも拘わらず、戦後の物真似の時期と同様に、何から何までアメリカ型を真似て、それを日本型と呼んでいる点だ。単にアメリカ型を繋ぎ合わせただけで「日本型」と呼んでいるのである。
コーラとハンバークを和室で食べていて、何がいいのだろうか?

次に、アメリカ自身が手こずるっているアメリカ型を取り込むには、高度のノウハウと仕組が必要であるにも拘わらず、日本には未だそれが無い。
NASAのロケットを高校生が扱おうとしているがごとくである。

■危険を感じている庶民

このような危険を、我々庶民は感じている。
感じているからこそ、「市場主義の終焉」と叫んでいる人が増えている。
疑っているからこそ、「アメリカ型資本主義の懐疑論」を唱えている人が多い。
怖いからこそ、「アングロサクソン・リセッション論」が続出している。

皆、アメリカ型の株式会社制度なり、資本主義なりを、真に構築し、運営していくことがいかに大変か、しんどいのかを、直感で肌でわかっているからだ。

■では我々は

さはさりながら、世の中がこの「平成の大改正」に迎合し、これに従わない企業は、いかにも遅れている、と見られてしまう。
まるで、バブル期に不動産投資をしない企業が「化石」と馬鹿にされていたように。

でも、バブル後に化石が宝石だったと証明されたように、今回の大改正にも我々は踊らされないようにする必要がある。
ではどうすればいいのか?

ここでは、各商法改正の是非について述べる紙面は無いので割愛するが、全てに共通する基本原則をお教えする。
それは、いとも簡単である。
まずは、各改正について、最低限のお勉強をすること。まあ、「商法改正」に関する本がたくさん出ているので、その2,3冊でも読めば全容が掴める。
そして、複数の社内外の人々と、徹底的に議論する場を数回設ける。数回でいいけど、なるべく多方面の人や、部下、若い世代も含めて幅広く。
最後に、これら改正された各種手法を取り入れるかどうかを、「直感」で決める。

何か、直感で決めるなんていい加減なようであるが、これがやはり重要だ。
なんとなく「ストックオプションは不公平感が否めない」と思ったら導入すべきではない。
なんとなく「社外取締役に社内のことがわかるはずがない」と思えば、やめればいい。
なんとなく「自社ビルなどの証券化はうさんくさい」と感じたら、検討を中止すべきだ。
もちろん、何もお勉強しないで思い込みで決めるのではなく、あくまでお勉強してからだが。

決して、回りに惑わされてはいけない。
国が決めるものだがら正しいのだろうとか、アメリカがやっているのだから先端的だろう、なんていう概念を取っ払う必要がある。
繰り返しだが、ストックオプションはドイツでは未だ制約されているし、自社株はイギリスで原則禁止である。
また、ある米国大手投資銀行は、日本で多くの企業に「自社ビルの証券化」を推奨しているが、自身ではニューヨークに自社ビルを保有したままである。

■最後に

やっぱ、アメリカの経営スタイルなり経営戦略ってかっこいいのですよね、なんとなく。
そう、むかーし、ガムをかみながらサングラス姿でアメ車のオープンカーに乗っているアメリカ人に憧れたように。
でも、少し大人になった頃、アメ車が如何に日本の道路に合わないか、気が付きましたよね。
また、ようやく最近、和服がブームになっているように、日本人が日本を見直し始めましたよね。
経営でも同じですね。ここは日本です。
まずは、このアメリカ式を大まかにお勉強し、その後日本にあったものを、日本人が考えていきましょうね。
あるいは、自社にあったものを、自社で考えましょうね。


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