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「人の心理」  2003年8月20日 (第70号)


▼▼今週のご挨拶▼▼

南国のタイ。
タイ語は、語彙が少ないと言われています。
日本語のように同じ意味でも、ちょっとしたニュアンスの違いで、
複数の単語があるのとは異なりますね。

但し例外があります。
それは「暑い」という単語。

タイ語には、「暑い」という意味の単語が複数個あるようです。
それだけ、タイ人にとっては、色んな意味の「暑さ」があるのでしょう。

折角の真夏。
「暑いよー」「だるいよー」なんて不満を漏らさず、
どんな暑さがあるのかを楽しむ。

そんな夏の過し方って、いかがでしょうか?


▼▼今週のテーマ▼▼ >>人の心理 

金だけで人は動きません。
高い地位にいるからって、人は動いてくれません。
甘い言葉なんて、直ぐに化けの皮が剥がれます。

では、どうやって、他人というヒトを動かせばいいのでしょうか?
それには、「人の心理」を理解することです。


▼反面教師君

会社の幹部にまで昇りつめた反面教師君。
部下にはいつも命令口調。
「これやれ、あれやれ」
「なぜ出来ないのだ」
で、人望は全く無く、定年と共に年賀状の数は10分の1に激減。

家庭では、典型的な亭主関白の反面教師君。
妻は家政婦くらいにしか思っていない。
で、彼の老後の姿は、良くても濡れ落ち葉程度でしょう。

モテモテの反面教師君。
彼女にはいつも高圧的で言いたい放題。
で、結婚しようと思ったら、誰も首を立てに振らなかった。

友人の数が多いと誇っている反面教師君。
彼の企画する飲み会は、いつも大盛況。
で、実際には、彼のお金が目的だってこと、本人だけが知らない。


▼協力関係

「人が、個人として達成出来ないことを他の人々との協働によって達成しよう
とした時に、協力関係が生まれる。」

自立成長型の仕事人、自分人生の経営者。
彼らは、協力してくれる友人、上司部下、家族恋人などを多数有しています。

また、人一人の力なんて知れたもの。
自分の実力の現状・限界をよく把握しているからこそ、他人の協力を得ることに、
注力しているのです。

「第三者」の協力を得る上で重要なのが、
1 相手と自分間のコミュニケーション作り、
2 相手のやる気の確保、
3 相手と自分双方の目的の形成
に集約されると言っても過言ではありません。


▼人の欲求

次に、人の心理の基本的な知識を持っておくことは、
自分人生のマネジメントには大いに役立ちます。

「なぜあいつは協力してくれないのか」、
「どうすれば彼を満足させられるのか」
を漠然と考えるのではなく、そのベースとなる人間心理を知っておくことが
必要なのです。

では、1つ目の基礎知識として、著名な「マズローの欲求階層論」を解説します。
これは「欲求というのは低次の欲求が満たされると、
より高次の欲求へと段階的に進んでいく」という理論です。


▼5次元の欲求

人の持つ欲求を低次から高次の順で記載すると、
1 生存や生理的な欲求
睡眠欲・食欲など「生きるために絶対不可欠」な欲。

2 安全や安定を求める欲求
痛いこと・危ないこと・不安などから回避欲、保障されたい欲。

3 社会的な欲求
誰かに必要とされたい、愛されたい、どこかに属したいという欲。

4 自尊・尊厳的な欲求
評価されたい、褒められたい、認めてほしいという欲。

5 自己実現欲求
自己成長、自己向上、自己実現

となります。

人が仕事をするのも、誰かに協力するのも、
こうした欲求がその動機となるのです。
彼・彼氏を好きになるのも、実はこうした欲求が根底にあるのです。

また、一度その欲求が満たされると、
同レベルの欲求では次の行動の動機付けにはなりません。

自分人生の経営者は、この欲求階層論を念頭に置いてから、
他人への協力依頼や、友人関係構築に努めたいもの。


▼性善説・性悪説

人が第三者の協力に応じる。
その時の姿勢として有名な理論を解説します。

性悪論では、「人は本来、怠け者だから、仕事を避けようとする。」というもの。
よって、何かの協力を求める場合、強制・命令・処罰を持って脅迫することが必要。
つまり飴と鞭で、専制的に依頼するという理論です。

その対極にある性善論では、「人は本来、協力することに喜びを感じている。」
というもの。
他人への協力は、外部からの脅迫ではなく、報償の力(自我の満足、動機付け、
インセンティブ)を利用すること。
そうすればその気を起こさせることが出来る。
つまり飴と鞭ではなく、動機付けによって協力を得ようという理論です。

どちらが正しいのかは、誰にも明確に答えられないでしょうが、
自立成長型、自分人生の経営者である貴方は、
出来る限り、自分も、そして周辺の人も、後者の視点を持ちたいものです。


▼生産性

心理の基礎知識、最後にご紹介するのが「ピグマリオン効果」
という考え方です。
これは「目にかけてあげることが、その人の生産性を高めるには
最も有効的である」というもの。

例えば、同じ能力がある部下2人に対し、
片方には「君は優秀だ、仕事が出来る人として有名らしいな」と褒め上げ、
もう片方には「君はどのセクションの人だっけ?まあがんばりたまえ」と
ぞんざいに扱うとします。

結果は、同じ能力にも拘わらず、褒め上げられた方がほぼ間違い無く
高いレベルの業務を達成します。

つまり人は、他人ましてや上司や経営陣に目をかけられ誉められると、
ますます仕事に励み、実力以上の業績を上げるよう自立的に努力し、
結果いい業績を達成する。
そして更に誉められるという好循環を生むのです。

この効果を「ピグマリオン効果」と言い、他人への協力依頼、共同作業には、
覚えておきたい基礎知識です。


▼ジンザイ

以上のような「人の心理」を押さえておき、周辺の人々と接していくわけですが、
その「接し方」と同様に、「誰に接するか」も重要ですね。

「人」、「ジンザイ」には次のようなタイプがいることを
まずは念頭に置いて下さい。

<人財>自分にとって大変重要で、人格者である逸材。
<人材>何かのポテンシャル(可能性)を秘めた素材。
<人在>ただそこにいただけの知合い程度。
<人罪>悪影響を及ぼすだけの人。


▼明確化

人の心理の基礎知識を押さえた上で、
人罪ではなく人財を増やすように心がける。
これだけでは、自立成長型の人、自分人生の経営者には不足です。

最も忘れてはならないのが、「自分の進む方向の明確化と、その明確な表明」
そして「自己の成長」を示すことです。

前者の「明確化」。
何か依頼されても、その目的や指示が明確でないと、
受ける方も困ってしまいます。
また、いい加減だと、結局は何もやってくれません。

指示や依頼内容が明確でも、その目的や意図が明確でないと、
同じく、いい加減な対応しか期待出来ないでしょう。

後者の「自己成長」。
やはり、協力を依頼してきた人(=この場合は貴方)が、
協力してあげたことによって、何らかの成長をする、効果を得る。
そこで初めて協力者は満足するものです。

依頼しっ放しで、後は関係無いでは、誰も付いてきてくれません。
「やったことが、何らかの形となる」
これでこそ、依頼された方も、遣り甲斐が出てくるものです。


▼最後に

友人関係も家族も恋人関係も、
指示する/される、という関係ばかりではありません。
でも、暗黙のうちに「これ頼む」という相互関係があるはずですね。

指示が不明確。
向かっている先がわかりづらい。
依頼されたことをやってあげたのに、効果が見えない。

これでは、友人も家族も恋人も、不満だけが残るものです。
さて、貴方の周りの人々は、貴方の「指示依頼」に不満を持っていませんか?


▼マネジメントの方へ

出来るマネジメント(経営者)は、指示が明確。
出来るマネジメントの部下は、的確に応じる。

優れたマネジメントは、部下の心理を読むのが上手い。
優れたマネジメントの部下は、仕事に満足している。

だから、会社は成長し、社員の給料も上がり、成功の道を進んでいるのですね。
これは、人一人としても、会社としても、同じことなのです。



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「人ヒトひと」  2003年8月6日 (第69号)


▼▼今週のご挨拶▼▼

先週号で配信しました「徹底的に○○な夏休み」
好意的な感想をたくさん頂戴し、ありがとうございます。

と言っている私本人、実は「徹底的に○○な夏休み」を、
今年も取れそうもありません。なんとも情けない話なのですが。

皆さんは、私のようにはならずに、有意義なお休みをお過ごし下さい。
来週は、盆のため休刊です。


▼▼今週のテーマ▼▼ >>人ヒトひと

自分人生の経営者である貴方。
自立成長型の仕事人を目指している貴方。

そこには、2つの側面から見た「ヒト」がいます。
1つは、貴方から見た「他人」というヒト。
1つは、他人から見た「貴方」というヒト。

自分人生を経営するには、
他人というヒトを上手に使っていくことが必要です。
自立成長型の仕事人になるには、
他人から見て貴方が「価値ある」ヒトになることが必要です。

自立成長型の仕事人シリーズ。
今週から何週かに分け、これら「ヒト」について、お話します。


▼反面教師君

たくさん勉強した。
資格もいくつか持っている。
取引先との交渉力も優れている。
なのに、仕事がなかなかうまくいかない。

容姿OK。
ファッション抜群。
おしゃべりだって一流レベル。
でも、交流関係が広がらない。

金はある。
家も裕福。
自動車も高級外車。
だけど、恋人が出来ない。

何もかもGoodなように見える反面教師君。
何が欠けているのか、もうおわかりですね。


▼人ヒトひと

会社を経営するには、部下に効率的Iに働いてもらうこと。
あるいは、取引先に会社経営のプラスとなるように動いてもらうこと。
これに尽きると言っても過言ではありませんね。

社長が1人で会社経営できるものではありません。
そこには幹部や従業員という組織の人材がいます。
また、仕入先、販売先、官庁や地域、弁護士などの社外人材もいます。

これら「社内外の人材」が、会社のために一生懸命働いてくれないと、
会社経営は絵に描いた餅になってしまうこと、言うまでもありません。

一方、自立成長型の仕事人は、自分人生という会社の経営者。
これは既に十分理解して頂いていると思います。

一般的な会社の経営には、社内外の人材活用が最重要である。
よって、自分人生の経営者にも同じことが言えるのです。

自立成長型の仕事人を目指している貴方。
その成否は、貴方の周辺にいる人材にかかっているのですね。

そこで、貴方から見た「他人」というヒト。
これに関することを、ロジカルに解説していきます。


▼日産/ゴーン氏

日産のゴーン氏。
彼は、会社経営のプロとして今では誰でも知っている存在です。

会社経営のプロになる(=自分人生の経営のプロになる)
これには、人材の最適活用が重要であること、既に述べたとおり。
そこで、まずはゴーン氏成功の背景をお送りします。
「自立成長..には関係ないのでは?」と言わずに、読んでみて下さい。


▼再生プラン

ルノーから派遣されたカルロス・ゴーンの再生プランにより日産が蘇ったのは
あまりにも有名です。
ゴーン氏は、再生プランとして
「まず徹底的なコスト削減に取組み、その上で未来への投資を進め、
消費者にとって魅力的な商品を提供していく」ことを
基本スタンスとし、それを「実行」し、成果を上げてきました。


▼何故ゴーン氏が出来たのか?

ゴーン氏は、日産が立ち直るためには過剰な人員・設備・負債の削減、
硬直化した組織の打破、系列取引における甘えの排除などが必要である
と判断し、具体的に工場閉鎖や人員削減、下請け整理などによるコスト削減
を実行しました。

日産では、ゴーン氏登場前からこれらを取組んでいたはずです。
では何故ゴーン氏には出来てそれまでは出来なかったのでしょうか?

その解は非常に簡単。
“実行した”から。

正しい戦略の立案は成功するための必要条件ですが、
十分条件ではありません。
企業は正しい戦略を実行して、はじめてその成果を得ることが出来るのです。
そして戦略を「実行」するのが、社内の「人材」。


▼実行するには?

では、従来の日産に出来なくてゴーン氏に出来た「実行」には何が必要なの
でしょうか?

その1つ目は、目標の明確化です。
ゴーン氏は、着任早々、企業理念やビジョンをその重要性とともに明示し、
そして会社として目指すべき目標を明確化しました。
しかも目標未達の場合は、自身を含め経営陣全員が責任を取ることも宣言して。

実行に移すには、社内の人を目指す方向に動かす必要があります。
人を動かすためには、達成すべき目標を簡潔に具体的に表現し、
その目標に対する自らの強い決意を示すことが重要なのです。

2つ目は、社内のコミュニケーション(意思疎通)。
ゴーン氏は、掲げた目標を関係者と共有すべく、
目標達成に影響を与えるあらゆる人々とのコミュニケーションに最大の努力を
払ったと言われています。

現場の声の吸い上げを重視し部課長クラスとの直接面談を行ったことは、
幹部から部下へと一方的に成りがちな情報の伝達を、双方が受け手送り手
となるよう心がけ、実践してきた証です。

また、取締役会等での事前根回しが多い日本企業の中、ゴーン氏はそれを禁止し、
種々な会議において議論がオープンに行われるよう努めてきました。

このように目標を明確化し、様々な手段による継続的なコミュニケーションが、
目標達成にかかわる人々と目標を共有化させることとなり、
その達成に向けての道筋を各人が自立的に考えるようになり、
全社一丸の組織体となったのです。

3つ目は、関係者への動機付け、やる気を起こさせたこと。
ゴーン氏は、ルノーのやり方を一方的に押し付けるのではなく、
日産のアイデンティティを尊重し、日産従業員の持つ潜在力を信じ、
かつて一流と認められた日産を蘇らせることを
各人への動機付けの基本原理に置いていました。

精神的な動機付けのみならず、報酬という形での具体的な成果の還元も
当然忘れていません。


▼リーダーシップ

以上、リーダーシップ能力を発揮し、日産の再生に邁進したゴーン氏は、
あるインタビューで次のように述べています。
「挑戦的な目標に社員を駆り立てるのが社長だが、
そこに困難があれば、彼らを助け、勇気を与えるのも社長である」と。


▼裁量権

また、単にリーダーシップの発揮だけではなく、
部下たちに大きな裁量権を与えたこと。
これも成功の1つの理由になっています。

各個人のやる気を引き出し、会社全体の成果を最大化させるために、
明確な責任範囲と一定の裁量権を認め、意見のぶつかり合いを奨励し、
問題点を顕在化させ、自らその克服に参画させることを進めてきたのです。


▼自立成長型の仕事人

以上のことを、自分人生の経営者である貴方に当てはめてみてください。
貴方がゴーン氏で、自分人生が日産。
従業員が貴方の友人や上司部下、家族や友人などの周辺の「人材」です。
もちろん、「再生」という言葉だけは除いてください。

周辺の人々に対し、貴方が言ったこと。
実行していますか?
約束したことを厳守していますか?

実行する際には周辺の誰かの協力が必要となるのでしょうが、
納得して、協力してもらっていますか?

何かを他人に指示する場合、明確にその目的を説明していますか?
目的達成に苦労している他人に対し、力になってあげていますか?

そうです。
まさにゴーン氏と貴方は同じ発想でいいのです。
成功する企業経営者と、自立する仕事人。


▼最後に

騙されたと思って、
自分人生という会社を経営する姿を、思い描いてみて下さい。
そう、貴方が社長です。

「1人では何も出来ないから、他人の協力が必要」
なんていう、道徳的な発想。
これも大切ですが、もっと現実的に、考えが浮かぶはずです。

そして、経営者は、貴方しかいないのですね。


▼マネジメントの人へ

既に事実上の会社を経営していたり、
多くの部下を有しているマネジメントの皆さん。

最近、成果主義って言葉を多く聞きます。
でも、そもそも成果って何?
また、成果に対し与える報酬って、金銭的なものだけでいいの?

自分人生を考えるのと同時に、企業経営における人材の活用。
今一度、考え直してみたいですね。


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▼▼次号のテーマ▼▼   8/20 配信

>>人の心理 

金だけで人は動きません。
高い地位にいるからって、人は動いてくれません。
甘い言葉なんて、直ぐに化けの皮が剥がれます。

では、どうやって、他人というヒトを動かせばいいのでしょうか?
それには、「人の心理」を理解することです。

次号、最低限知っていて欲しい「人の心理」についてお送りします。




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「自立成長型の人、夏休みの過し方」  2003年7月30日  (第68号)


▼▼今週のテーマ▼▼

”ぼくの夏休み”っていうソフトが昨年流行りましたね。
私はゲームを全くやらないのですが、あのソフトのCMだけは、
何となくしっかりと観ていました。

皆さんは、もう夏休みを取りましたか?
多くの方々がこれから取るのでは。

そこで、Private Brainから送る夏休みSpecial
「こんな夏休みにしてみては」


▼▼反面教師君▼▼

「今年の夏休みの予定は?」と反面教師君に聞いてみた。
すると、「忙しくて休みなんて取れないよ」という回答。
「ご家族(あるいは恋人)は納得しているの?」
に対しては、「仕事があるから仕方ないって説明したよ」
ですって。

「もし、仕事が無かったら、どんな夏休みを取ろうと思う?」
に対しては、「別に、何をしたいってないから、わからない」
ですって。

「昨年はどんな夏休みだった?」って聞いてみると、
「覚えてないよ。確か数日間休んだはずだが」
ですって。


▼▼徹底的▼▼

「悔いの無い夏休み」
同じ休みを取るのなら、アトで後悔はしたくないですね。

「5年後も覚えている夏休み」
有意義な夏休みなら、5年後にも2003年夏のことを想い出せることでしょう。

そこで、悔いが無く、先々になっても想い出せる夏休みを過すには?
そのキーワードが、「徹底的に」です。
以下、「徹底的に○○する夏休み」ってことで、
いくつかのアイデアをお送りします。


■徹底的に乱読(雑誌を買いまくる)

手当たり次第に読書をするってのは、いかがですか?
でも、いつも読んでいるようなビジネス系の本とか、
愛読書の小説なんかではダメ。

この夏は、「自分の視野を広げる」ことを目的とした乱読をする。
どうでしょうか?

その為には、例えば書店に陳列されているベスト10を全て買っちゃう。
いや、それは時間が無くて出来ないかな。
ならば、手当たり次第、雑誌を買うってのはどうですか?
いっそのこと、ビジネス誌だけは除いてね。

男性なら、FRAUや日経Womanなどの女性誌を、女性ならMen's EXやBRIOを。
また、鉄道ファン、歴史読本、ゴルフダイジェストなどの趣味誌から、
地域誌や料理誌だっていい。
特にテーマを決めずに、目に入ったものを買いまくるのです。

そして、全て斜め読み、飛ばし読みでいい。
雰囲気を掴むだけで十分です。
斜め読みなら、30分もあれば一誌読めるので、
3日もあれば店頭に並んでいる大半のものが可能でしょう。

きっと、思いもしなかった発想とか、新たな発見があり、
何かに役に立つはずです。
視野も広がりますしね。


■徹底的に自分の棚卸し

自分という「資産」の棚卸しを徹底的にしてみてはどうでしょうか?
自分を1つの資産として捉えてみる。
そこには、貯金や不動産などの「見える資産」もあるが、
ここでは「見えない自分の資産」を棚卸するのです。

友人や家族、知識や知性、信念や夢、多種多様な見えない資産が、
皆様にはあるはず。
それを、1つ1つ頭の棚から降ろし、整理してみると、
何が無駄で何が使いこなしていないのかがわかることでしょう。

また、残り数ヶ月の今年、次の異動までの1,2年、キャリアアップまでの
数年、大きな岐路までの10年など、次の区切りまでに、どの資産を有効に
使うべきか。
どの資産を捨てるべきかが、より明確になってきます。


■徹底的に地域参加

夏は、地域コミュニティに溶け込みやすい時期です。
そう、盆踊りや花火大会などの夏祭りが盛んだから。

そこで、今年の休暇は、普段溶け込めていない、参加していない地域生活に、
徹底的にどっぶり漬かってみるのはどうでしょうか?
子供の頃は、かなり地域に溶け込んでいましたよね。
それが今や、地理的に離れている人々とはネットで近づいたものの、
地理的に一番近い地域コミュニティとは遠ざかってしまった。

しかし、今後更に、地域コミュニティが復活してくることでしょう。
なぜなら、会社依存型が崩れ、ドライな人間関係が蔓延している中、
人間誰もがココロの通い合いを求めているからです。

私も昨夏、20年ぶりに地域の盆踊りに参加してみました。
なんとも言えない「ホッ」としたいい気分。


■徹底的に1人の時間

徹底的に、1人の時間を作ってみるのはどうでしょうか?
それも、TV雑誌等の情報源から隔離して。

情報洪水、人との接触が多い。
これが皆様の普段生活だと思います。
1人で誰にも干渉されず、且つネットGピVなどにも「邪魔」されずに、
時間を過ごすことって、少ないのではないでしょうか?

あえてTV雑誌を捨て、誰にも会わず、黙々と1人で過ごす時間梛A
今の世の中、最も贅沢な過ごし方だし、最も難しい過ごし方であると言えます。
だからこそ、今年の休暇は、徹底して1人で過ごす。
なんとも贅沢なことでしょうか。


■徹底的に遊ぶ

遊んで遊んで遊びまくることに徹底する。
そんな休暇があってもいいですよね。

ところで、ここで言う遊びって何でしょうか?
それは、自分が好きなこと、その程度の定義でいいです。
で、徹底的に遊ぶとは、徹底的に好きなことをやるってことです。

旅行、音楽、映画、ゴルフ、グルメ、なんでもいい。
「自分はこれが一番好き」ってことを、徹底的にやるのです。
そう、「もう腹いっぱい」ってくらいに。
そう、「もう当分いらない」ってまで。


■徹底的にサボる

遊びも疲れるものです。
そこで、徹底的に「何もやらない」、「サボりまくる」ってのは、
イケてる休暇ではないでしょうか?
そう、何もやらない、ジャマイカンになっちゃうのです。

朝何時に起きてもいい。
食べたい時に食べ、酒を飲みたきゃ朝からOK。
夜中までTV生活もいいし、昼寝を3回したって文句無し。

徹底的に怠惰な生活をとり、「もうこれ以上サボりたくない」状態まで
させちゃうのです。
すると、仕事が恋しくて恋しくて仕方なくなることでしょう。
すると、勉強がしたくてしたくてどうしようもなくなることでしょう。


■徹底的にヒマになる

上述を更に進めて、徹底的にヒマ(暇)を作っちゃうってのもいいですね。

サボるって言っても、それには通常、TV見たり、外出したりすることが
含まれてしまいます。
で、それすらしない。
何もしないのです。

ただ、ボーと、そう時が経つことだけを目的としているような一日を過ごす。
「暇で暇でしょうがない」状態って、非常に貴重な体験だと思いますよ。


■徹底的に鍛える

今度は、上記と逆のことだが、徹底的に自分を鍛える期間にするのって、
どうでしょうか?
鍛えるとは、体もココロも頭も。

普段、酒と美飯で贅沢三昧の貴方。
普段、楽しくおかしく過ごしている貴女。
でも、それが続いているので、何となく飽食化してきたのではないでしょうか?

そこでこの期間、肉体的にも精神的にも、徹底的に自分を鍛えてみることを
お薦めします。
朝から晩までジムやプール。
朝から晩まで難しい哲学書を読む。
朝から晩まで禅寺にこもる。
出羽三山での荒行だっていいですね。

そうしたら、普段の贅沢が何倍にも価値が高まるし、
第一、鍛えたことによって得ることは多大です。


■徹底的に極める

何かを、集中的に極める、マスターするのも、休暇ならではですね。
そこで、徹底的に何かをマスターするのはどうでしょうか?

極める対象は、趣味でも、仕事関係でも何でもいい。
3日間で、パソコン関連を徹底的にマスターしちゃう。
3日間で血豆が出来るまでゴルフを練習する。
3日間で、MBAの本を読破する。
3日間、蕎麦作るのみをやる。
3日間、縄文時代から現代までの日本史を極めちゃう。


■徹底的に家族

家族のいる方は、徹底的に家族と時を過ごしてみるのは、どうでしょうか?

普段、深夜残業(飲み会?)と週末ゴルフで忙しいお父さん。
普段、仕事にグルメにショッピングにと家に居ないキャリアさん。
家族って、近くにいるようで遠い存在になってないでしょうか。

子供がいるなら、絵日記に書くような出来事を、貴方が毎日作ってあげる。
お母さんと一緒に住んでいるなら、毎日夕食を作ってあげる。
奥さんや旦那さんと、口が疲れるほど会話をする。
何でもいい、ともかく家族とだけ過ごすのです。


■徹底的に恩返し

この夏、徹底的に恩返ししてみませんか?

誰もが1人で生きているわけではありません。
親兄弟、妻夫、子供や親戚。
近所、友人、仕事関係。

そんな彼ら彼女らに、何でもいいから「日ごろの感謝」を示すのです。
もちろん、お中元なんていう形式ばったものではなくて。

そうだ、直筆のお手紙がいいかもしれませんね。
一言、感謝の気持ちが表れる文章に、休暇中の旅先で見つけたシオリでも同封
して。
それが、貴方(貴女)をサポートしている人々への、効果的な恩返しとなるこ
とでしょう。


■徹底的に少年少女に

この夏、徹底的に少年少女に戻る。
なんともすばらしい夏休みではないでしょうか?

セミ取りを、何年やっていない?
線香花火のキレイさを、覚えている?
小川で小石の何段飛びって、楽しいよね。

プラモデルを作ったって、リカちゃん人形をタンスの奥から出したって
いいのです。
市民プールで泳いだ後に、自転車おじさんからカキ氷を食べると
美味しいですよ。
童話を読んだり童謡を聴きまくったりするのもいいかも。

そう、物置にすっかり置き忘れてしまった「少年少女」を、
この夏は取り出してみませんか?


■徹底して田舎人になる

徹底的に田舎の生活。
どうでしょうか?

ケイタイ着信音の代わりにセミの声。
パソコンのキーボードを打つのではなくて、まき割りをする。
ラグジュリーなバーではなく、満天星の下での焼酎。

目覚し時計なんていらない。文字通りニワトリが起こしてくれるから。
テレビ? そんなもの映らないけど、外を眺めているだけで十分。
いいですね、田舎、いや、カントリーサイドの生活って。


■徹底的に電車に乗る

電車に乗るのは、平日の通勤時と出張時ばっかり。
週末は車での移動。
そんな皆様はこの休暇、目的地が無い電車の旅に出てみては
いかがでしょうか?
そう、徹底的に電車小僧になる。

まずは最寄りの駅から、普段とは逆の方向の電車に乗る。
テキトーに降りたいときに降り、乗り換えたいときに乗り換える。
出来れば鈍行がいい。

すると、車窓からの景色が普段とは全く異なったものになるでしょう。
そして、夕暮れを迎えた駅を終着駅とし、降りてしまう。
そこには、金では買えない贅沢な「目的地」が待っていると思いますよ。


■徹底的にリゾート

徹底的にラグジュリーなリゾートを味わうのもいいですね。
そして、どうせ味わうなら金には糸目をつけずに。

その場合のキーとなるのが、人が少ない場所で、
王様女王様気分になれるリゾート地に行くことです。
間違っても、チェックイン客でごった返しのホテルとか、
列を成しているレストランなんかではダメ。

「そんな場所、日本にあるの?」
探せばありますよ。


■徹底的に仕事

この時期、電車も街も空いています。
オフィスに居ても、電話もEmailもあまりありません。
だからこそ、仕事に集中できるのがいいですね。

で、この時期、徹底的に仕事をするのはどうでしょうか?
そのために、まずはオフィス空間を整えましょう。
まずは、デスクと書類とEmailや電子ファイルの整理。
そして、いざ仕事へ。

こんなに仕事に集中できる時期は無いです。
そして、盆が終わってから、ゆっくり休暇を取りましょうね。


■最後に

「そんなこと、時間が無くて出来ないよ」
うーん、そんな反論が聞こえてきます。

そうなんです。
言っている私自身も、出来ないと思っていることばっかり。
まあ、理想かもしれないね、ここで挙げたことは。

ならば、出来るように、更に鋭意努力していきましょうね。
そしたらいつか、こんな夏休みが過ごせるようになりますよ、きっと。

体を休めるためだけの夏休みなんて、もうおさらば。
やることなくてどうしようか、などという悩みともおさらば。
5年後も10年後も想い出せる夏休みにする。

それでは、Have a nice holiday!


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▼▼次週のテーマ▼▼   8/6 配信

>> 人ヒトひと

自分人生の経営者である貴方。
自立成長型の仕事人を目指している貴方。

そこには、2つの側面から見た「ヒト」がおります。
1つは、貴方から見た「他人」というヒト。
1つは、他人から見た「貴方」というヒト。

自分人生を経営するには、他人というヒトを上手に使っていくことが必要です。
自立成長型の仕事人になるには、
他人から見て貴方が「価値ある」ヒトになることが必要です。

自立成長型の仕事人シリーズ。
来週からは、何週かに分け、これら「ヒト」について、お話します。

さて、貴方の周りの人はどんなヒト?
さて、貴方は周りから見てどんなヒト?



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「自立成長型の人、戦略実行のコツとは」  2003年7月23日 (第67号)


▼▼今週のテーマ▼▼ >>戦略の実行

内部分析OK。
外部分析も終わった。
分析に基づいて戦略も策定した。

「よし、いざ実行」
さて、その際のポイント、コツとは?


▼反面教師君

二次会はカラオケってのが、まだまだ主流。
俺も結構得意。
しかし、合コンの二次会では、いつもアイツに負けてしまう。

今号の反面教師君は、これだけです。


▼戦略の実行

自分の強みや得意分野。
自分の目指すべきゴール。
自分のリソース(金・時間等)を集中すべきドメイン(領域)。

これらを明確にすることが、
自己分析(内部分析)と環境分析(外部分析)の目的でしたね。
そして、前号まででそれを完了しました。

自立成長型の仕事人となることが、「勝つこと」。
そして、勝つための戦略を選択し、実行していく。
これについて、お話します。


▼選択する戦略

ゴールに到着するための作戦や道順が、「戦略」。

駅に向かうには、色々な道順があります。
つまり選択枠がいくつかあるということ。
同じように、ゴールに到着するための戦略にも、色々あります。

選択した道順次第で、到着の時間に相当差が出るのと同様、
選択した戦略次第で、ゴールへの時間と労力も大きく異なってきます。
いや、場合によっては、ゴールに到着しません。

だから、「どの戦略を選択するか」が重要となるのですね。


▼自分のポジションによって選択する戦略

自分が戦うドメイン(場所・領域)内で、他の人々と比較して、
自分はどのような位置を占めているのか。
いわゆる、自分のポジションによって、3つの戦略選択枠があります。


▼リーダー

一つ目は「リーダー」というポジションです。
パソコンソフトにおけるマイクロソフト。
自動車業界におけるトヨタ。
これら企業のように、ある領域(ドメイン)で大きなシェアや影響力を持って
いる企業のことを業界内でのリーダーと言います。

同じように、会計士なら会計士という業界内、○○会社の営業マンなら
○○会社営業部という部署内、合コン仲間なら仲間という関係内、
その中で影響力がある人、持っている人のことをリーダーと言います。

リーダーの「勝つ」定石戦略は、圧倒的に2番手を引き離すことです。
そのために考えられるのが、ディファクトスタンダード化すること。

ウィンドウズは、OSのディファクトスタンダード。
(最近は多少揺らいでいますが)
だから、圧倒的な差を2番手につけ、長年勝ち続けています。

貴方が、ある領域でリーダーだとすると、
貴方の行動・言動・好み等が、その領域内のディファクトスタンダード。

例えば飲み会なら、一次会も二次会も、貴方の強みや魅力が出せる場所に
するし、それが出来る。
会議なら、貴方の発言や望む議事進行方法が、スタンダード。
経理マンなら、貴方の経理処理方法がスタンダード。


▼チャレンジャー

二つ目は「チャレンジャー」というポジション。

戦い領域には既に「リーダー」が存在する。
しかしいつしかリーダーに取って代わろうとしている企業や人のことを
指します。

自動車ならホンダや日産。
広告なら博報堂。
チャレンジャーであったアサヒビールは、リーダーの座に付いた(あるいは
付く可能性が高い)と言えます。

もし貴方が、戦う領域においてチャレンジャーだとすると、
そこには次のような定石戦略があります。

まずは、リーダーと同じ領域で勝負を挑むリーダー直接対決型。
このタイプであるなら、ともかく真正面から戦い抜くことのみが戦略です。
会議でも飲み会でも仕事の領域内でも、徹底的にリーダーとやりあう。

次に、リーダーがまだ強化していない領域に注力していく背面攻撃型。
このタイプであるなら、巨漢の横綱の背面を狙っていく戦略に徹します。
理論武装を得意としているリーダーがいる会議では、浪花節型、
温情型で進行してみる。
イタメシとワインに精通しているリーダーが混じった合コンでは、
なんとかして飲み会の場所を屋形船にしてみる。

尚、リーダーとの差が大きい場合は背面型、小さいなら直接型が
適していることでしょう。


▼フォロワー

三つ目は「フォロワー(追随者)」というポジション。

領域内のリーダーに追随し、他の者からの攻撃や反撃を招かない。
これのみに徹底した企業や人をフォロワーと呼びます。
地域内最大手の私鉄に追随する、ローカル鉄道。
巨大ショッピングセンターの近くで営業する専門店。

追随は、決してお調子者というわけではありません。
あくまで戦うための戦略です。


▼自分の強みによって選択する戦略

以上、ドメイン内での自分のポジションに応じて、
選択すべき3つの戦略を述べてきました。

次に、自分の強み(=貴方という商品)に応じて、
選択すべき戦略を4種類解説します。
4つとは、「導入期」、「成長期」、「成熟期」、「衰退期」です。


▼導入期

ICタグ、ネット家電、米国型企業経営(統治)、ロシアンPOPS。
これら最近の注目モノは、全て「導入期」にあると言います。
つまり、これから急成長するかもしれないが、来年には姿を消している
かもしれない。
まだまだ市場乱立には至っていないが、どの商品も手法も力不足。

同じようなことが、人の強みにも当てはまることがあります。
その人の強みやウリは、まだ殆どの第三者は認知していない。
例えば、誰もが知らない得意技。
全く新しいタイプのライフスタイル。

このような「導入期」に貴方の強みがある場合、取るべき定石戦略は、
「貴方の強みの本質的な機能」を他人に認知させることに専念。
”Why you”の認知ですね。

そして、導入期の他人への認知に一番適しているのが、「クチコミ」です。
貴方の良さ、強み、ウリを、徹底してクチコミで広げること。
また、クチコミでの「拡販」は、オピニオンリーダーに認知させるのが、
最も手早い手法です。

つまり、「貴方の強みを、貴方の領域内にいるオピニオンリーダーに認知
させること」
これに徹することが、戦略です。


▼成長期

高画質携帯電話、高速ネットインフラ、ヒーリング・ミュージック、
スローライフ市場、熟年向け各種商品。
これらの商品や概念は、「成長期」にあると言えます。

つまり、成長期のモノは、需要が急拡大し多くの消費者や支持者が現れ、
マス市場が形成されていきます。

貴方の「強み」の内容が、成長期にある場合、それに応じた戦略を取る必要
があります。
例えば、「米国の会計処理手法」について精通しているという強み。
これは導入期ではなく、既に成長期です。
「隠れ家的な和食レストラン」を、たくさん知っているというウリ。
これも、成長期です。

その際に取るべき戦略は、「差別化」しかありません。
次項で述べますが、これら成長期にある「強みやウリ」は、必ず成熟、衰退へ
と向かいます。
その期に突入するまでに、貴方の差別性を確立しておかないと、貴方自身も成熟
から衰退へと陥ってしまうからです。

米国会計処理という強みだけではなく、それに欧州的な概念も入れてみるとか。
隠れ家レストランというだけではなく、食事の中身も特異性があるお店に精通す
るとか。


▼成熟期と衰退期

大半の商品が成長期から、成熟期や衰退期に入ります。

バブル的発想は、完全に衰退しました。
シャツ出しタイトパンツルックも、まもなく成熟期に入るでしょう。

貴方の強みやウリが、成熟期や衰退期にある場合、2つの戦略があります。
1つ目は、徹底して最後まで貫き通し、なるべくその期間を長くとろうとする
こと。
2つ目が、持っている強みをさっさと捨て、新しい強みやウリの獲得に努める
こと。

2つ目の戦略は、いわゆる「撤退」です。
今まで蓄積したこと、培ってきた強みを捨てるのって、なかなか出来ないもの。
でも、いかに潔く撤退し、新しいウリの獲得に向かうか。
その時期が遅れれば遅れるほど、新しいところに向かえなくなるものです。


▼戦略達成(実行)のコツ

以上、置かれたポジションや持っている強みによって、選択すべき戦略が
異なることを述べてきました。

今号の最後に、これら選択した戦略を実行する際のコツを、
2つばかりご紹介します。

1つ目は、「ベンチマーキング」という考え方。
他人の優れた部分を学び取り入れていくことを、ベンチマーキングと言います。
この場合の他人とは、貴方の領域内の者のみならず、
異領域、異文化、異業種も対象にし、
ベスト・プラクティス(最も優れた仕組)を学ぶことにより、
飛躍的な質の向上や改善に結びついていくことが大切です。

2つ目が、「ストレッチ」という考え方。
従来の改善では達成出来ない高めの目標を設定し、
その実現に挑んでいく考え方をストレッチと呼びます。
つまり、背伸びの原理。

優れた企業では、このストレッチの考えを常に取り入れ、
「不可能なことは何も無い」というチャレンジ精神のもと、「出来ない」では
なく、「どうすれば出来るか」のみを回答として求めて行く。
そんな社風があります。

全く同じことが、自立成長型の人にも当てはまるものです。


▼最後に

未だにバブリーなブランドに身を包み、高級車を乗り回すことが、
カッコいいって考えている人。
衰退期の戦略を取った方がいいかもしれませんね。

リーダーになって貴方自身をディファクト化する。
そう簡単なことではないので、フォロワーに回るのも、
決して悪い戦略ではありません。

折角夜中まで勉強してきたのに、市場での価値が無くなってしまった。
しかも、勉強の対象は全く好きではない。
そんな資格を取りに行くくらいなら、アホづらこいて
深夜TVに耽っていたほうがよかったって後悔してしまう。
でも、後悔しても何も得られませんね。

折角の貴方の強みを活かせる戦略を。
限られた貴方のリソース(金・時間)の有効活用を。
そのためには、どの戦略を選ぶか。
そして、選んだ戦略をどうやって実行するか。

是非、じっくり考えてみてください。


▼マネジメントの方へ

貴方が経営する会社。
貴方がマネジメントしている部署。
貴方が責任者の商品。

市場内のポジションは、リーダーですか? チャレンジャーですか?
ライフサイクル上、成長期ですか? 成熟期ですか?

優れたマネジメントなら、即答できます。
戦略を間違った武将は、どんなに強力な軍団を有していても、
やはり、負けてしまうものですね。


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▼▼次週のテーマ▼▼   7/30 配信

>>夏休み

次週は、ちょっと一息。
夏休みの過し方に付いて、配信します。



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「外部分析」  2003年7月16日  (第66号)



▼▼今週のテーマ▼▼ >>外部分析

自分という「内部」分析が出来た。
そして、いざ出陣。

ところが、誰も相手にしてくれない。
出陣したけど、そこには誰もいなかった。
これって「外部分析」が出来ていないからです。

では、「外部分析」って?


▼反面教師君

俺の価値(バリュー)って、やはりこの営業スマイル。
だから、どこに行ってもニッコニコ。
ところが最近、訪問先の人々が冷たいんだよな。

俺って、やっぱカラオケ上手。
彼女とは、いっつも二次会カラオケ。
ところが、最近の彼女、デートの誘いに応じてくれない。

コンピューターのことならお任せ。
ソフトの扱いも自由自在。
ところが、なぜかリストラの対象に。


▼外部環境

前号では、自分の分析(内部分析)について説明しました。
キーワードは「バリュー・チェーン(価値連鎖)」。

そこで内部分析の次に行うべきことが、今号の「外部環境分析」です。

外部環境分析とは、自分を取り巻く外部環境の中で、
自分でコントロールすることが難しく、
尚且つ、「自分人生」の経営に影響を与えることについての分析です。

自分のバリューがわかっても、それが外部の環境と大きくかけ離れていては、
意味がありません。
外部環境によって、価値あるものが無くなったり、その逆もあります。


▼例えば

自分を取り巻く外部環境。
自分でコントロールが難しい。
自分人生に影響を与える。
この3点に当てはまることを、ピックアップしてみて下さい。

例えば上司。
コントロールが難しければ外部環境分析に該当します。

例えば家族や恋人。
ある程度コントロール出来ているつもりでも、
自由自在に「操れる」ことはありえません。
だから外部環境分析の対象です。

政治。
日本の政治が貴方の人生、仕事にどれだけ影響を及ぼすのか。
あまり直接的な影響が無い様なら、分析対象が増えすぎても混乱するだけなので、
外してもいいでしょう。

いずれにせよ、以上のような外部について分析するのですが、その方法は
次に述べます。


▼3C分析

一つ目は、3C分析という方法。
3Cとは、市場や顧客(Customer)、競合(Competitor)、貴社(Company)のこ
と。

3Cの中で、市場や顧客を分析するのが、市場(顧客)分析。
貴方自身を、「商品」としてみてください。
そして、貴方という商品に対し、何らかの時間やお金を投じる人を、
「貴方の顧客」と見なします。

また、将来もしかしたら貴方に何らかの時間やお金を投じるかもしれない。
そんな対象も「潜在顧客」として含めます。

そして、「顧客」がどれだけいるのかという市場規模(潜在顧客の数や地域構
成)。
「顧客」がどうして貴方を選んだのかという選択理由。
このようなことを分析するのです。

もし、サラリーマンであるなら、顧客は上司であり、同僚であり、社内の協力
者。
営業マンなら、当然ながら社外の取引先も含めます。

恋愛でも同じ。
貴方が男性なら、顧客は「女性」、あるいはその中にいる「貴方の意中の女
性」。
家族なら、顧客は妻であり子供であり、両親や義父、親戚まで。

3C分析の2つめが、競合状況や競合相手についての分析です。
具体的には、競合相手からいかに市場を守り市場を奪うかという視点を持ちなが
ら、競合相手の数、戦略、強みと弱み、成績などを分析します。

そして3C分析の3つ目が、前号で申し上げました「自分分析」ですね。


▼SWOT分析

次の分析方法がここで言うSWOT分析。
外部環境分析の目的は、市場において貴方が勝つ機会(Opportunities)を探り、
貴方にとっての脅威や避けたいこと(Treats)を見つけ出すことにあります。
そして、内部分析での貴方の強み(Strengths)と弱み(Weaknesses)を把握し、
それを全体で組み合わせたのが頭文字をとってSWOT分析。

このSWOT分析により、貴方が成功するための要因(KSF)や、
貴社の成功機会を導出していくのです。

例えば、貴方の会社が売上げ減少で困っている(=勝つ機会)
貴方が避けたいことは、リストラの対象となること(=脅威)
これが外部分析。

内部分析が、貴方は多くの人脈を有している(=強み)
だが、懇意にしている友人が少ない(=弱み)

以上のSWOT分析により、会社への売上げ増大の協力(勝つ機会)を、
貴方の人脈フル活用(強み)によりやってみる。
懇意の友人が少ない(弱み)ことは、この際仕事を通じてでも、強みに
変えていく努力をする。
リストラの脅威は、これらの結果で克服。
こんな感じでしょうか。


▼脅威分析

脅威の分析は、更に次のように分解できます。
それは、「競争相手」、「新規参入者」、「代替品」、「売り手」、「買い手
」。
ここでは、「参入者」と「代替品」について解説します。

新規参入者とは、今までに居なかった競争相手の出現のことです。
経理の知識について貴方は社内で認められていた。
でも、貴方を上回る会計士が、ヘッドハンティングされそうだ。

代替品とは、会計士という人的参入者のことではなく、
経理マンそのものが、不必要となってしまうことです。
例えば、経理ソフトの導入とか、経理事務そのもののアウトソース化。

恋愛関係の場合。
新規参入者は、言わずもなが、恋敵ですね。
そして代替品とは、意中の女性(男性)の興味の対象が、
結婚や恋愛なんかよりも、趣味や仕事、その他のことに集中してしまうことで
す。


▼優位性

以上のようなことを分析したら、次に行うのが「貴方の優位性」の検討です。
つまり他人よりも、いかに具体的に優位性を築くかを考えていく。
それには大きく分けて以下2つの基本形があります。

一つ目が、コスト・リーダーシップ戦略

この戦略は、「他人よりも低コスト、カジュアル性を実現する」ことが基本。
深く付き合うよりも、幅広く数をこなす戦略。
一つ一つの専門性は深くないが、幅広の知識を有しようというやり方。

「あいつは気軽に話せるね」
「彼って、何が売りってのは無いけど、なんか知合いが多いね」
「よくわかんないけど、とりあえずあの人に相談してみよう」
これを目指していきます。

二つ目は、差別化戦略
この戦略は、「貴方という商品を差別化し、ユニークだと見られる何かを創造す
る」ことが基本。
そのユニークさは、価値として認識され、競合者が簡単に模倣できないものでな
ければなりません。

「経理については、あいつしかいない」
「彼って、シャレたレストランについて本当に詳しいわね」
「人生相談なら、あの人しかいないよ」
これを目指していきます。


▼最後に

こうやって外部分析すると、いろんなことがわかってきます。

今、注力していることって、意味があるのだろうか?
今、忘れている大切なことって、何だろうか?

トライ中の資格って、自分のSWOT分析結果で言うとどうなるだろうか?
先日、彼女(彼氏)にフラれた要因はなんだろうか?

自分人生という経営に必要なことって、本当は何だろうか?
そして、不必要なことは、何だろうか?

日々、自分や外部の分析をするのは、時間的にも難しいですね。
いや、そんな分析なんかしていたら、毎日窮屈になってしまいます。

でも、時々、ほんの時々でいいので、是非やってみて下さい。


▼マネジメントの方へ

己と敵を知ること。
これは、競争に勝つ原則中の原則。

優れたマネジメントは、無駄打ちが多いようで、全てある戦略に基づいていま
す。
そうでないマネジメントは、己と敵を知らないので、誰も居ない藪を目掛けて、
鉄砲を撃ってしまいます。

経営者たるマネジメントの基本は、
己と敵を知ること。
これが、内部分析であり、外部分析であること、言うまでもありませんね。

By Private Brain 上原


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▼▼コラム▼▼ ☆ビジョン・クリエート☆ by 天野優志

◇コンビニが移動する!

最近、近所でコンビニが移動している。

今日も、セブンイレブンの新しい看板が立った場所は、
信号ひとつ先には、すでにセブンイレブンがある。
きっと、古い方のセブンイレブンは閉店するんだろうな。

移動する理由は、明確。
駐車場が広いところ移っている。

コンビニが進化しているんだろうな。
とりあえず必要なものが揃っているお店から、
欲しいものばかりが並んでいるお店へ。
ちいさなスーパーだったのが、
ちいさな百貨店になった。
日常から、一歩だけ抜け出した場所になってきた。

近くにあるから行くのではなく、
車でわざわざ行く。
それが今のコンビニ。

便利なだけじゃなくて、楽しいが待っているのがコンビニ。
銀行も郵便局も取り込んで、これからどこへ行こうとしているのか。
まだまだ、進化は続いているね。


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▼▼次週のテーマ▼▼   7/23 配信

>>戦略の実行

内部分析OK。
外部分析も終わった。
分析に基づいて戦略も策定した。

「よし、いざ実行」
さて、その際のポイント、コツとは?
それは次週(7月23日)に。



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「自立成長型の人は、自分の分析を行う」  2003年7月9日  (第65号)

▼▼今週のご挨拶▼▼

株価が上昇し、景況感が上向いている。
少しばかりですが、景気が良くなっているようですね。

景気が良くなるというのは、平たく言えばGDP(総生産)が増えること。
GDPが増えるとは、消費が拡大すること。
消費の拡大とは、それだけモノが売れるということ。
モノが売れるとは、たくさん生産されること。
たくさん生産とは、それだけ多くのエネルギーを消費し、
多くの廃棄物が生じること。

これって、本当に喜ばしいことなのでしょうか?
いっそのこと、景気が悪い→エネルギーの消費量や廃棄物が減る。
こういう考え方って、どうなのでしょうかね?


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▼▼今週のテーマ▼▼ >>自分の分析

自分の仕事、能力のどこを強化すべきなのだろうか?
自分の魅力の、どこを前面に出すべきなのだろうか?

資源の収集配分も、ドメインを定めることもわかったが、
「どこを強化」、「どこを前面に」、がわからない。


▼反面教師君

俺は、今の会社では、成績トップの営業マン。
その実績を持って転職した。
でも、そこではなかなか営業成績が上がらない。

俺って、合コンで盛り上げるのが得意。
その勢いで、ゲットした彼女ともデート。
でも、いっつも二回目のデートには繋がらない。

俺には多数の知合いがいる、人脈抱負人間だ。
その人脈を生かして人材派遣会社を起業した。
でも、誰も登録してくれない、誰も集まらない。


▼Why Me ?

昨日は、激安スーパー顔負けの大安売り。
今日は、銀座のブティック並みの高級路線。
そんなお店があったら、どう思いますか?

とかく、自社分析が出来ていないお店によくありがちですね。
ポリシーが無いというか、何をお店の魅力としているのか
わからないっていうか。

これは、ビジネス・ピープルにも同じことが言えるのです。
貴方は、何を売り物としているのか?
貴方の「どんな機能」に、会社は給料を支払っているのか?
貴方の何が良くて、彼女(彼氏)はお付き合いをしているのか?

まさに、「Why Me?」を問い詰めてみるべき時代です、今は。


▼自己分析

競争力のある企業やビジネス。
彼らは、自分の会社やビジネスの分析に余念がありません。
いわゆる「内部分析」。

同様に、優れたビジネス・ピープルも、「自分分析」に日々気を配っています。
「自分分析」。
これには、色々な方法があり、また分析すべき対象も多種多様です。
そこで今回は、「バリューチェーン」という手法についてのみ、
解説致します。


▼バリューチェーン

バリュー(Value)とは、価値のこと。
チェーン(Chain)とは、連鎖のこと。
そして、価値連鎖のことを「バリューチェーン」と言います。

自動車メーカーというビジネスに置き換えて説明してみましょう。
100万円で売られている自動車は、
1 デザイナーがデザインを考え、
2 それに合わせて、設計者が設計し、
3 それに従って、購買担当が、原材料を仕入れ、
4 原材料から、自動車を製造し、
5 それを在庫して、ディーラーまで運び、
6 広告宣伝を経て、消費者に行き渡る。

そもそも10万円だった原材料が、以上のような「価値を付けてくれる」人々
によって、100万円となり、消費者の手に渡る。
これら「付加価値」が「連鎖・連続している」ことを、価値の連鎖
(バリューチェーン)と言います。

バリューチェーンとは、このように「事業活動」を機能ごとに分解し、
どの機能・部分で付加価値が生み出されているかを分析することです。
そして、最も付加価値を生んでいる機能・部分がどこなのかを探し、
事業戦略への貢献度を明確にすることがポイントとなります。


▼自分のバリューチェーン

同じことを、自分という人間に置き換えてみると、結構面白い発見があるものです。

営業マン。
自社の販売商品のカタログを手にし、説明出来るようにしておく機能。
顧客のニーズを把握し、それを満たすべき自社商品は何かを考える機能。
考え付いた商品を、顧客に提案し、ソリューションを提示する機能。
顧客に売り歩く販売機能。
商品の在庫や納期を確認し、いつ顧客に届けられるかを伝達する機能。
販売契約を締結する機能。
商品納入後、顧客からのクレームや満足感を、察知する機能。
代金を徴収する機能。
次の商談に結びつける機能。
次の商品開発に結びつける機能。

営業というバリューチェーンを見ても、これだけの機能(価値)があるのです。
この機能(価値)の中で、貴方が最も顧客や会社に認められているのは何か?
どの機能(価値)に感謝し、顧客は商品を貴方から仕入れることにしたのか?
どんな機能(価値)に対し、会社は貴方に給料を支払っているのか?

これが、自分分析における、バリューチェーンです。


▼いろんなことの分析

以上は、営業マンだけに限ったことではありません。
経理、財務、情報システム、企画、製造、設計...
どのようなビジネスや仕事、業務にも、バリューチェーンがあります。

また、ビジネスだけではありませんね。
友人関係。
貴方のどの価値(魅力)に、友人達が集まってくれているのか?
面白いから。信頼できるから。人脈が広そうだから。お金を持っているから...

恋人や夫婦関係もしかり。
上司部下の関係も同様。
趣味の世界だって同じ。

全て、貴方の「何かの価値、魅力」に対し、他人が時間・お金・その他を
割いている。
そして、この「何か」を見つけ出すことが、自分分析であるバリューチェーンの
目的です。


▼バリューチェーンの活用

バリューチェーン分析は、貴方の「何か」を見つけ出すことだけが目的では
ありません。

例えば、貴方の優位性にあまり影響を与えない機能。
これを、外部資源の利用で補う。
また、より有効な機能には、貴方の自分資源を更に投入する。

前号で、「自分の資源(時間・お金等)を、自分のドメイン(領域・場所)
に集中配分すべき」と述べました。
まさにこれに繋がるのです。

前述した営業マン。
最大の付加価値を生み出す機能が、「顧客のニーズを掴む・把握する」
ことだと分析できた。
ならば、顧客ニーズ把握に関して、徹底的に自分資源を配分させる。
すると、貴方の領域は「営業マン」ではなく、「マーケティング」になります。

そして、在庫に関することや、代金徴収については、他人(他部、他社)
にアウトソースする。
あるいは、そのようなことが得意な人のみを、部下として雇う。

営業というバリューチェーンにだって、多種多様な機能(付加価値)があります。
それを一人で賄うも良し。
でも、他人との差別化、あるいは限られた自分資源の有効活用。
そのためには、自分で集中させる分野と、他者にお願いする機能。
これを、切り分ける必要がありますね。


▼最後に

世の中に、バリューの無い人なんていません。
必ずどこかに潜んでいる。

それを表に出せた人は、ハッピー。
出せない人は、苦労する。
そういうことですね。

プライベートでも仕事でも。
家族でも友人でも。

貴方のバリュー(魅力)がどこにあるのか?
一度、山ごもりでもして、考えてみたらいかがでしょうか?
きっと、何かを見つけ出すはずです。
Why You? が。

ではまた次号で。
By Private Brain 上原


▼マネジメントの方へ

マネジメントの方なら、バリューチェーンという手法をよくご存知でしょう。
この分析って、結構難しいですね。

なぜなら、価値を認めるのは他人(他社)ですから、聞いてみないと
わからないものです。

優れたマネジメント(経営者)って、自身が顧客になりきることが得意です。
顧客の視点というよりも、顧客になりきることが出来るのです。

顧客になりきるから、「何故その商品にお金を支払うのか?」、
「どこに魅力を感じるのか」が、明確にわかるのですね。

バリューチェーンをやる際。
難しい経営手法はさておいて、まずは貴方自身が顧客になりきってみて下さい。


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▼▼次週のテーマ▼▼   7/16配信

>>外部分析

自分という「内部」分析が出来た。
そして、いざ出陣。

ところが、誰も相手にしてくれない。
出陣したけど、そこには誰もいなかった。
これって「外部分析」が出来ていないからです。

では、「外部分析」って?
それは次号のお楽しみ。



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「資源配分を、自分のドメインに集中」  2003年7月2日  (第64号)


▼▼今週のご挨拶▼▼

先週末、とあるところでセミナーの講師をして参りました。
まだまだ講師として未熟な私ですが、いつも次のことに注意を払っています。

1. 独りよがりにならないこと。
2. 笑いを時々とるようにすること。
3. 先に、結論や要点、あるいはセミナーの全体感を述べること。
4. 具体的な事象や、身近な例を取り入れること。
5. 受講者の属性を見極めて、臨機応変にセミナー内容を変えていくこと。
6. 受講者の目を、なるべく多く見ること。
7. 「教える」姿勢ではなく、「受講者と共に学ぶ」という姿勢でいること。
8. ステキな格好をすること。
9. "と言われている"ではなく、"私は〜と思う"と、自分を主語にすること。
10. そして、居眠りしていた人の数だけ、自己反省すること。

そうは言っても、私もなかなか出来ないのですが。
いずれにせよ、上述のことって、ビジネスにおいてもプライベートにおいても、
対人関係の基本だと思いませんか?

>>> 講師、承ります。詳しくはEmailにてご連絡下さい。


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▼▼今週のテーマ▼▼ >>自分の場所と資源配分

時間とお金、限りがありますね。
だから、やみくもに使うことや、無駄打ちは、
なるべく避けたいものです。

自立成長型の仕事人は、無駄打ちが少ないのが特徴。
では、どうやって?

今号から、「自立成長型の仕事人」になるための、第二章...


▼反面教師君

スポーツ好きの反面教師君。
ゴルフも野球もテニスも上手だ。
でも、どれも一流ではない。

仕事に忙しい反面教師君。
外回りに社内報告書作り。
でも、忙しい割には実績があがらない。

合コンで必ずモテる反面教師君。
保存した女性の携帯電話番号の数では、誰にも劣らない。
でも、クリスマスイブには、会ってくれる女性がいない。

スケジュール帳が真っ黒の反面教師君。
いかにも売れっ子のビジネスマン。
でも、「今日何をやったの?」って言われると、答えられない。


▼場所と強みと資源配分

貴方の人生に大きく影響を及ぼす要素。
それは、次の3つにまとめられます。
1 人生展開する領域・場所(ドメイン)
=どこで戦うかの土俵

2 貴方の中核的な力(コア・コンピタンス)
=他人よりも優位に立てる、差別化できる能力

3 資源配分
その優位性を維持・発展できるような自分財産(資産)の配分


▼領域(ドメイン)

身に付ける専門性も、旅する外国も、お付き合いする異性も。
全て、貴方の人生には限りがあるのは、言うまでもありませんね。

ドメインとは、それら限りある領域を明確に定めたものです。
言い換えると、戦う場所のこと。

これを明確に定めることは、自立成長型仕事人になるには、必要なことです。
同様に「戦わない場所」を定めることも、重要です。

限られた貴方の資源(時間やお金等)を、最も有利に戦える場所中心に
使っていくことが、以前にも増して重要になってきているからです。
ドメインが、貴方の成長過程、人生における、色んな活動の指針となり、
方向性を示す役割を持つようになるのですね。


▼ドメインを定める

ドメインを定める際、「自分の定義」を考えると良いでしょう。
自分の定義とは、例えば以下のようなこと。

「人に喜ばれることを仕事とする」
「ともかく金儲けに徹する」とか、

「会計という専門性を活かす仕事」
「得意の営業トークを活かした営業マン」とか、

「たくさんの友人と楽しい人生を送る」
「家族重視で、週末エンジョイ型」などなど。


▼どこに定義するか?

この「自分の定義」をどこに定めるか?
これによって、ドメインが異なってくるのと同時に、
成長型の仕事人になるための戦略も異なってきます。

「得意の会話力を活かした営業マン」と定義した場合と、
「会話力が生きる仕事」では、今後の戦略が大きく異なります。
前者は、戦う場所が「営業マン」であり、後者は、アナウンサーや
司会者、あるいは政治家までもが範疇に入ります。

自ずと、勉強する範囲、広めるべき人脈も変わってきます。

同じように私生活でも、「女性にモテる」ということを、
「複数の女性にモテる」と、「これと決めた女性にモテる」
定義の仕方で、生活も使う資源(時間やお金)が異なってきますね。

必然的に、ドメイン(戦う場所や領域)も変わってくるはずです。


▼志向からの定義づけ

自分の定義をする場合、次の2通りがあることも、覚えておいて下さい。
1つ目は、自分志向です。

貴方は「自分」という商品。
つまり、得意なこと、住まいや会社、など、
「決定、実行、あるいは持っている」いろんな既成事実があります。
その既成事実から発して、自分定義をする方法です。

例えば、北国に住んでいてスキーが得意。
だから、「スキーのインストラクターとして生きる」と、自分定義をする。
当然、物理的なドメインがスキー場で、人的ドメインは仲間はスキーヤー。

2つ目は、市場志向で決める方法。
これは、「会社が貴方に給料を支払う理由」とか、
「彼女が貴方とお付き合いする理由」という視点から、
自分を定義し、ドメインを定めるのです。

上司が貴方を頼りにするのって、どんな場面だろうか?
彼女が一番嬉しそうにする時って、どんなシチュエーションだろうか?
それに当てはまることを、自分人生の定義とするのです。


▼出来れば市場志向で

自分人生の定義付けには、自分志向と市場志向の2通りがあるわけですが、
出来れば、市場志向で行きたいものです。

ゼミの先輩に引っ張られて入ったメーカーの営業部。
上司に評価されるのが、受注した時よりも、
取引先の財務分析表を作った時の方が多い。

ならば、自分の「仕事分野の定義」を、営業マンではなく、
財務分析者、あるいはコンサルティング業務と定めるのです。

ビートたけしは、以前「浅草の芸人」という物理的なドメインで、
「お笑いタレント」という仕事上のドメインでした。

ところが、消費者に最も受けるのが、ビートきよしを殴って下ネタを
言っている時ではなく、緻密で深い分析をして、社会や政治に関する
毒舌を吐く時でした。
で、定義を変え、ドメインを再設定したのですね。

定義を異なると、大きな失敗もありえるのです。
人ではなく企業の例で恐縮ですが、20世紀初頭のアメリカの
鉄道会社。

当時、アメリカの鉄道会社は、仕事の定義を「我々は、鉄道を運営する」
としました。
そして、鉄道という枠の中でのみ起こることに注力するため、
飛行機の登場には何ら前向きな対応が出来ず、
顧客を維持する防御のみとなってしまったのです。

もし仕事定義を「我々は人とモノを運ぶ」とした場合、同じ顧客に対し
新しい商品である、飛行機というものを提供していくことが選択枠の中で
生まれたことでしょう。

つまりこの発想は、「顧客は商品を買っているが、本当に買っているのは
商品という形をしたニーズを満たしてくれるコトである」というのに基づいて
いるのです。
乗客は鉄道に乗ることを買っているのではなく、移動することを満たしてくれる
ものを買っているということ。


▼資源の配分

話は変わりますが、人間誰しもが、資源に限りがあります。
資源とは、時間やお金。あるいは知恵や友人関係等。

前述した通り、自分人生の定義付けを行い、人生ドメイン、仕事ドメイン、
恋愛ドメインを定める。

何故、定義付けし、ドメインを定めるかと申しますと、
限りある資源を有効に配分(使う)ためです。

ドメインを定めず、有効に資源を配分しないと、
いわゆる、鉄砲玉の無駄撃ちと同じことに陥ってしまいます。

忙しい現代社会。
手広く、いろんなことに手を染めるのもいいでしょう。
でも、「どれも出来る」人は、「何も出来ない」。
こんなことも、問われている時代です。

大手のスーパーマーケットが苦戦しているのも同じ理由。
「何でも売っている」は、「何も欲しいものが無い」現象。


▼人生の多角化

ドメインを定め、資源配分を集中させる。
いわゆる、「選択と集中」ですね。

一方、少々逆説的なことになりますが、
「出来る限り手広く」という考えも、片方の頭に入れておくと良いでしょう。

「選択と集中をしながら、手広く?」
全く逆のことではないか、ってお叱りを受けそうですが。

実は、こういうことです。
自分の定義付けをし、ドメインを定めた。
定めたドメインに資源を配分する「選択と集中」。

このドメインに関連する他のドメイン。
あるいは選択と集中から生じた副産物のドメイン。
これらドメインに対し、手を広げていくのです。

前述の例ですと、「会話力を活かせる営業マン」というドメイン。
資源配分を、会話力の強化に置きました。

必然的に、営業成績が上がりましたが、同時に会話力も更にアップ。
そして、ドメインを、司会者稼業にまで広げる。
いわゆる、資源の有効配分をしながらの「多角化」ですね。

尚、多角化のポイントは、
1. 既存のドメインと関連があること
2. 既存のドメインに使った資源から生じた副産物であること
3. 既存のドメインとシナジー(相乗効果があること)
などを、見極めることです。


▼最後に

ビジネス同様、自分人生の定義、ドメイン。
難しいですよね。

「何でもあるは、何も無い」で落ち目になった総合スーパーマーケット。
かと言って、あまりドメインを絞りすぎると、その商品が売れなくなったら、
もうおしまい。

どこまでドメインを絞り込めばいいのか?
どこまで資源を集中配分すればいいのか?

こればっかりは、貴方本人にしかわかりませんね。
でも、「自分人生の定義付け」と、「自分のドメインを定めること」
そして「資源の収集配分」と、「シナジーを活かした多角化」

仕事人に必要なこの考え方だけは、押さえておいて下さい。


▼マネジメントの方へ

今、貴方の会社は、どんな事業の定義をしていますか?
今、貴方の部下には、組織のドメインがどこなのか、伝えられますか?
これが無いと、部下はさ迷う、迷走するばかりですね。

会社や組織の定義付けとドメインを定める。
それを行うには、まず、マネジメントである貴方自身の定義付けと、
ドメインを明確にすることでしょう。


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▼▼次週のテーマ▼▼   7/9配信

>>自分の分析

自分の仕事、能力のどこを強化すべきなのだろうか?
自分の魅力の、どこを前面に出すべきなのだろうか?

資源の収集配分も、ドメインを定めることもわかったが、
「どこを強化」、「どこを前面に」がわからない。

その解は、次週(7月9日)に!



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「自立成長型の人になるための、基本事項おさらい」  2003年6月25日  (第63号)


▼▼今週のご挨拶▼▼

ウィークリーまぐまぐで「推薦メルマガ」として取り上げられました。
(姉妹紙ですが、内容は同じようなことをお伝えしております)
これも、皆様からの多大なるご支援、あるいはEmailで頂くアドバイス等
の賜物です。

推薦メルマガに恥じないよう、もっともっと内容を充実させていきたいと
思いますので、引き続きよろしくお願い致します。


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▼▼今週のテーマ▼▼ >>戦略、強み、目標達成のおさらい

4月23日から始まった「自立成長型の仕事人、いいビジネス・ピープル」に
なるには? のシリーズ。
前号で、第一章が終わりました。

いかがでしたか?
この第一章で述べていることを理解し、実践するだけで、
自立成長型仕事人になるための7割方、達成できたも同然です。

そこで今号は、とっても重要なこの第一章を、簡単に復習します。


▼反面教師君

反面教師君には、勝ち負けに関わりすぎるタイプと、
結果に無頓着(無気力)なタイプの2種類がある。
前者は、他人の邪魔までして勝とうとし、
後者は、失敗しても他人のせいにしてしまう。

反面教師君は、戦略を持たずに、ただがむしゃらに進むだけ。
だから、他人がやっていること、人がいいって言ったことに、
手当たり次第に手を出してしまう。

反面教師君は、自分の特性(個性)がわからない。
だから、緻密な計算が嫌いなのに、会計士の資格を目指してしまう。

反面教師君は、自分の長所(強み)を見つけられない。
だから、何をやっても自信が無い。

反面教師君は、夢や目標を持っていない。
だから、毎日漠然と過し、暇を持て余すような生活を送っている。

反面教師君は、目標を達成するプロセスを知らない。
だから、定めた目標のどれ一つも、達成出来ない。


▼自分人生の経営者

優れたビジネス・ピープル。
より良い人生を送っている人。
彼らに共通しているのは、自分は、「自分という人生の経営者」だと、
認識していることです。

成長するのもしないのも、全て自分次第。
これをやる、やらないも、最後に決めるのは自分。
どこに進みたいか、どうなっていたいか。
それがわかるのも、自分。

で、せっかく経営者をやっているなら、自分人生という会社を、
成長させ、輝かせたいものですね。
そして、それが「自立成長型の仕事人」になる、基本的な考え方です。


▼勝つこと

会社(企業)には勝ち負けがあります。
ならば、自分人生という会社にも、勝ち負けがあって当り前。

企業の勝負の対象は、同業者(競合相手)。
では、自分人生の勝負の対象は誰でしょうか?
それは、「貴方自身、自分」です。

もう少し詳しく述べると、
「過去の自分の最高」
「将来の自分の目標」が勝負の対象。

過去の最高をクリアしたら「勝ち」
目標を達成したら、それも「勝ち」。
あくまで対象は自分。

受験戦争や出世競争で勝ち抜く。
合コンで一番人気を取る。
そんなもの、勝ち負けの対象ではありません。
他人相手の勝ち負けなんて、他力本願・他人依存です。


▼戦略と戦術

勝つためには、戦略と戦術が必要です。
やみくもに鉄砲を打っても、戦いは勝てないのと同じように。

戦略とは「長期的展望に立って定めた目標を、達成するための計画・作戦」
戦術とは「戦略を実行するために使う手段、テクニック」
のことです。

目標が「社長になる」。
戦略が「得意なIT関係で独立起業する」なら、
戦術が「まずはJavaの知識をフル活用する」
で、やることが「Javaのプログラミング能力を高める」
とでもなるでしょうか。

これは、目標設定→戦略設定→戦術決定→その実行。
という順番が大切なことも、表しています。
この逆はダメですね。

戦略や目標が定まっていないのに、戦術を手に入れようとする。
あたかも、目指したいこともわからずに、人気の資格を取りに行くような
ものです。


▼戦略を立てる

では、戦略って、どうやって立てるのでしょうか。

1、自分の理念やビジョン、あるいは夢を描く。
2、次に、ビジョンや夢を具体化したもの「目標」を定める。
3、定めた目標を達成させるための作戦を考える。
4、考え出した作戦(戦略)を実行してみる。
5、実行した結果を見て、目標を再設定する。
いわゆる、Plan-Do-Seeの繰り返しですね。

ここで忘れてならないのが、定める目標は、
自分の長所(強み)を発揮することによって達成出来る内容であること。

更に、自分の長所(強み)は、自分の特性(個性)の範囲内にあることです。


▼強みを見つける

次に、自分の強みを見つけるにはどうするのか?
一つ目は、自分の成功体験を列挙してみること。
どんな小さなことでもいいので、小学校時代くらいから思い出し、
成功体験を挙げてみてください。
必ず、自分の強みに関連した出来事があったはずです。

二つ目は、ワクワクした出来事を思い出してみることです。
ワクワク感のあったことって、間違いなく好きなこと。
好きなことに関する何かが、自分の強みの一つです。

三つ目は、自分の棚卸しをしてみること。
棚卸しとは、「どんな資産」を持っているかの整理。
但しここでは、不動産や貯金など「見える資産」ではなく、
友人家族、知識情報、専門性や趣味など「見えない資産」が対象となります。
強みが、それら資産の中に、必ずあるはずです。

四つ目は、将来こうなっていたいなーっていう意志の中に、必ず自分の
強みがあります。
なってみたいなーっていう意志。
この意志の力って、何よりもすごいのです。


▼目標を定める

そして、目標を定めるにはどうするのか?
それは、夢を描くことから始まります。

では、夢を描くには?
「あーいいなー」
「幸せだなー」
こう思えるシーンを思い続けること。
それがコツです。

夢なんて、別に高尚な内容じゃなくていいです。
高いレベルのものでなくてもいいです。
「いいなー」って思えるシーン。
それで十分。

目標は、夢に到着するための通過点。
夢が到着駅で、目標が途中駅です。

よって、目標の設定は、夢までの「道のり」を定めることから始まります。
山頂を目指す場合に、行く道のりを定めるのと同じです。
1合目、2合目ーーー。これが目標。


▼目標の達成

最後に、折角定めた目標も、達成出来ないと意味がありません。
では、目標達成のためのプロセスとはどんなものでしょうか。

まず、目標の内容自体が、
「具体性があること」、
「動機・意欲が高まること」、
「達成可能なレベルであること」、
「他のことと関連性があること」、
「達成度合いが把握出来ること」、
そして「プロセスが楽しめること」。

であることが大切です。
これらの一つでも欠けていると、目標達成は非常に困難な道となります。

そして、目標達成に大切なこととして、「潜在意識に刻み込む」ことと、
「ちょっとしたストレッチ」も挙げられます。

「この目標は達成出来る」
「達成した自分を想像してみる」
その思いが潜在意識に刻まれると、自然のポジティブな行動、考え方が
出来るようになるのですね。

ストレッチとは、「ちょっと伸ばす」ってこと。
日々の行動で「ちょっと手を伸ばせば」届く。
そんな「ストレッチな目標」を持つ事も大切です。


▼最後に

第一章。
ちょっと堅苦しかったでしょうか?

「会社の経営と、自分の人生を同じにするなんて!」
っていうご意見の方もいらっしゃることでしょう。

まあ、実際にはあまり堅苦しく考える必要はありません。
ただ、何も考えずにサラリーマン人生をやっている人。
今日の楽しみだけで満足してしまっている人。

少し考え方を変えるだけで、全く新しい世界が、目の前に現れる。
これだけは、理解しておいて欲しいですね。


▼マネジメントの方へ

自社の強み分析、戦略策定、目標設定とその達成。
これらは、マネジメントに任された任務。
どれか一つ欠けていても、経営を任せるわけにはいきません。

まずは、徹底的に自分を鍛えてみてください。
自分の人生の経営者になって下さい。

部下を使い、組織を動かし、会社を経営する。
それは、自分の人生の経営者になってからですね。


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▼▼次週のテーマ▼▼   7/2配信

>>自分の場所と資源の配分

時間とお金、限りがありますね。
だから、やみくもに使う、無駄打ちはなるべく避けたいものです。

自立成長型の仕事人は、無駄打ちが少ないのが特徴です。
では、どうやって?
それは次週(7月2日)にお送りします。

次週から第二章...



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「目標の達成」   2003年6月18日  (第62号)


▼▼今週のご挨拶▼▼

先週の日曜日は、父の日。
そこで、父の話をしてみます。

ステキなお父さん、自立成長型のお父さんの共通項とは、
世に言われる「父権」を持っているってことだと思います。

父権の復活が唱えられて久しいですが、決して勘違いしないで下さい。
威張り散らすことでもなければ、男尊女卑でも無い。
父権とは、次のことが出来る(する)お父さんの「権威」のことです。
「家族を統合する」
「子供に理念を掲げる」
「子供に文化を伝える」
「子供に社会のルールを教える」

要するに、父権とは、権威を持って家族の中心に立ち、社会や国家という
共同体における倫理規範や、伝統文化を子供たちに教え込むこと。

自立成長型の男性を目指すのであれば、
父権の復活について、もう一度見つめ直したいですね。
仕事が出来る、勉強が出来る、収入が多い。
これらに該当するにこしたことはありませんが、
該当するからって、父権を持っていることの証とは言えません。


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▼▼今週のテーマ▼▼ >>目標の達成

何事も計画倒れでは、事は前に進まない。
高い志も、大きな目標も、有言実行しないと、単なるホラ吹きで終わって
しまいます。

前号までで、
自分の特性をつかみ(5月28日/第59号)
→自分の強みを見極め(6月4日/第60号)
→自分の目標を定める(6月11日/第61号)
ことについてお話しました。

で、今シリーズの最初に「勝つこと(5月7日/第56号)」について述べました。
(いずれも、バックナンバーは、以下URL)
http://cso.fc2web.com/melmaga/backnumber.html

勝つこと。
その勝負の対象は、自分です。
もう少しわかる易く言うと、「自分で定めた目標を達成」すること。

そこで、今号は、定めた目標を、どうやって達成していくのか。
そのヒントをお送りします。


▼反面教師君

「俺ってビックになるんだ」
これが、反面教師君の口癖。

でも、全然具体性が無い。
何をもって「ビック」というのかもわからない。

「年頭には、いつも今年の目標を定めるんだ」
でも、年末には、どれも達成出来ていない。

「独立企業して、必ず上場させ、上場企業の社長になってみせる」
でも、それに対して努力している姿勢が見られない。

「英語を勉強して、外人と流暢な会話をしてみせる」
でも、教材テープが溜まる一方で、全然継続性が無い。

反面教師君には、目標達成の意味がわかっているんだろうか?


▼目標の設定

結論から申します。
目標を達成するには、前号までのやり方で定めたみた目標を、
次の事柄に当てはまるように、まずは修正して下さい。

それは、
「具体性があること」、
「動機・意欲が高まること」、
「達成可能なレベルであること」、
「他のことと関連性があること」、
「達成度合いが把握出来ること」、
そして「プロセスが楽しめること」。


▼具体性があること

では、一つずつ解説していきます。

目標という「到着点」にたどり着く。
そのためには、到着点が具体的にどこなのか、わかる必要がありますね。
漠然と、山頂を目指すのではなく、「どの山の頂」なのかを。

つまり、具体性がある方が、どこに自分が進めばいいのかイメージが
湧きやすい。
こういうことです。

よく「俺は偉くなりたい」って聞きます。
でも、「偉くなる」って、かなり抽象的ではありませんか?

これを、「部長になってみせる」とか、
「一つのプロジェイトを任されたい」なら、
どこに進めばいいのか、イメージが湧きます。


▼動機や意欲が高まる

次に、動機や意欲が高まるような目標であること。

誰だって、意欲が湧かないようなことに対し、努力なんかしたくないですね。
水泳が嫌いな人は、いくら特訓しても、あまり上達しないでしょう。
いや、その前に、特訓に耐えられないのではないでしょうか。

周りが英語をやっているから、俺も(私も)。
この程度では、継続できないこと、必至。
動機や意欲が高まるようなことじゃないと、途中で挫折してしまうものです。


▼達成可能なレベル

目標自体が、達成可能なレベルであること。
これも重要です。

身長の倍の高さがある鉄棒に向かってジャンプしても、
一生、届きません。

今更、プロ野球選手になりたいって思っても、
(大半の人は)実現性はほぼゼロ。

達成可能だから、努力できるのですね。
努力するから、目標達成出来るのですね。


▼他の関連性があること

他のことと関連性がある目標を定める。
これはどういう意味でしょうか?

誰もが、時間や金銭という「自分の資源」には限りがあります。
限りある資源、分散させるよりは、集中させる。
あるいは、関連性を持って、シナジーを持たせる。
これが重要であること、言うまでもありません。

関連性の無い目標を複数定めたとします。
どれもが達成出来るようなスーパーマンなら話は別ですが、
大半の人は、各々の目標が全て、中途半端に終わってしまうのでは
ないでしょうか。


▼達成度合いが把握出来ること

これって、すごく重要です。
マラソンで、「今、何キロ」ってわかっている場合と、
どこまで走ったのかわからない場合。
当然、前者の方が、張り合いがありますね。
「よし、もう何キロ走ったので、後はこれだけだ、がんばろう」ってね。

流暢な英語を話せるようなるっていう目標。
これも「外人と冗談が言い合える」っていう達成度合いがあったほうが
いいでしょう。
テストで何点以上っていう達成度合いがあるほうが、励みになるでしょう。


▼プロセスが楽しめること

努力、ど根性、歯を食いしばる。
確かに、巨人の星の時代には、これでもよかったのかもしれません。

でも、折角人生しているのだから、楽しみたいですね。
だから、目標達成は、苦しい努力によって手に入れる果実ではなく、
その過程、プロセス自体も楽しめる。

そうでありたいものです。


▼更にもう一つ

具体性があって、動機・意欲が高まるようなことで、
達成可能なレベルで、他のことと関連性があり、
達成度合いが把握出来き、プロセスが楽しめる。

定めた目標を、これに当てはまるように修正する。
修正したら、これに当てはまるように、行動を起こす。

目標達成の原則を述べました。
ここまできたら、もうしめたもの。
後は、次の述べることを、やってみて下さい。
それは、「潜在意識に刻み付けること」と、「ちょっとしたストレッチ」。


▼潜在意識と成功体験

ゴルフをやる方なら、よくわかると思います。
「ここでOBを出してしまうかも」っていうと、たいていOBを出しちゃう。
「スーパーショットを打つ予感がする」って場合は、本当に打ててしまう。

これが、日々の行動レベルのみならず、目標の達成にも通じるのです。

自分で定めた夢や目標を、繰り返し思い浮かべる。
繰り返すことによって、潜在意識に刻まれる。
そして、自然と達成出来るような状態を作ってしまう。
この流れです。

よく、ドモリの人が「人前では話せない」ってことで悩んでいます。
これは、「また失敗するかもしれない」、「ダメだろうな」っていう
マイナスのサイクルに入っているから。

「この目標は達成出来る」
「達成した自分を想像してみる」
その思いが潜在意識に刻まれると、自然のポジティブな行動、考え方が
出来るようになるのですね。

また、「ポジティブな行動」は、成功体験からも生まれます。
成功体験って言っても、大げさなことでなくてもいいです。

ちょっとずつ、自分を成功させるのですね。
目標への道筋から外れていないことで、ほんのちょっとしたこと。
ここで、少しずつ、成功体験を味わうようにするのです。


▼ちょっとしたストレッチ

ストレッチとは、「ちょっと伸ばす」ってこと。
これを目標達成の原則に当てはめると、こうなります。

目標自体は、直ぐに達成出来るものではありません。
(楽しみながら)努力した結果、手に入れるもの。

でも、日々の行動では、「ちょっと手を伸ばせば」届く。
そんな「ストレッチな目標」を持つ事が大切です。

変な例で恐縮ですが、馬の前のニンジン。
あのニンジンが、遠く離れていたら、馬は走り出しません。
でも、「ちょっと顔を前にだせば、口に入る」と思うから、馬は走るもの。

毎日毎日、ちょっとストレッチを思い出し、小さな目標、ニンジンを
描いてください。


▼最後に

目標の中身は、仕事や勉強ばかりではありませんね。
家族のことや、家族でのポジション。
趣味も、地域との関わり合いも、全て目標の対象となります。

「趣味も対象?」
って思われる方もいらっしゃるのでは。
でも、趣味だからこそ、目標設定し、達成に向けて楽しく努力してみて
ください。

すると、趣味と思っていたことが、「単なる暇つぶし」だったと気付くかも
しれません。
あるいは、趣味と思っていたことを、もっともっと深く追求したくなるかも
しれません。
そして、後者の場合を、我々は「趣味」と呼びます。


▼マネジメントの方へ

経営には、数値目標と定性的な目標が必ずあります。
そのいずれも、達成すること、させることが、マネジメントの役目ですね。

上述した「目標設定や目標達成」の考え方やプロセス。
これは、企業経営にも、そのまま当てはまります。

部下の目標設定と自発的な行動、そして目標の達成。
これをサポートするのが、マネジメントの仕事(責務)。

組織の目標も同じ。
そして、マネジメントである貴方自身の目標もね。


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▼▼次週のテーマ▼▼   6/25配信

>>第一章のおさらい

以上で、第一章が終わりです。
そこで次号は、第一章のおさらい(まとめ)をお送りします。

まとめの内容を把握されたら、7月から始まる第二章。
是非、継続してご愛読下さいね。




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「目標を定める」  2003年6月11日  (第61号)


▼▼今週のご挨拶▼▼

友人から、一人2万5千円の旅館に泊まってきた、と連絡がありました。

聞くところによると、その旅館は、
建物は古く、床がミシミシ。
遊びの施設もあまり無く、お風呂も決して広いとは言えない。
周辺には繁華街らしきものは見当たらず、やや閑散とした地域。

これで一人3万円近い料金。
「ならば、不満ばかりだったのでは?」
と問いただすと、
「今までで、一番満足した旅館だった」と、意外な回答。

理由を尋ねると、
「これだ! と言う理由は無いのだが、料理に心がこもっていた」
「多くの従業員が笑顔だった」
「ちっちゃな展示場があって、展示物が興味深かった」
「朝、欲しいと思っていたら、無料でコーヒーが出た」
「風呂場に、使用済みのタオルが置いてあるなんてことは無かった」
「お布団が、フカフカだった」
「−−−−−」

どれも、確かに「これだ!」という決め手ではありませんね。
でも、この友人は3万円という高額にも関わらず大満足。

顧客サービスって、こんなものでしょうね。
一つ一つの積み重ね。
その一つ一つにどこまで神経を使っているか。

これって、一般の企業やビジネスにも共通するのでは。
更に言えば、優秀なビジネス・ピープルにも共通すると思いますが。


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▼▼今週のテーマ▼▼ >>目標を定める

「あの頂上に向かうんだ!」と到着点を定めて登山するのと、
漠然と坂を登っていく。
当然、前者の方が、スピードも速いし、疲れも少ないし、何よりも
登っていて、楽しいですね。

優良な企業は、明確に目標を定めています。
だから、社員が一丸となって、同じ方向に進める。
社員に迷いが無いから、動きが俊敏です。

活躍しているプロスポーツ選手には、夢があります。
夢があるから、死ぬほどの特訓をこなせるのです。

難なく坂を登れる人=いい登山家。
優良な企業=いい企業
活躍しているプロ選手=いい選手。

ならば、いいビジネス・ピープル、自立成長型の仕事人にだって、
同じことが言えますね。
夢を持つこと。
目標を定めることが、必要だって。


▼反面教師君

何となく毎日、漠然と過している。
上司から言われた仕事を、ただこなしているだけ。
だから、仕事がつまらない。
つまらないから、努力が出来ない。

暇で暇で仕方が無い時が多い。
パチンコに行くのも、時間をつぶすのが目的。
面白くも無い漫画を読むのも、他にやることが無いから。

お酒はよく飲む。
でも、酒の場で話すことは、他人の悪口か、愚痴ばっか。
翌日後味が悪いのも、そのせいだろうか。

朝、起きるのが辛い。
辛いと言うよりも、起きようという気持ちになかなかならない。
だって、起きても「何かをやりたい、やってやろう」っていうことが
無いのだから。

電車の中?
もちろん、寝ているか、ボーとしているだけ。
別に、疲れているからでも、寝不足だからでも無い。
ただ、やることが無いだけ。

夜?
家に帰ったら、ネットで遊ぶかTVゲームに興じる。
ネットもゲームも、趣味ってわけじゃないけどね。

趣味?
うん、フツーの男と同様に、ゴルフは好きだよ。
でも、練習はしない。
うん、音楽を聴くのも好きだよ。
でも、無くてもいいかな、程度に。

皆が取っているから、俺も資格を取った。
CFPって奴かな。
でも、資格取得したのに、仕事も生活も、
何も変わらなかったよ。

彼女?
いるにはいるけどね。
それよりも、早く結婚したい。
だって、自炊するの、面倒くさいもん。

でもでもでも。
今は幸せだよ。
なぜなら、特別嫌なことって、そんなに無いから。


▼夢と目標

「自立成長型の仕事人」の反対語。
そうですね、「茹で蛙(ゆでがえる)」
あるいは、「成長のストップした天下泰平さん」でしょうか。
前述した反面教師君が、まさに該当します。

彼らには、何が欠けているのでしょうか?
それはただ一つ、「夢と目標」を持っていない。
あるいは、明確化されていないのでしょう。


▼具体的目標を定める

以前のメルマガで、次のようなことを述べました。

夢のある人は、希望や願いを持っている。
希望や願いを持っている人は、明確な目標がある。
明確な目標がある人は、それに対しての計画がある。
計画がある人は、それに応じて行動する。
行動する人は、その結果としての実績が残る。
実績が残る人は、実績に対しての反省をする。
反省をする人は、それを活かして進歩成長する。
進歩成長する人には、新たな夢が生み出される。

そして、夢とか目標というのは、抽象的なことではなく、
より具体的な事柄を定める事をお薦めする。
とも述べてきました。


▼ありきたりの夢

描く夢や定める目標は、ごくフツーのこと、
ありきたりのことで十分です。

「上場企業の社長になる」とか「10億円を貯める」。
こんなたいそうなことでなく、
「自分の好きな仕事をしたい」とか「マイホームを買う」。
でも、十分。

あるいは、「頼られる人材になりたい」とか「結婚したい」。
でも、十分。

夢や目標の具体的な事柄。
ありきたりのことを、定めてみてください。


▼では、どうやって

夢を定めるコツ。
それは、「あー、いいなー」、「幸せだなー」って思えるシーンを、
頭に描いてみることから始まります。
描く内容は、具体的であればあるほど、いいでしょう。

歩いている時、入浴中、寝る前。
何か、「いいなー」って思えるシーンを描く。

これを、毎日毎日実行するのです。
別に苦ではないですよね。
「幸せ」なシーンなのですから。


■夢は叶う

このような「具体的」なシーンをいつも思い浮かべる。
すると不思議。
人間って、結構それが出来ちゃうんです。
叶っちゃうのです。

何故かって?
具体的に進む先、向かう場所が定まっていると、
自然に「どうやったらいいのか」、「何をすべきなのか」を考える。
これはどんな人間にも備わった能力です。

また、その具体的な目標が、楽しく、ウキウキするような事象で
あればあるほど、途中のハードルを越えることに、困難を感じないのですね。

定めたら、毎日、その場面を思い出すこと。
ウキウキ事は、自然に頭に浮かんでくるものですよ。


▼目標を定める

夢が描けたら、そこに到着するまでの道順を考えてみてください。
ロードマップ(行程表)でもいいです。

その道順(行程表)の途中駅。
これが、目標です。

到着地点が夢。
夢に到着するまでに階段。
この一段一段が、目標。

つまり、夢という未来から、一つ一つ手前に戻っていく。
具体的な目標は、こうやって設定します。

言い換えると、夢という「未来」に近い時点の目標ほど、
規模が大きい、中身が濃い、レベルが高いと言えます。

「マイホームを買いたい」という夢。
それには「2千万円を貯める」という上段の目標。
そのためには「毎年300万円を貯蓄に回す」という中段の目標。
だから「毎月の消費は30万円以内に抑える」という下段の目標。

単純な例を挙げましたが、目標はこのように描くことが基本です。
「最上段の目標」は、中身も時間も、夢に最も近い。
「最下段の目標」は、それこそ、今日明日の行動目標。


▼どうしても、夢を描けない人へ

では、到着点の夢を、どうしても描けない人は、
どうすればいいのでしょうか?
それは、上段から下段へ、という前述の流れを、
逆に行ってみてください。

前述した例を取り上げますと、
「今の生活水準からすると、毎月30万円以内の消費で過せる」
「ならば、毎年300万円以上は貯蓄に回そう」
「すると、2千万円を貯めることは、数年で可能だ」
「よって、数年後には、マイホームを買おう」
「そうだ、マイホームを買うことが夢だ」

こうなります。

つまり、「現実に出来ること、今、可能なこと」を、
少しずつ前に、上に、深く、濃く進めてみるのです。

すると、その先には具体的な「夢」が待っています。


▼夢や目標のチェック

夢を描き、目標を定めたら、本当にそれが自分にフィットしているのか、
実行する前に、チェックする必要があります。

これが、前号までで述べた「自分の特性」と、「自分の強み」です。
描いた夢、定めた目標は、自分の特性の範囲内であること、
自分の強みをそのまま活かせることが、望ましいです。

2番打者という特性の選手が、ホームラン王を夢見ても、無理がある。
新しいもの好きな人が、着実に作業する本部管理を任されるのは、苦しい。

あくまで、特性と強みに適合しているか、確認作業を忘れないで下さい。


▼最後に

ゼーゼーハーハー坂を登るよりも、ウキウキで登山したいですね。
ウキウキ登山家は、目が輝いています。
足取りも軽いです。
そして、頂上に到達した時の達成感も高いです。

自立成長するのに一番大切なのが、到着点を描くこと。
そして、途中駅を定めることですね。

でも、そう言っている筆者本人が、まだまだ夢を描ききれていませんが。


▼マネジメントの方へ

企業や組織のビジョンや目標の設定。
この中身が、イケてるか否か。
経営には何よりも大切だということ、言うまでもありません。

では、イケてるか否かを、どこで判断するのか?
それは、社員や部下の「特性」に適合しているのか否かと、
社員や部下の「強み」を十分に活かそうとしているのか否かを
見ればわかります。

経営者やマネジメントが、独りよがりでビジョンや目標を定めても、
社員や部下が付いてこない限りは、何ら意味がありませんね。

そして、この考え方は、マネジメントの貴方自身にも共通するのです。

「社員や部下」を、貴方の「手や足、頭脳」に当てはめて下さい。
特性や強みに合った目標設定していないと、貴方の手や足、頭脳は、
快調に動きませんね。

組織の夢や目標の設定。
貴方自身の夢や目標の設定。

その基本動作は、全く同じです。


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▼▼コラム▼▼ ☆ビジョン・クリエート☆ by 天野優志

■CM効果

「どうする?アイフル〜♪」

話題になった、チワワ犬のCM。
あれ見た時、僕はこりゃとんでもないCMだと思った。
マインドコントロール入ってるぞぉ〜、ってね。

お金がないのに、つぶらな瞳でみつめられてしまった。
買うならボーナスでてからと思っていたんだけど・・・。

「どうする?アイフル〜♪」

これって、やたら危険。

大好きなブランドの新作バック。
雑誌でしか見たことないのに、何故かブランドショップに・・・。

「どうする?アイフル〜♪」

本当に欲しいのにお金がない。
そんな時に頭の中でCMソングが流れる。

「どうする?アイフル〜♪」

こんなに効率がいいCMってありえない。
シンクロ効果って奴ですね。

「たまには、ハワイでババン、とぉ〜」

加藤茶が言っても、バブルが終わった今じゃ、
ババンといこうなんて人はいない。
シンクロ効果なし。

でも、新しいバージョンのアイフルCMみて安心した。
娘の結婚と、犬のタキシード。

「どうする?アイフル〜♪」

うーん、これじゃ、シンクロしないぞ。
CM効果なくなっちゃうぞ!

「どうする?アイフル〜♪」

しつこいね、このコラム・・・別にアイフルの宣伝ではありません。


▼コメント by 上原

広告宣伝と、その効果の測定。
多くの企業が高い関心を向けるようになりました。

今までのように、垂れ流しのテレビCM。
誰が読んでいるかわかりゃしない、新聞広告。
でも、その広告料は巨額。

消費者に対し、自社ブランドを認知させ、消費行動を起こさせる。
これが広告の目的。

そろそろ多くの企業も、垂れ流しCMの見直しの時期に来ていますね。
そろそろCMの媒体企業も、独自のCM手法を、開拓しなくてはね。


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▼▼次週のテーマ▼▼   6/18配信

>>目標達成の行動

夢は描いた。
その途中駅となる目標も定めた。
「これで俺(私)も、自立成長型の仕事人だ」

って、早合点しないで下さい。
あくまで、迷える森林の地図を手に入れただけです。

では、この後、どのような行動を起こせば、
目標達成出来るのでしょうか?

次週(6/18)にお送り致します。



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「強みを見つける」  2003年6月4日  (第60号)


▼▼今週のご挨拶▼▼

上司の悪口や同僚への批判を、本人がいない場で言う人、
ホント多いですね。

で、いつも私は次の2つのことを思います。
1つ目は、「この人、本人がいない場で悪口を言うってことは、
私のこともどっかで言っているのだろうな」って。

2つ目は、「悪口や批判を言ったって、何ら、現状改善されないよ」って。

そう、悪口や批判を言う。
これは、ストレス解消にはなるかもしれません。
足を引っ張ることができるかもしれません。

でも、得られるメリットはその程度のこと。

悪口や批判は、信頼を失うことに繋がります。
不満があるなら、それを改善させることに注力すべきです。

なーんて、ちょっとお堅い「ご挨拶」でした。


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▼▼今週のテーマ▼▼ >>強みを見つける

優れたビジネス・ピープルや自立成長型の仕事人になる。
そのためには、自分の強みを明確化し、それを活かせるような夢を描き、
夢を叶えるための具体的な目標を設定する。
そして、あとは、戦略を考えた上で、目標にまい進。
ただこれだけだということは、ご理解いただいていると思います。

前号は、自分の強みを見つけるためのプロローグ。
「自分の強みは自分の特性の中にある」について解説し、
5種類の特性分類も付け加えました。

そこでいよいよ本番、「自分の強みの見つけ方」を今号でお送りします。


▼反面教師君

自分の強みや長所なんて、見つけられないよ。
だって、無いんだもん。

英語?  話せない。
資格?  持っていない。
女性?  ぜんぜんモテない。
シャレた店、知っている?  知らない。
スポーツは?  下手。
ファッションセンスは?  まるっきしダメ。
仕事は?  いつも叱られてばっか。

反面教師君は、いつもこう言って、嘆き悩んでいます。
そして、どんどん落ち込んでいく。
落ち込むから、また更に状態が悪化する。

で、結局は、仕事もダメ、恋愛もダメ、何をやってもダメ、って
思ってしまうのだ。


▼はじめに

強みの見つけ方。
難しい話をする前に、次のようなことをまずはご理解下さい。

貴方の強みは、貴方の個性や特性の中にある、延長線上にある。
個性や特性は、そもそも貴方自身が持っているもので、
最も力を発揮しやすい「場所」だ。

つまり「自然に出来ること」、「やってみたくなること」、「嬉しいこと」、
「好きなこと」、「過去の成功体験」、「ワクワクすること」。
これらに当てはまることが、貴方の強みです。
これが、貴方の潜在能力です。


▼過去の集大成

夢や目標というのは「未来」のこと。
未来は、「今日の結果」の集大成。
そして、今日というのは、「過去の集大成」。

これを言い換えると、次のようになります。
過去の結果が現在で、現在の結果が未来で、夢や目標はその未来にある。

一方、夢や目標の実現には、自分の強みを活かすことが一番だ、
ということも、十分にご理解いただいていると思います。

以上からわかることは、ただ一つ。
「ならば、自分の強みは、過去にある。」
「過去を探せば、自分の強みが見つかる。」

これが、自分の強みを見つける唯一且つ最大効果的な方法です。


▼成功体験

では、どのようにして過去を振り返ればいいのでしょうか?
一つ目が、「成功体験」を列挙してみることです。

尚、成功体験と言っても、あまり大げさに考えなくていいです。
学校時代の一等賞や優勝、社会人になってからの大口成約や昇進。
このようなことはもちろん「成功体験」です。

でも、「ある宿題をやり通した」とか、「漸く水泳で25メートル泳げた」
「上司に褒められた」、「好きな女性が一度だけ食事に応じてくれた」
こんなことも、十分に成功体験と言えます。

ともかく、「やったー」、「出来たー」、「嬉しかったー」 ということを、
思い出す限り思い出し、紙に書いてみてください。
書き出された成功体験が、貴方の過去であり、その集大成が現在の強みです。


▼ワクワクを

二つ目の過去の振り返りが、「ワクワク感」という体験です。

何か、ワクワクしたこと、胸が躍っていたようなことって、経験ありますね。
お兄ちゃんと一緒に自転車で河原を競争した時。
初めて、野球でピッチャーのマウンドを踏んだ時。
サークルの幹事になって人前で話をした時。
一つの仕事を与えられ、自力でレポートを完成させた時。

なーんでも構いません。
過去に、「あの時、ワクワクしたなー」、「あれは胸が躍るような経験
だったなー」
ってのを、思い出す限り、紙に書いてみてください。
ワクワク感の対象となったことの中に、現在の強いが見つかるはずです。


▼現在、棚卸しをしてみる

以上、過去を振り返ることによって、強みを見つける方法を述べました。
次に、現在から、見つけ出す方法をお伝えします。

これは至って簡単。
自分の資産の棚卸しをしてみることです。
以前、自分資産の棚卸しというメルマガを配信しましたので、
ご興味ある方は、開いてみてください。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0304.html#vision04

要点だけ述べますと、
棚卸しとは、どのような資産や在庫があるかを、店舗や倉庫に行って調べる
こと。
これは、企業やお店でやることだが、個人にも当てはめられる。

人にも資産がある。
資産とは、預金や不動産のような「見える資産」と、
友人や家族、得意分野や趣味などの「見えない資産」。

人の資産の中で、どちらが重要かと言えば、この「見えない資産」だ。
自分の資産を棚卸しすることにより、見せない資産が具体的に列挙される。
そして、具体的に列挙された見えない資産が、貴方の強みである。

まあ、こんな感じでしょうか。


▼なってみたい

過去や現在から、自分の強みを探せるのであれば、未来からも探せるはず。
それが、「将来、こうなっていたいなー」から連想される事柄です。

「なってみたい」という事柄に対しては、一生懸命になるはず。
「なってみたい事柄」になろうとすることは、大して苦ではない。

実は、これに関連することが貴方の得意分野なのです。
良く、「好きなことをやれ」とか言いますね。
同じことです。

逆に、「苦になること」は、間違いなく、貴方の得意分野ではありません。
親から言われて無理矢理する勉強と、興味あるから自主的にやる勉強。
上司の命令で行う業務と、好きな事に関する業務。

前者がもし苦になっているようなら、それは貴方の強み、得意分野では
ありません。


▼自分だけの強み

以上のことを続けていると、自分の強み・長所・得意分野が、
明確化されます。
その結果は、自信を持って認めてあげてください。

その際のポイントは、あまり周辺のことを気にしないことです。
テニスが上手い。
営業が上手。
女性を笑わせるのが得意。
財務諸表を読みこなせる。
ビジネス発想力がすごい。

そんなことは、他人のこと。
全く気にする必要はありません。

お洒落なお店をいくつも知っておくべきだ!
英語が得意になるべきだ!
ビジネスピープルなら、緻密な判断能力を持て!

それがどうしたの?
人によっては強み・得意分野かもしれないが、それを全ての人に当てはめる
必要は無いのです。

あくまで強みは、貴方独自の強みでいいのです。
ベストワンではなく、オンリーワンでいいのです。

強みは、他人に評価される筋合いのものではありません。
貴方が決めればいいのです。


▼最後に

見ていて、「カッコいいなー」というビジネス・ピープル。
彼らに共通することは、輝いていることと、前進していること。

人間、好きなこと、得意な分野であれば、それに向かって前進出来ます。
前進している時って、輝いて見えます。

優れたビジネス・ピープル、自立成長型の仕事人。
まずは、自分の強みや得意分野を見つけ、前進し、輝いてください。

繰り返しですが、前進していく先は、貴方が決めればいいのです。
他人から、とやかく評価される筋合いのものではありません。

強みや得意分野も同じ。
他人の評価なんていい加減、自分で「これは強い」と思ったことが、貴方の
得意分野です。
そして、それは十分に誇れる内容。


▼マネジメントの方へ

優れた経営者(マネジメント)は、間違いなく、自社の強みを明確に把握
しています。
そして、資金や人材等、会社のリソース(資源)を、この強みを活かせる場に、
集中的に投じていますね。

同じことを、貴方自身に、そして貴方の部下にも、やってみて下さい。
労働へのモチベーション(動機付け)と、労働へのインセンティブ(意欲)。
その最も効果的な施策は、金銭的なことではありません。
得意分野で自分の強みを発揮させる、そのような機会を与えることです。

マネジメントにとって非常に重要な仕事(求められる資質)。
それは、部下の強みを把握することと、それを活かせる場面を与えること。

by Private Brain 上原


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天野さんという愛読者が、
定期的にコラムを書いてくれることになりました。
今号から連載します。


▼▼コラム▼▼ ☆ビジョン・クリエート☆ by 天野優志


▼文化輸出

日本は工業製品を輸出するだけで、文化は輸出より、輸入の方が多い。
僕は今でもそうだと思っていたんだけど、新聞読んでいたらそれが間違い
だと知りました。

文化の輸出・輸入の尺度として、著作権料の各国間のやりとりで使われる。
ハリウッド映画やハリーポッターみたいな翻訳本なんかで、相当輸入超過
になっていると思っていた。

実は今は、逆。日本は相当な輸出超過になっている。

その原因が、テレビゲーム。
ゲームソフトは著作物だから、映画と同じ扱いを受けるんです。
日本は世界一のゲーム生産国。
日本で作られたゲームは世界中で遊ばれている。

ゲームも著作権料の対象なので、文化輸出にカウントされるのです。
それも、日本に入ってくるハリウッド映画の五倍をアメリカに輸出。

日本の子供達は、映画は見ても正月と夏休みの二回ぐらい。
それに対して、ゲームソフトはやたらと買っています。
その現状を見れば、ゲーム市場の大きさがわかります。

日本はゲームを通して、世界中に影響を与えている。
そして、その比率は下がることは考えられない。
さらにアニメーションや漫画が今、世界中で評価されるように
なってきています。

子供向けに作られた世界は、大人も楽しめるクオリティーさえ持っていれば、
子供が大人になって時、娯楽の習慣として残ります。

工業製品の競争力が失われてきている今、日本もそんな形で文化輸出大国の道を
進んでいくのかもしれませんね。う。


▼コメント by 上原

今回のコラムは、無形資産の輸出。
今、日本を含め世界中、有形資産よりも無形資産への関心が、
非常に高まっています。

無形資産の代表が、アニメや映画のような「コンテンツ」。
あるいはITやバイオ技術のような「特許」。
更には、企業のブランドや人材などもそれに含まれる。

不動産や金融資産という「有形資産」ではなく、「無形資産」。
これをいかに高めるか。
企業の盛衰を、大きく握っています。

で、これ、同じことが個人にも言えるのです。

貴方個人、どれだけの「無形資産」を有しているのか?
どれくらい価値のある「無形資産」と言えるのか?

更には、貴方が、第三者から「受け取る、得ている」情報や恩恵。
貴方が、第三者に「提供している」情報や恩恵。
これを比べ、輸出超過になっているか、輸入超過なのか?

今一度、見つめ直してみたいですね。



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▼▼次週のテーマ▼▼   6/11配信

>>目標設定

漸く、自分の強みや得意分野が、具体的にわかった。
そして、それが活かせるような目標を立てるべきだ、とも思っている。

そして漸く、目標を書き出し、設定してみることにした。
でも、どうやって?

それは、次週(6月11日)にお届けします。








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