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「自分の会社の株は買うな!」  2004年2月4日 (第93号)


▼▼今週のテーマ▼▼ 

自立成長するには、「自分価値」を高めていくこと。
価値を高めるには、何らかの投資をする必要がある。
もちろん高めるべき価値とか、投資をする資産とは、
ヒト、モノ、カネ、時間、情報、知識、−−−。

今号は、自分人生経営に必要なファイナンス理論と、投資の考え方。
その中で覚えておきたい「投資で気をつけること」について。

サラリーマンは自社株を買うべきではない!
売れる資産があったら、即売ることを考えるべき!
昨日までに使ったお金のことは忘れろ!

みたいな話です。


▼自分の会社の株は買うな!

反面教師君。
入社以来、せっせと自分の会社の株(自社株)を買っていた。
そして入社10年目、あえなく会社は倒産。
職を失い給料はゼロ。
コツコツ溜め込んだ自社株も紙くず。

新築でマンションを買った。
いい投資不動産が近所にあったので、翌年買ってみた。
10年後、地域が荒廃したためか、
住んでいるマンションも投資した不動産も、
全国平均より格段の下落をしてしまった。

こんな話、かわいそうですが、耳にしますね。
そこで「分散効果」というお話をします。


▼分散効果

生卵を1つの籠に入れて運ぶのと、複数の籠に入れて運ぶのでは、
卵が割れて1つも食べられなくなるリスク、どちらが高いでしょうか?
言うまでもない前者である。

このように、生卵を分散させて運ぶことにより、
全体のリスクを軽減させる手法を分散効果と言います。

前述した、自社株を購入していた反面君。
ここでは、自社株が割安で買える制度とか、
自社株を買うことによって、会社への忠誠心が高まるとか、
そのようなメリットは、とりあえず除外して考えてみて下さい。

会社に対し、「自分の時間を使う」という投資をしている。
そしてその対価(リターン)が給料。

会社の「株」に対し、「自分のお金を投じる」という投資をしている。
そしてその対価(リターン)が株式利益。

ひとつの籠に、「時間やお金」という自分の資産を投じるよりも、
分散させたほうが、リスクとしては少ないですね。
これは倒産した場合のみならず、
会社の業績が悪化した際にも適用されます。

自分の会社の業績が悪化すると、給料が減る。
同時に、買い続けてきた自社株の価格も下がり、損をする。
分散させないと、これが同時に起こるということですね。


▼その他のケース

分散効果は、いろんなケースに当てはまります。
例えば仕事の配分。

仕事に使える資金や時間、労力には限りがあります。
それを、2つの大きなプロジェクトのみに使うのではなく、
大きなプロジェクトは1つ、あとは小さなプロジェクトを10個。

このように配分することにより、仕事への分散効果が計れます。
プロジェクトの失敗確率は、大きくても小さくても大差は無いでしょう。
ならば、2戦2敗では全滅してしまう前者よりも、
後者の方が、いくばくかでもプロジェクトが成功する可能性があります。

人脈への投資も同様。
反面君にありがちなのが、「同じようなタイプの人」とだけ付き合うこと。
自分と同じタイプの人って、付き合いやすい。
だからどうしても偏ってしまうもの。

しかし分散が効いていませんね。
そのタイプの人が「大嫌い」っていう第三者から、
何らかの依頼を受けた際、
反面君はどうしようもなくなってしまいます。

知識もそうですね。
ある特定の分野だけに精通していても、
その分野が、仕事だろうが趣味だろうが、
廃れてしまったら、どうしようもなくなってしまいます。

これは、スペシャリスト(専門家)がダメだってことではなく、
専門バカになって、他のことがあまりにも希薄だ、
というようにはならないようにしたいってことです。
知識にも、分散効果を取り入れたほうがいいですね。

もちろん株式投資のように、極端に分散効果を考える必要はありません。
でも、自分の時間、人、カネなど、自分の貴重な資産を投じる場合、
「投資に対するリスク」を軽減すること。
これを怠ると、自分人生の経営には、黄色信号が灯ることでしょう。

企業も人も、投資リスクの軽減は経営上、
最新の注意を払っておきたいもの。


▼リスクの相関

分散効果のついでに、リスクの相関というものもお話します。
それは、2つ以上の投資に対し、それぞれに附随するリスクが、
どのように関係し合っているかのことである。

前述した自社株購入の例。
反面君は、レジャー会社に勤務しているとしましょう。
他の要因を除くと、自社株は購入しないほうがいいと申しましたが、
同業社、つまりレジャー業界にいる他社の株も購入しないほうがいい。

これはつまり、自分の会社の業績が悪くなるということは、
レジャー業界全般が悪くなっている場合が多い。
すると、同業他社の業績も悪化する可能性が高い。

このように、別のこと(会社)なのに、自社が悪くなると
他社も悪くなる。
これを自社と他社の相関といい、同時に投資することは避けることが
得策でしょう。

一方、逆のケースもあります。
家の冷房は電気。キッチンはガスコンロ。
これはGoodな組み合わせです。

平均気温が通年よりも高かった年。
当然、電気消費量はうなぎ上りで、電気料金も上がった。
一方では、冬はいつもより暖かいので、ガス消費量は少なく、
ガス料金も下落。

このように、「暑い」という事象に対し逆の動きをすることを、
逆相関と言い、投資をする際のリスク軽減の基本手法であります。

以上のように、同じ方向に動く順相関と、逆に動く逆相関。
これらを考慮し、自分人生を経営することが、望ましいですね。


▼機会費用

親から譲り受けた、時価8千万円の土地。
反面教師君は、アパート経営を始めようと、
預金の2千万円を使い、アパートを建てた。

結果は良好、年間200万円の利益。
アパートの建設代金2千万円に対し収益が200万円。
なんと10%の利益率。

でも冷静に考えてみて下さい。
もし、8千万円の土地を売却したとしたら、
預金2千万円とあわせて1億円の現金があったことになる。

つまり、アパート経営の利益200万円は、
1億円に対しての収入であり、利益率はたったの2%。
これなら、リスクがもっと少ない投資があるはずですね。

「機会費用」とは、「土地を売却していたら得ただろう金額」のこと。
ある事(ここで言うアパートを建てる)をやらなければ、
手に入っただろう金額(ここで言う土地売却収入)を、
その後新規に投じた金額に加えて、投資総額やそのリターンを
考えるべき、ということです。

親から譲り受けるような資産など、大した額じゃない!
普通、そうですよね。
でも、この「機会費用」は、自分人生経営の色んな場面で有効です。

自動車を購入したけど、結局、あまり乗る機会が無かった。
レンタカーにしてもいいのだが、レンタカー代も高いしなー。

こんな時、乗る機会の無い自動車を転売したら、いくら手に入るのか。
レンタカー代でかかるだろう「支出」から、
転売したら手に入る「収入」を差し引いて損得を考える。

皆さん、自然と本能的にこういう行動をとっていますよね。
自動車転売の収入も、機会費用のことです。

もちろん、このように数値で表せないものが大半なので、概念だけで結構。
既に持っている人脈、時間、知識、モノ、カネという資産。
それを使って何か新しいことをやる際には、
追加で使った資産のみならず、既に持っていた資産も加えて、
その成果(リターン)を考えていこうってこと。


▼埋没費用

自立成長君。
反面君と同様、時価8千万円の土地を親から譲り受けた。
ところがそれは10年前で、土地下落により現状の時価は3千万円。
同じく2千万円でアパートを建て、収益は200万円。

収益率は、反面君と同じ計算だと、2%になります。
ところが自立君の場合、収益率は4%。

なぜなら、譲り受けた際の土地価格は8千万円だけど、
現在の時価は3千万円。
ならば計算は、土地時価3千万円+アパート代2千万円で、
合計5千万円を投資したと計算し、
収益200万円なら、4%の収益率となる。

この8千万円(譲り受けた際の価格)と3千万円(現在の時価)の差額を、
「埋没費用」と言い、投資を計算する際には、考慮しないこととします。

つまり、過去に投じたモノで、現在回復・回収することが出来ない場合、
その量は考慮せず、現在もし同じモノを投じるとしたらどれくらいの価値か、
それだけを考慮するということです。

一生懸命に研究してきたあるテーマ。
ところがどうしても良い結果が出ず、そのうち時代が移り、
そのテーマは古くなってしまった。

膨大な時間や労力をかけたこの研究、
新しいテーマに挑戦するよりも、是非とも成果を出したい。

そんな時に考えたいのが、この「埋没費用」です。
過去に「使ってしまった」時間やカネは戻ってきません。
だから、過去ではなく、明日以降、どれだけ成果があるかに焦点を置き、
研究をすることが得策だ、ということ。

もちろんここでは、一途だとか深かく掘り下げたいというようなことを
全て除外してのことで、実際にはそうカンタンではないでしょうが。

自立成長するには、過去ではなく、明日からどれだけ価値を生み出すか?
そこだけを見据えることが大切。
過去、どれだけ労力や時間、カネを投じたかではなく、
今日までに投じたそれらが、今日現在どれだけの価値があり、
明日以降、それを継続したら、どれくらいの成果を生むのか。

感情などを無視すると、そのようなイメージを持って、
自分資産の投資をしたいものです。

企業でも公共施設でも、よくある話ですね。
「こんなに投資したのだから、今更建設を中止するなんて、
もったいない」って。
こんなに投資したのは、既にしちゃったのだから考慮せず、
今後の投資に対しどれだけ成果(収益)があるのか、
企業も国も、そして自分人生経営者も、判断材料はそこだけにしたいもの。


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▼▼上原貴志の「編集後記」▼▼

埋没費用、わかっていてもなかなか「認めたくない」もの。

私も以前、多くの人たちと同様に、バブルに踊っていた時期があります。
その1つがゴルフ場の会員権。

バブル期、500万円で某ゴルフ場の会員権を購入。
ところがそれがピークらしく、購入5年後には、相場が半値の
250万円まで下がってしまった。

一方、その時点では250万円出せば、別のゴルフ場会員権で、
もっとグレードの高いところが買えたのですが、
どうしても「半値になるまで損した会員権を売って、
新しい会員権を買うなんて、何となくもったいない。」
って思ってしまったのですね。

結局は、埋没費用を無視して持ち続けた会員権は、紙くず同然。
一方、250万円で買えた(が買わなかった)新しいゴルフ場は、
今でも人気のコース。
こんなもんですね、人間って。


▼▼来週のテーマ▼▼ >>投資のリスクとリターン

自分価値を高めるために、
時間やお金、情報や人脈などを投資していきます。

そして、株式への投資と同様、
自分価値を高めるための投資にも、リスクとリターンがある。
次号は、そこら辺のことをお話します。

時間という「投資の効率」を高める行動は、
かえって、リスクの割にはリターンが少ない。
時間を無駄にしたほうが、時間の投資効率がいい場合がある。

知識という資産を増やすための行動。
これだけでは、知識資産は増えても、自分価値は高まらない。
そんな話です。




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「投資の格言4   最初の損は、最良の損」  2004年1月28日 (第92号)


▼▼今週のテーマ

自立成長型の仕事人。自分人生の経営者。
そのために役立つ「投資の格言」の第四弾、最終号です。

人生全て「投資」。
カネ、モノ、人脈、時間、情報(知識)。
全て我々は持っています。
後は、これら「有限」の資産を、どうやって上手に使っていくか?

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▼最初の損は、最良の損

何事も、最初に損(あるいは失敗)するのがいい。
もし、最初から得をしたり、勝ったり、成功したりすると、
人間どうしても「自分ってすごい腕の持ち主だ。」って思ってしまうもの。

過信したり、冷静さを欠いてしまいうと、
後で大きな落とし穴が待っている。
いわゆるビギナーズ・ラックってやつでしょうか。

最初の投資が損だった投資家ほど、
後々成功することも多いのって、なんとなく納得できる話ですね。

自立成長するためには、
長期的に自分人生の経営を行っていきたいもの。

ならば、「ビギナーズ・ラック」を得て過信しちゃうよりも、
最初は失敗(損)をし、謙虚になり、冷静に戦略を策定し、
後々の大きな成功(勝ち)を得る。
こちらを重視すべきだってことは、言うまでもありませんね。

同じような意味で、こんな格言もあります。
「負けた相場を知っている者こそ価値がある。
なぜなら、次回はそれを教訓とするから」


▼知って行わざるは、知らざると同じ

相場が上がるか下がるかの見通しを、仮に予測できたとしても、
実際に売買しなければ意味が無い、という格言です。

他人の成功を見て、
「俺だって、やれば出来るのに」って言う人が多いのが現実。
でも、結局は「やっていない」のだから、言っても意味無し。

「これは誰も知らない情報だ」ってことで、喜んでいても、
何も行動を起こさなければ、いつしかその情報は広がるもの。
「私は、前々から知っていたのに!」
って自慢しても、誰も「すっげー」なんて言ってくれません。


▼相場の実践で一番大切なのは、「断」の一字

相場の理論や理屈は理解しているが、なかなか決断できない。
でも、勝つためには「決断」する以外に道は無い。
という格言です。

要は「行動しないと意味が無い。」
「行動するには、それを起こす。」という自分自身の決断があるはず。
だから、決断、「断」が一番大切ってことです。

上司、親兄弟、友人、専門家、恋人。
いろんな人に相談することは重要なこと。
でも結局、最後は自分の判断で、全ての行動が起こされている。
当たり前なのですが、ついつい忘れがちですね。


▼タコの糸と相場の金は出し切るな

手持ち資金は絶えず余裕を残しておかなければならない。
粘ろうとしても、金に余裕がなければ自由度が狭くなる。
という意味の格言です。

テンパッた状態だと、どうしてもその場しのぎの対応になってしまう。
これって誰にでもある経験だと思います。

カネという投資では、前述の通り。
資金的に余裕が無いと、カネのためだけの働くようになる。
あるいは日々の行動が、明日のパンのためだけになってしまう。

時間という投資でも同様。
時間的余裕が無いと、ともかく目の前の作業に追われてしまう。
だから、自立成長のための長期的視点に立ったことに、
時間を割くことが出来ない。

人脈という投資(資産)でも同じ。
人脈に余裕が無いと、何かを他人に「頼む」だけになり、
「借りている」状態が続いてしまいます。

カネ、時間、人、その他自分の持っている「資産」は、
テンパッた状態ではなく、常に余裕を持つことは、
長期的視点が必要とされる「自分人生の経営」には
絶対必要なことですね。


▼百冊の理論書は、1回の売買にしかず

多くの相場理論書を読んでも、それは1回の売買経験には
及ばない、という格言です。

相場や投資に限らず、そのことについて勉強するのはもちろん
良いこと。
でも、習得した理論や哲学も、使わないと意味無し。
机上の空論は、やはりバーチャルであり、
実践を使って体得することが、何よりも大切ってことですね。

仕事、恋愛、趣味、スポーツ。
世の中、至るところに「ハウツー」本が氾濫しています。
もちろん読む価値のあるハウツー本もありますが、
結局は、自分でやってみることが一番。

幼児は、英語圏に住むだけで、1ヵ月後には英語で友人と会話している。
縄跳びも、ドッチボールも、教わるよりも、自分でやっている子供の方が
上手になっている。
それが理論より実践が重要だ、という証ですね。


▼慢は損を招き、謙は益を招く

自慢の「慢」、謙虚の「謙」。
これで意味がわかりましたか?

そうです。
常に自分自身とその能力を疑ってみることが大切。
自分はうまいなどと思ってはダメ。
そう思った瞬間、破滅が待っているという意味の格言です。

投資のプロ。
経営のプロ。
いずれにも共通するのが、この謙虚な姿勢を持っていることです。

一流のプロのスポーツ選手も、その発言を聞いていると同じ姿勢ですね。
「すごく活躍した今期を振り返って、どうですか?」
「いやいや、まだまだ自分の欠点を補うので精一杯です。」
なんとも、かっこいい発言だ。

逆に、自立していない人、中身が薄い人ほど、
「俺はすごい、何でも来い」的姿勢ですね。
自慢する人ほど、本当は大したことないっていうこと。


▼ついた値段は正しい

「俺って、もっと給料をもらってもいいのに」ってボヤくサラリーマン。
「なんでこの値段で売れないのか?」って不満を言う営業マン。
「どうして私がフラれなきゃならないの」ってグチを言う人。

いずれも、「ついた値段は正しい」を思い出して欲しいですね。
もちろん、不運、巡り合わせ、実力を出し切れていない。
いろんな理由があって、本来貰うべき給料を得られていないとか、
自分がフラれるような人ではないのに、ってこともあります。

でも、そんなこと言ったって何の意味もありません、何も生まれません。
給料が少ないってボヤく前に、「もう少し自分を高く売るにはどうすべきか。」
を考えた方が、得るものはありますね。

フラらたのも自分に何か悪い点があったのでは?
って自省したほうが、次の出会いでの成功確率は高まりますね。

投資の世界は非情です。
「なんで株価がこんなに低迷しているのか」って不満を漏らしても、
市場は相手にしてくれません。
ついた株価(値段)を真摯に受け止める以外、ありませんね。

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▼▼上原貴志の「編集後記」▼▼

Private Brain代表の上原です。
今週から時々「編集後記」と称して、私自身の裏話を、
メルマガ内容に合わせてお送りしますね。
題して、「まだまだ発展途上である上原貴志の”編集後記”」。

早速今号から。
冒頭の格言「知って行わざるは、知らざると同じ」を取り上げます。

数年前。
起業して上場した知り合い。
難関の資格に合格してエリートの道まっしぐらの友人。
とんでもなく仕事をハードにこなし、営業成績抜群の同僚。

いずれに対しても、「俺もやろうと思えば出来たはずだ。」
と、私は思っていましたし、周囲にもそのような発言をしていました。

ようやく最近ですね、
「やろと思えば出来る」という能力よりも、
「やろうとしてやった」能力の方が、重要かもしれない、
と思えるようになったのは。

知って行う。
なんとも難しいことですし、
行うことが出来ていない私自身に、腹が立つ今日この頃です。

いやその前に、私は本当に「知っている」のか?
つまり、「やろうと思えば出来る」能力があるのか?
これを疑ってみる方が先決ですかね。

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▼▼来週のテーマ▼▼ >>投資で気をつけることとは

自分人生経営に必要なファイナンス理論と、投資の考え方。
理解されましたか?

投資の項の締めくくりとなる次週2月4日は、
「投資で気をつけること」について。

サラリーマンは自社株を買うべきではない!
売れる資産があったら、即売ることを考えるべき!
昨日までに使ったお金のことは忘れろ!

みたいな話です。




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「投資の格言3  自分の"本業"で闘おう」  2004年1月21日  (第91号) 


▼▼今週のテーマ▼▼ >>投資の格言(3)

しつこいようで恐縮ですが、今号も「投資の格言」その3です。

人生は、いろんな場面で「投資」という行為が発生するもの。
金銭的投資、時間的投資、精神的投資、肉体的投資..。
そしてそのいずれにも、共通した「投資の基本形」がありますね。

自立成長型の人に送る、自分人生の経営に役立つ投資、その格言。
今号と次号の2回で終わりにします。

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▼”歌を忘れたカナリヤは、裏の山に捨てられる”

反面教師君。
料理の腕には自信があり、自らがオーナーの地元レストランで
コックをしている。

最近、この付近は再開発があり、地価は上昇中。
「ならば俺も」と、近場の店舗をいくつか買占め、
そこでカラオケ屋とか、エステ店、コンビニなどの経営を始めた。

当然、本業の「コック」の仕事がおろそかになり、自慢の味は急降下。
それに比例して客数も減り、素人であった不動産投資とか、
カラオケ経営なども当然失敗してしまった。

このような人にならないよう、覚えておきたいのがこの格言。
正確には、
「歌を忘れたカナリヤは、裏のお山に捨てられ、
本業を忘れた企業は、投資家に捨てられる。」という文です。

本業を忘れ、「最近流行っているから」とか、「多角化が必要だから」
など安易な理由で、他のことに手を出す。

すると、猫も杓子もゴルフ場や不動産に投資していたバブル期や、
ITを「イッツ」と読むような人までITベンチャーに投資をしていた数年前
みたいに、いつしか本業(個人なら自分の得意分野)をおろそかにしてしまい、
手を出したものは大やけど。
なんてことになってしまうものですね。


▼”わからぬ時は休め”

反面教師君。
お付き合いしたいと思っている彼女に積極果敢にアプローチ。
ところが、彼女の反応がイマイチ。

自分に気があるのか無いのか?
でも、積極性が売り物の彼は、相変わらず電話やEmail攻勢。

このような時に思い浮かべたい格言が「わからぬ時は休め」です。

相場環境が不透明でわからない時は、無理をして買ったり売ったりしないで、
休む、傍観していなさいっていう意味。

反面君。
彼女への積極的なアプローチもいいのですが、
相手の反応がわからない時、一度休んでみることですね。
休むが勝ちってこと。


▼”顔色の悪い社長の株は買うな”

反面教師君。
外資系に行った友人が羨ましくてならない。
年収5千万円だし、英語でお仕事ってのもカッコいいし。

そこで反面君もそこに転職することにした。
そして半年後。
身も心もボロボロの彼は、胃薬とサプリメントだけの昼食の日々
が続いている。

そう言えば、うらやましいと思ったその友人、
とんでもなく顔色が悪かったっけ。

ここまで大げさではないにしても、同じような話、よく耳にします。
そうならないためにもこの格言、覚えていてください。

健全な精神は健全な肉体に宿る、とも言われますが、これを
「健全な経営は健康な経営者に宿る。」とか、
「健全なビジネスは健康なビジネス・パーソンに宿る。」でもいいですね。

いくら金がもらえても、カッコよく見えても、
顔色が悪くなるような仕事をやらされているからには、
何か裏に、とんでもないことが隠されているはず。
それでも「ともかく金や見栄」優先の人は、それでもいいのですがね。


▼アナリストの説明できない相場がおもしろい

反面教師君。
一生懸命MBA(経営理論)のお勉強をしている。
そして、投資したベンチャー企業に対し、
「理論的にはこうやって経営すべきだ。」と、いつも押し付け。

また、トレンド雑誌が大好きで、「これが流行っている。」っていうお店や
ファッションに、すぐ手を出してしまう。

ところが投資したベンチャー企業からは、「理論通りにはいかないよ。」
と文句ばかり。
手を出したファッションやお店は、彼女から「雑誌のままね。」って不評。

このような人にならないためにあるのがこの格言。
アナリストとは、経済や企業を分析し、
株価が将来どうなるかを理論的に予測する職業の人。
アナリストという資格は、取得するのがかなり難しいとも言われています。

そんなアナリストが分析し予測した企業の株価動向。
結構、大きくハズれるケースが多いのが実態。

結局、企業を動かしているのは人間だし、投資するのも人間。
それを論理的に分析したって限界があるってことです。

同じように企業経営の博士と言われるMBA。
流行の先端を担っていると自負するトレンド雑誌。
みな、「明日のことを占う、予測する」ってことでは同じだが、
事はそう簡単には運ばないってことですね。

理論も分析も予測も重要ですが、決めるのは人間。
ならば、理論や分析よりも、貴方の直感が大切って話でもあります。

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▼▼次週のテーマ▼▼ >>投資の格言 その4(最終版)

自立成長型の人に送る、自分人生経営に役立つ「投資の格言」シリーズ。
次週1月21日が最終版です。





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「自立成長型の人の、投資の格言(2)」  2004年1月14日 (第90号)


▼▼今週のテーマ▼▼ >>投資の格言(その2)

昨年、「自立成長型の人になるための自分人生経営手法」について
数ヶ月に渡り配信してきました。

自分人生に必要な経営戦略。
自分人生の経営のためのマーケティング、人、そしてファイナンス。
自分人生経営のファイナンス、その根幹が「投資理論」でしたね。

また、投資理論の中で、年末最後にお送りした「投資の格言」
大変なご好評を頂戴しました。

今号も、自分人生経営の参考になる「投資の格言」その2をお送りします。

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▼反面教師君

今日は希望しているA社の入社試験。
面接の達人という書籍を読み、自己PRは準備万全。
「留学経験があり英語が得意。」
「国際的なビジネスには自信があります」が最大のPR。

そして見事合格。配属は、国際部。
だが、半年後には、仕事についていけなくて辞めることにした。

そう言えば英語が得意というのはかなりの過大なPR。
留学経験は、たかが1週間、イギリスに超短期留学をしただけだった。


▼”実体の伴わない相場は長続きしない”

この格言の意味は、
たまたま株価が上昇しても、その企業の実体が伴わないと、
すぐに化けの皮がはがれて、株価は下落するということ。

会計操作や過大なPRによって、株価を高めようとしている企業がある。
でもそんなもの、すぐに世の中にバレてしまうよ、ということも言っています。

反面教師君。よくあるパターンですね。
自己PR能力、プレゼンテーション能力は重要です。
でも、とりつくろった内容、うわべだけの薄い中身だと、
必ず化けの皮がはがれると思っていたほうが無難です。

入社試験。
面接のハウツー本を読むことは確かに参考にはなるでしょう。
でも、多くの面接官は「これはハウツー本から引用したな」ってわかるもの。

また、たまたま反面君のように見事合格でも、それはかえって不幸かも。
だって、自分の実力では手が届かないレベルのことを、
会社側は「彼(彼女)は出来るんだ」と信じて配属するのだから。
で、実力の無さはいつしか露呈し、本人が苦労するだけ。

20歳の人は、既に20年間も生きてきた。
それを一晩でレベルアップしようなんて、土台無理な話。
上っ面だけの過大PRや、その場しのぎのハウツー本引用は、
かえって不幸になる可能性大だと思って、自分人生を経営していきましょう。

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▼反面教師君

小学生の子供を持つ反面教師君。
いい学校=いい人生っていう図式を今だに持っており、
子供は、お受験で著名な私立小学校に入学させた。
電車に乗り継いで1時間もかかるのだが。

ところが、突然子供が登校拒否に。
学校が嫌だから、ってのが理由らしい。

でも反面君、学校の様子はわからない。
わからないから解決策が生まれない。

一方、自立成長君は、小学校くらいは地元で、
ということで子供を地元小学校に入学させた。

同じように子供が登校拒否になったが、
地元の人の噂で、その原因は直ぐにわかった。
早速自転車で学校に行き、担任と相談。
もちろん即解決したようだ。


▼”遠くて知らないものには手を出すな”

知らない銘柄より、身近で馴染みのある銘柄に投資しなさい。
という教えです。

例えば、同じリスクとリターンの投資商品でも、
ブラジルの債券よりは、地元の自治体が発行している債券に投資する。

株価が好調だが、何をやっているかよく理解できないネット企業よりも、
まだ株価は低迷しているが、身近で理解し易い業種の企業に投資する。
これが、投資の基本です。

反面君の例。
もちろん著名小学校に入れるよりも地元に入れるべき、
なんて言っているわけではありません。

ここで言いたいのは、著名か否かなどで何かを選択しても、
自分とは馴染みが薄いとか、遠隔地だとか、
「情報的にも、物理的にも自分から遠い存在」に手を出すことは、
非常に高いリスクを有しているとういことです。

地元という「情報が入りやすく、実際に見に行くことも容易」ということは
精神的にも実際の面でも、非常にプラスに働くということです。

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▼反面教師君

隠れ家のような和食屋やBar、まだまだ人気だ。
そこで反面教師君も、グルメ雑誌で見た「お薦めの隠れ家的和食屋」に、
お付き合いしたいと思っている女性を誘ってみた。

「ここは、隠れ家のように静かでお洒落な店なんだ」
という誘い文句と共に、その女性とお店に向かった。

ところがところが、雑誌に出ただけあって人気の店。
店頭では、人々が順番待ちで行列していた。

「行列が出来ているなんて、隠れ家とはいえないわね」
という彼女の言葉を無視し、店内に。

今度は、レジの前も廊下も、結構な人混み。
予約席に着くと、横で騒いでいる学生たちの大声が耳に入る。

帰り際に「なんだか、普通の居酒屋みたいだったわね」
という彼女の声は、「もう誘わないでね」という意味だったのだろうか?


▼”知ったらおしまい”

情報が一般に知られたら、その情報にはたいした価値が無くなり、
投資の判断には役立たなくなるどころか、かえって邪魔になる。
という意味です。

例えば「画期的な商品を開発した」というA社。
画期的な商品が世の中に出て、収益が上がることでしょう。
収益が上がるので、株価も上昇します。

この「画期的な商品の開発」という情報。
世の中一般に出ていない限りは、価値のある情報。
A社の株に投資するのは得策ですね。

ところが情報が世の中に出てしまったら、
既にA社の株価は、上昇してしまっているはず。
そこでA社の株に投資しても、得策ではないかもしれません。

一般に知られる前に、お店に行くとか、物を買うとか、何かに投資する。
一般に知られてからは、既にそこから撤退し、
また次の「知られていない情報」を探す。
これが、自立成長型の人の行動パターンです。

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▼反面教師君

知り合いの多くが、○△□という資格を取得した。
聞くところによるとこの資格、仕事や転職に非常に有利だそうだ。
また、今ならセミナーを受講するだけで、簡単に資格が取れるらしい。

そこで反面教師君もチャレンジ。
もちろん、セミナーを受講したので晴れて○△□の有資格者。

ところが1年後。
転職しようと、履歴書に○△□の資格を記載しても、何ら効果無し。

漸く転職が出来、名刺にその資格を記載したが、
名刺を受け取った多くの人が「なーんだこれか」っていう反応。

結局、多額のセミナー代を支払って取得したこの資格、
ほとんどそれを活かす場面は無しだった。


▼買いやすい時は深呼吸、買い難い時は勇気

周りの多くの人が手を出していて、しかも手に入れ易い。
そんな時、どうしても「乗り遅れたくない」という心理が働き、
冷静さを欠いて、自分も手を出してしまいがちですね。

逆に、多くの人が反対していて、しかも手に入れるのが難しい。
この場合は、自分も手を出さないことでしょう。

でも、投資理論的には、この逆をお薦めするというもの。
冷静さを欠いている時は深呼吸をし、
皆が反対している時こそ、果敢な勇気が大切。

考えてみれば、多くの人が手に入れていて、しかも手に入れ易い。
そんなもの、株にしろ、資格にしろ、洋服にしろ、
手に入れても、あんまし自慢にもなりませんね。

「乗り遅れたくない」という心理をグッと抑え、
深呼吸してから、手を出すか、投資するかなどを判断して下さい。


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▼▼次週のテーマ▼▼ >>投資の格言 その3

投資の格言を、自分人生の経営に活かす。
これが、自立成長型の人になるにはお薦めです。

次週(1月21日)も、投資の格言、その3をお送りします。





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「2004年 新年号」 2004年1月7日 (第89号)

▼▼新年のご挨拶▼▼

新年明けましておめでとうございます。

どうでもいいでしょうが、紅白歌合戦は白組の圧勝。
「乱世」、「激動」、「不安」など、今の時代を物語っている気がしました。

イラク戦争やテロ、雇用や年金への不安
米国一強への反発や、成果主義よりも家族主義への転換
デジタルの冷たさからアナログの暖かさへの逆戻り

天下泰平の時代には、とかく女性歌手の恋愛Musicが受けますが、
激動や不安などの時代には、男性歌手のソウルフルなサウンドの方が心に響く。

しあわせになろうよ(長渕剛)や、世界に一つだけの花(SMAP)
そして、見上げてごらん夜の星を(平井堅)

こんな曲を歌われたら、BoAのファンタスティックな歌声も、
倉木麻衣のセクシーボイスも、小林幸子の孔雀姿も、敵いませんね。

それはさておき、今年も「Private Brain」を何卒よろしくお願い致します。


▼▼お知らせ(雑誌に出ます)▼▼

さて、新年号から早速ですが、皆様にお知らせがあります。
「Private Brain」が雑誌に登場することになりました。

8日(木)発売、ソフトバンク出版の「ビジスタ(ビジネススタンダード)」
というビジネス雑誌に。http://www.sbpnet.jp/bisista/

3ページに渡って、私(Private Brain/上原貴志)の執筆した
「ビジネス的観点で家庭運営を考える」が掲載されます。

是非、書店で購入してみて下さい。
「男性誌」、あるいは「ビジネス」コーナーに並んでいます。


▼さわりだけ

とは言いながら、雑誌のさわりだけ、ここでご紹介しますね。

「仕事と家庭(あるいはプライベート)の両立は、食事と睡眠の両立と同じ」

仕事に忙殺されているビジネスパーソンは、
仕事家庭の両立に苦慮していることでしょう。

「どちらを優先すべきか?」というご相談を受けた際、私は
「あなたは、食事と睡眠を両立していますよね。」
「どちらを優先すべきだと考えていますか?」と回答しています。

時々によってはどちらかを優先するでしょうが、
人生全体からすれば、食事と睡眠のどちらを優先ということはないはず。
両立させないと死んでしまうし、比較すべきものではありませんね。

これがまさに、仕事と家庭(プライベート)の両立にも当てはまるのです。

そこで、仕事と家庭を両立させるための基本動作を、
ビジネスにおいても基本である3つのキーワード、
すなわち「選択と集中」「バランスシート経営」「ステークホルダー」
で、説明してみます。
(全文は雑誌「ビジスタ」にて)


▼▼新年号の特集▼▼

「自立成長型の仕事人になる」シリーズは、
来週から通常に戻りお送りします。

今回は新年号なので、「昨年配信したメルマガのベスト10」を
ここでご紹介します。
配信の度に多くの読者から感想やご意見を頂戴しましたが、
単にその数の多い順に、以下並べてみました。

タイトル下のURLをクリックすると、バックナンバーに飛びます。
また、本文のプロローグ部分だけ、記載しました。

ーーーーーーーーーーーーーーー旭旭旭旭旭旭旭

【第1位】  ブランド人  (10月22日 第79号)
http://cso.fc2web.com/melmaga/0309.html#vol.79

人にもブランドというものがあり、その重要性もわかった。
では、人のブランド、ブランド人の意味を、もう少し掘り下げてみます。

▼反面教師君 vs 自立成長君

とある駅前スーパーの果物コーナー。
山積みされたままのミカンが腐りかけている。
安売りしているのに、客はその前を通り過ぎるだけ。

ところが、その横に「品切れ、完売」と表示されたミカンのコーナーがあった。

とある駅前居酒屋の合コン会場。
女性の誰にも相手にされず、ヤケになっている男がいる。
一生懸命しゃべり、女性に気を使っているのに。

ところが、その横に「携帯番号教えて」と幾人の女性にも
言い寄られている男がいた。
(以下省略、全文は上記のURLをクリックして下さい)


【第2位】 目標を定める (6月11日 第61号)
http://cso.fc2web.com/melmaga/0306.html#vol.61

「あの頂上に向かうんだ!」と到着点を定めて登山するのと、
漠然と坂を登っていく。
当然、前者の方が、スピードも速いし、疲れも少ないし、
何よりも登っていて、楽しいですね。

優良な企業は、明確に目標を定めています。
だから、社員が一丸となって、同じ方向に進める。
社員に迷いが無いから、動きが俊敏です。

活躍しているプロスポーツ選手には、夢があります。
夢があるから、死ぬほどの特訓をこなせるのです。

難なく坂を登れる人=いい登山家。
優良な企業=いい企業
活躍しているプロ選手=いい選手。

ならば、いいビジネスsープル、自立成長型の仕事人にだって、
同じことが言えますね。
夢を持つこと、目標を定めることが必要だって。

▼反面教師君

何となく毎日、漠然と過している。
上司から言われた仕事を、ただこなしているだけ。
だから、仕事がつまらない。
つまらないから、努力が出来ない。

暇で暇で仕方が無い時が多い。
パチンコに行くのも、時間をつぶすのが目的。
面白くも無い漫画を読むのも、他にやることが無いから。

お酒はよく飲む。
でも、酒の場で話すことは、他人の悪口か、愚痴ばっか。
翌日後味が悪いのも、そのせいだろうか。

朝、起きるのが辛い。
辛いと言うよりも、起きようという気持ちになかなかならない。
だって、起きても「何かをやりたい、やってやろう」っていうことが
無いのだから。

電車の中?
もちろん、寝ているか、ボーとしているだけ。
別に、疲れているからでも、寝不足だからでも無い。
ただ、やることが無いだけ。

夜?
家に帰ったら、ネットで遊ぶかTVゲームに興じる。
ネットもゲームも、趣味ってわけじゃないけどね。

趣味?
うん、フツーの男と同様に、ゴルフは好きだよ。
でも、練習はしない。
うん、音楽を聴くのも好きだよ。
でも、無くてもいいかな、程度に。

皆が取っているから、俺も資格を取った。
CFPって奴かな。
でも、資格取得したのに、仕事も生活も、何も変わらなかったよ。

彼女?
いるにはいるけどね。
それよりも、早く結婚したい。
だって、自炊するの、面倒くさいもん。

でもでもでも。
今は幸せだよ。
なぜなら、特別嫌なことって、そんなに無いから。
(以下省略、全文は上記URLをクリックして下さい)


【第3位】 夏休みの過ごし方 (7月30日 第68号)
http://cso.fc2web.com/melmaga/0306.html#vol.68

皆さんは、もう夏休みを取りましたか?
多くの方々がこれから取るのでは。

そこで、Private Brainから送る夏休みSpecial
「こんな夏休みにしてみては」

▼反面教師君

「今年の夏休みの予定は?」と反面教師君に聞いてみた。
すると、「忙しくて休みなんて取れないよ」という回答。
「ご家族(あるいは恋人)は納得しているの?」
に対しては、「仕事があるから仕方ないって説明したよ」
ですって。

「もし、仕事が無かったら、どんな夏休みを取ろうと思う?」
に対しては、「別に、何をしたいってないから、わからない」
ですって。

「昨年はどんな夏休みだった?」って聞いてみると、
「覚えてないよ。確か数日間休んだはずだが」
ですって。

▼徹底的

「悔いの無い夏休み」
同じ休みを取るのなら、アトで後悔はしたくないですね。

「5年後も覚えている夏休み」
有意義な夏休みなら、5年後にも2003年夏のことを想い出せることでしょう。

そこで、悔いが無く、先々になっても想い出せる夏休みを過すには?
そのキーワードが、「徹底的に」です。
以下、「徹底的に○○する夏休み」ってことで、
いくつかのアイデアをお送りします。
(以下省略、全文は上記のURLをクリックして下さい)


【第4位】 勝つということ (5月7日 第56号)
http://cso.fc2web.com/melmaga/0304.html#vol.56

自立成長型の仕事人になるには、勝つことが必要。

但し、ここで言う「勝つ」とは、世に言われている「勝ち組」「負け組」
のことではありません。
ましてや、受験戦争や出世競争での「勝ち負け」とも異なります。

では、ここで言う「勝つこと」とは、どんなことなのでしょうか?

▼反面教師君

勝ち負けに拘りすぎる反面教師君。
彼は、ともかく負けることが嫌い。
単なる負けず嫌いなら、それはOKなのですが、彼は違います。

営業成績の良い同僚に対し、営業の邪魔をしようとする。
出世見込みの高い同期について、悪口を陰で言う。
ともかく、自分が負けそうな相手の足を、引っ張ることばっか考えるのです。

合コン、他の男に注目が集まることを、とっても嫌う。
ゴルフでは、ズルをしてまで、他人に勝とうとする。
ともかく、自分が優位に立っていないと、気が済まないようです。

一方、結果に全く無頓着な反面教師君。
彼は、何をやっていても、結果なんて気にしない。
単なるマイペースなら、それはOKなのですが、彼は違います。

営業成績が上がらなくても、「不景気のせい」にしてしまう。
出世見込みが無いのは、「上司に恵まれてないから」と思っている。
ともかく、悪い結果が出ると、誰か他に責任転嫁してしまうのです。

勝負事に負けても、「自分は力が無いから仕方ない」って言う。
出来ないことがあると、「まあ、いいや」って直ぐに諦める。
ともかく、前に進もう、克服しようっていう気持ちが無いのです。

▼勝つこと

まず、自立成長型の仕事人にとっての「勝つこと」
について定義します。

それは、「他人に勝つこと」ではなく、「自分に勝つこと」。
冒頭に述べました通り、「勝ち組」「負け組」でも無い。
受験戦争や出世競争で、他人に勝つことでも無い。
あくまで「自分に勝つ」ということです。
(以下省略、全文は上記のURLをクリックして下さい)


【第5位】 何て運が悪いんだ! (3月12日 第49号)
http://cso.fc2web.com/melmaga/0301.html#vol.49

ビジネスやっていると、何て私は運が悪いんだろうって思うこと、ありますね。

取引先が倒産し債権が焦げ付いた。
長時間かけて作成していた資料の完成間際、突然パソコンがフリーズ。

これを貴方は、単に「運が悪い」って嘆きますか?
それともーーーーー。

▼フツーのビジネス・ピープルは?

取引先が倒産した。
「ヤッベー、倒産しちゃったよ。」
「でも、あそこって、上司も審査部もOK出してたよな。」
「だから、俺は運が無いだけで、俺の責任ではないな。」

突然パソコンがフリーズし、作成途中の資料がパーになった。
「ふざけんなよ!」っとパソコンを叩く。
「やんなっちゃうな、もー。」っと憤慨だけする。
「もうやる気なくしたよ。」って落胆する。

なんか、いいビジネスピープルとは言いがたいですね。

▼そこにいるから悪いことが起きる。

取引先が倒産したり、PCがフリーズしたり。
運の悪いことって、いろいろと起きますね。

でも、それは「そこに貴方がいる」から起きるのです。
「貴方の行動範囲」内に起きているのです。

例えば、バッターボックスでホームランを狙っていたとします。
そしたら「運が悪く」デットボールを食らった。
これって、バッターボックスに立ったから食らったのであって、
ベンチを暖めるだけの人には絶対に起こりません。

夫婦喧嘩も、嫌なことで、出来れば避けたいですね。
でも、最愛の妻(夫)を見つけ、一緒になれた貴方だけに起こる
「悪い」出来事です。
結婚していない人には、絶対に起こりません。

つまり、運の悪いことって、その場に貴方がいるからなのですね。
そして、それは貴方が選んだ行動範囲だし、
貴方以外の人では出来ないことかもしれません。

まずは、運が悪いことが起こった際には、このように考えて下さい。
パソコンが打てない人には、フリーズなんて起こりません。
営業能力が無くて販売出来ない営業マンには、
倒産なんていうことは起こりません。
(以下省略、全文は上記URLをクリックして下さい)


【第6位】 理論と直感力 (4月9日 第53号)
http://cso.fc2web.com/melmaga/0304.html#vol.53

貴方は、理論派? それとも直観力派?

もし前者なら、理論通りに事が進まないって、悩んでいませんか?
もし後者なら、理論武装をしてくる頭デッカチ君に、いつも負けていませんか?
ビジネスをやるにあたり、理論と直観力、どっちが大切なんだろう?

▼反面教師君

理論派の反面教師君。
お仕事はいつもこんな感じです。

例えば経営。
MBAで学んだ経営理論をそのまま使ってしまう。
「グロービスの経営戦略の教科書に書いてあった手法」が一番だと
思い込んでいるからだ。

例えば投資。
投資には、投資理論ってのがある。
で、投資理論のベースは、投資ポートフォリオであり、
DCF法っていう企業評価手法。
だから、何かにつけて投資する際には、これらの公式に当てはめてしまう。

例えば営業。
マーケティングのテキストが氾濫しているが、その多くがポーターという
偉い人が考え出したもの。
だから、お客さんが感情型のオヤジだろうが、脳天気な主婦だろうが、
ポーターさんの書いたマーケティング手法をついつい使ってしまう。

一方、直観力派の反面教師君。
お仕事はいつもこんな感じです。

例えば経営。
「経営なんて理論ではなく実践だ」が彼の口癖。
だから、ともかく行き当たりばったりの指示。
考えるより行動、ってのが行動原則になっている。

例えば投資。
「投資は気合だ。」
っていう、わけのわからない持論。
だから、「これはいい」って思ったことに対しては、
あまり深く考えずに投資をしてしまう。

例えば営業。
「なんていっても営業は人間関係。」
この説を曲げない。
だから、取引先が何と言おうとも、
「まあまあ、まずはお酒でも飲んでお話しましょう。」
以外の営業が出来ない。
(以下省略、全文は上記URLをクリックして下さい)


【第7位】 ファッション (10月29日 第80号)
http://cso.fc2web.com/melmaga/0309.html#vol.80

自立成長型の人であるブランド人は、
ファッションにも細心の気を払っています。

もちろん、ブランド品の服を買い揃える。
そんな安易な方法ではなく。

今号はファッションについて。
貴方は、キレイな包装紙でラッピングされているけど、ノンブランド君?
それとも、身の丈にあった包装紙でラッピングされているブランド君?

▼反面教師君

「今日はきまったな!」
と鏡に映る全身像にご満悦の反面教師君。
そう、待ちに待った彼女との初デート。

ところが1ヵ月後、「別れましょう」というEmailが彼女から来た。
「貴方って、最初の時に受けたイメージと全然違うのね、がっかりしたわ」
というのが、別れの理由らしい。

「イケねー、遅刻だ。」
と、そこら辺にぶら下がっているスーツやネクタイを身に付けた反面君。
仕事に行くファッションには、全く無頓着のようだ。

そんな反面君、仕事能力は自分の方が上なのに、
どうしても、仕事の結果は同僚に負けてしまうらしい。

「おー、この服いいなー」
って、直ぐに手を出してしまう反面君。
だから、クローゼットはいつも満員。

ところが、いつも着ていく服の組み合わせが決まらない。
たくさん持っているのに。

▼自立成長君

自立君、待ちに待った彼女との初デート。
着ていく服は、お気に入りのカジュアル服。
そして1ヵ月後、恋愛関係絶好調。
彼女いわく、「彼って、最初に受けたイメージと中身が同じなの、よかったわ」

「今日は、ハードな交渉がある日だな。」
「ならば、ちょっと攻撃的なタイとシャツの組み合わせにしよう。」
と、念入りに服を選び、着こなしていく自立君。

仕事に行くファッションは、
その日の気分、仕事内容、天気、自分のキャラ、最新モード
などを総合的に考え、上手に着こなしている。
(以下省略、全文は上記URLをクリックして下さい)


【第7位】 人について (8月6日 第69号)
http://cso.fc2web.com/melmaga/0306.html#vol.69

自分人生の経営者である貴方。
自立成長型の仕事人を目指している貴方。

そこには、2つの側面から見た「ヒト」がいます。
1つは、貴方から見た「他人」というヒト。
1つは、他人から見た「貴方」というヒト。

自分人生を経営するには、
他人というヒトを上手に使っていくことが必要です。
自立成長型の仕事人になるには、
他人から見て貴方が「価値ある」ヒトになることが必要です。

自立成長型の仕事人シリーズ。
今週から何週かに分け、これら「ヒト」について、お話します。

▼反面教師君

たくさん勉強した。
資格もいくつか持っている。
取引先との交渉力も優れている。
なのに、仕事がなかなかうまくいかない。

容姿OK。
ファッション抜群。
おしゃべりだって一流レベル。
でも、交流関係が広がらない。

金はある。
家も裕福。
自動車も高級外車。
だけど、恋人が出来ない。

何もかもGoodなように見える反面教師君。
何が欠けているのか、もうおわかりですね。

▼人ヒトひと

会社を経営するには、部下に効率的Iに働いてもらうこと。
あるいは、取引先に会社経営のプラスとなるように動いてもらうこと。
これに尽きると言っても過言ではありませんね。

社長が1人で会社経営できるものではありません。
そこには幹部や従業員という組織の人材がいます。
また、仕入先、販売先、官庁や地域、弁護士などの社外人材もいます。

これら「社内外の人材」が、会社のために一生懸命働いてくれないと、
会社経営は絵に描いた餅になってしまうこと、言うまでもありません。

一方、自立成長型の仕事人は、自分人生という会社の経営者。
これは既に十分理解して頂いていると思います。

一般的な会社の経営には、社内外の人材活用が最重要である。
よって、自分人生の経営者にも同じことが言えるのです。

自立成長型の仕事人を目指している貴方。
その成否は、貴方の周辺にいる人材にかかっているのですね。

そこで、貴方から見た「他人」というヒト。
これに関することを、ロジカルに解説していきます。
(以下省略、全文は上記URLをクリックして下さい)


【第8位】 戦略を立てる (5月21日 第58号)
http://cso.fc2web.com/melmaga/0304.html#vol.58

自立成長型の仕事人になる。
そのためには戦略が必要なことを理解した。
また、戦略と戦術の違いもわかった。

でも、でも...。
肝心の戦略が、具体的に定まらない。
どうすればいいのでしょうか?

▼反面教師君

反面教師君は、早速、「年収倍増」という目標を定めてみました。
そのための戦略が「独立起業すること」。
で、戦略実行に使う戦術として「フランチャイズに入る」を選択した。

でも、失敗。

その後、次なる目標を定めました。
「カッコいい仕事に就く」
そして戦略が「外資系への転職」
戦術が「英語を勉強」

でも、継続できませんでした。

反面教師君は、悩みまくっています。
どんな目標を設定するのがいいのだろうか?」

▼戦略の意義

自立成長型の仕事人。
自分人生の経営者。
そんな貴方の戦略とは、「目標を達成するためのアクションプラン
(行動計画)」のこと。
また、戦略を明確に打ち出すことは、「勝つ」ための条件である。
これが先週までの話ですね。

そして、戦略を決める上で重要なのが、
貴方の能力や強みのどの部分を磨いてくべきなのか、
そのために必要となる環境を分析し、何を行い何を行わないかを明らかに
していくことです。
(以下省略、全文は上記URLをクリックして下さい)


【第10位】 投資について (12月10日 第86号)
http://cso.fc2web.com/melmaga/0312.html#vol.86

自立成長型の人になるには、
常に、前進するための行動をしていく。
前進するには、お金や時間などの資産を使う、
つまり投資が必要だ。

今号は、ファイナンス理論の根幹、投資理論について、
もう少し詳しくお送りします。

▼反面教師君

流行最先端のレストラン。
割高だと思いながらも、行列をなしているのを見た反面教師君、
意中の彼女を、「素敵なお店に連れて行ってあげるよ。」と誘ってみた。

で、行った後、彼女からの感想は、
「マスコミで話題になる前に、入ったことあるわ。」
「でも、話題になってから質が落ちたわね。」
「だから、著名なレストランって、嫌なのよ。」

そして、割高のレストラン代を負担した反面君は、
成果がなかったどころか、
彼女からの評価を、落としてしまったようだ。

株価上昇中のA社。
反面教師君の友人は、昨年この株式に投資し、大きく儲けたらしい。
彼もそれに便乗とばかり、今日、投資してみた。

そして半年後。
A社株は、反面君が投資した時の株価の
半値に落ちてしまっていた。

この資格を取れば、一流の外資系で働けます。
そんなことでブームになっているB資格。
早速、反面教師君も取ることにした。

そして3年後、多大なる時間とお金をかけて
漸く取得した反面君、早速外資系を訪ねてみた。
すると面接官から「もう、この資格保持者の採用予定はありません。」

他社を訪ねてみても同様の回答。
結局、B資格の保有者が急増したことと、
B資格に関するビジネスが不況であることが重なって、
折角の資格保有も、何ら価値が無くなってしまったようだ。

▼投資と、自立成長型の仕事人

自立成長していくには、今日よりも明日、
貴方の価値、つまり「パーソナル・バリュー」を高めていくこと。
これは既に皆様がご理解されている基本コンセプトですね。

企業が、その価値を高めるためには、新しく店舗を開発したり、
儲かるビジネスにお金を出したり、
優れている人材を採用したり、
研究開発に時間を多く割いたりする。

これらには、お金や時間を使うことになります。
そしてこの、お金や時間を使うことを、
企業価値を高めるための「投資」と言います。

人がその価値を高めるのも全く同様。
何か新しいことにチャレンジする。
知識向上のために新しく勉強を始める。
人脈構築のために交流会に出る。
仕事を一生懸命やる。
本を買う、家を買う、資産運用する..。

これらには必ずお金や時間を使うこととなり、やはりそのことを、
自分価値(パーソナル・バリュー)を高めるための「投資」と言います。
(以下省略、全文は上記URLをクリックして下さい)

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▼▼次週のテーマ▼▼ >>投資の格言2

次週より通常のメルマガに戻ります。

年末、「自立成長型の人になるためのファイナンス」について
数週に渡り配信しております。
そしてファイナンスの根幹が「投資理論」

投資理論の中で、年末最後にお送りした「投資の格言」
大変なご好評を頂戴しました。

つきましては、次週1月14日に、その第二弾を次週お送りします。
お楽しみにね。




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「自分へのクリスマス・プレゼント」  2003年12月24日 (第88号)



▼▼今週のご挨拶▼▼

今日はX'masイブ。
自立成長型仕事人の皆様は、どんなイブなのでしょうか?
また、年末も押し迫り、今年はどのような年でしたか?

お蔭様でメルマガ「Private Brain」も、第88号の今号が年内最後
となりました。

来年は、引き続き皆様のご指導、アドバイスを賜り、もっともっと
中身の濃い、内容の充実したメルマガにしたいと思います。

では年内最後のメルマガである「自分へのX'masプレゼント」、
じっくりお読み下さい。

Have a nice eve, and may your new year be happy !

Private Brain代表 上原 貴志

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▼▼今号のテーマ▼▼ >>自分へのX'masプレゼント

今年一年を振り返り、
1ミリでも、前に進みましたか?
1グラムでも、資産が増えましたか?

もちろん進むとは「去年の自分」よりも成長すること。
資産とは、知識や人脈、経験などの見えない資産も含めてのこと。

そして、少しでも進んだ人、増えた人、
今日はX'masイブ、自分に何かプレゼントしましょう。
成長に対する自分ボーナスです。

成長している企業は、昨年よりも利益が増えた、資産が増えた、
仕事が増えた、社会貢献度が増えたーー。
そして、成長企業の経営者も社員にボーナスを与えます。


▼反面教師君

「今年ってどんな年だった?」に対し、
「べっつにー。特に何も無いよ」が例年の答え。

「今年、嬉しかったことは?」に対しては、
「合コンで女の子20名の携帯番号を登録できたこと。」
「仕事で、たくさんのゴルフが出来たこと。」
「パチンコで10万円もうけたことがあること。」

「今年、何を習得した?何を得た?」には、こんな答え。
「倉木麻衣のカラオケ、歌えるようになった。」
「キャバクラ嬢の心理っていう本、読んだ。」
「上司のかばん持ちのコツ、覚えた。」

そして、1年前の2002年を思い出そうとしても、
特に何も浮かばない。

もちろん10年後、
2003年のことなんて、一つも覚えていないだろう。


▼自分へのX'masプレゼント

自立成長型の仕事人になるためには、
今年もかなり頑張ったと思います。

そして、頑張ったからには、
自分が喜ぶプレゼントを自分でしてみてはどうでしょうか。

貴方は、「自分人生の経営者」だ。
ということを何度も述べてきました。

企業の経営者は、年度の経営が優れていたり、
期待していた利益を得られた場合には、
たくさんのボーナスをもらいます。

自分人生の経営者も同じですね。
やはり、経営者の自分自身に、たくさんのボーナスを与えましょう。
嬉しいプレゼントを与えましょう。


▼与えられるには

但し、ボーナスやプレゼントをもらうには、
出来る限り次の2点に当てはまっているほうがいいでしょう。
でないと、どんな1年であってもボーナスを与えることとなり、
ボーナスの意味がなくなってしまうので。

まず1点目は、
「自分の資産が増えた人」
「自分が少しでも前に進んだ人」
「昨年の自分に、今年は勝った人」です。

そして2点目は、
「少しだけストイックな生活」
を継続できた人です。


▼自分資産が増えた

1点目の「自分資産が増えた」とは?
自分資産とは?

まず頭に浮かぶのが、預金や不動産など
一般的に言われる資産のこと。

ただ、このような資産が増えたことを述べているのではありません。
ここで言う自分資産とは、「見えない資産」のこと。

具体的に、貴方が持つ「見えない資産」とは、
知識、知見、人脈、経験、家族などのこと。
もっと言えば、自分ブランドのことです。

自分ブランドについては、過去のメルマガをご参照下さい。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0309.html#vol.78

いわゆる、エルメスやMUJIなど、企業は商品のブランドと同じ。
人にもブランドというものがあり、それが最も価値のある自分資産です。

自分ブランドや知識人脈など、見えない資産がどれだけ増えたか。
これは、自分資産の棚卸しをするといいでしょう。
これも過去のメルマガをご参照下さい。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0304.html#vision04

企業は、年末などにどれだけ資産(在庫)を持っているか、
倉庫やお店の中を調べ、集計します。
それが棚卸し。

同じことを、自立成長型の人もやろうってこと。
預金や不動産など見える資産の棚卸しも必要ですが、
特に、見えない資産の棚卸しが重要です。

もちろん、見えない資産なので、数値として出すことは難しい。
でもそれでいいのです。

今、親友はどれだけいるのか?
今年覚えた新しい知識とは何か?
今年、どのような体験をしたか?
仕事でどれだけ貢献したか?

これらを、企業が在庫の棚卸しをするのと同じように、
自分の架空の棚に、並べてみてください。

すると、自分資産が、昨年と比べてどれだけ増えているのか。
結構、わかるものです。
出来ればこれを毎年やると、
より鮮明に増減がわかりますが。


▼自分が前に進んだ

同じように、自分が少しでも前に進んだかどうかも、
年末なので、一度整理したいですね。

進むとは、成績が上がる、会社で昇格する、
ばかりを指してしているのではありません。

これも過去のメルマガをご参照下さい。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0306.html#vol.61

自立成長型の人になるには、目標を定めることの重要性を述べました。
そして、自分が前に進んだかどうかは、
この定めた目標に、少しでも近づいたかどうか。
ただそれだけのことです。

進み具合、速度は人それぞれ。
早くても遅くても、それは個人差があって当然。

ともかく、目標に少しでも近づいていたら、
それは、ボーナスを与えてあげましょう。


▼昨年の自分に勝った

1点目の最後は、昨年の自分に勝った人は、
自分から自分にボーナスやプレゼントを与えましょうってこと。

昨年の自分に勝った。
これも過去メルマガ、ご参照下さい。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0304.html#vol.56

勝つこと。
これは、「他人に勝つこと」ではなく、「自分に勝つこと」を指します。
出世や受験戦争、企業間競争での「勝ち組」「負け組」では無い。
あくまで「自分に勝つ」ということです。

昨年の自分の状態。
過去の自分の最高。
これよりも、今年の自分が勝ったか否か。
これが、勝ち負けの判定です。

そして、勝った人は、是非、表彰してあげてくださいね。


▼少しだけストイック

では2点目、少しだけストイックについて。
これを達成できた人も、是非、プレゼントを忘れないように。

ストイックとは、“禁欲的に厳しく身を持つこと”と訳されます。
それを「少しだけ」やること。
これが、自立成長型の人になるためのコツです。

決して、修行僧のように、徹底的なストイックが必要ってことでは
ありません。

少しだけストイックとは、こんなこと。

TVも観ないで、毎晩帰宅後はお勉強だと、いいのでしょうが、
TVを観る時間を、一時間以内と決める、で十分です。

合コンの誘いも全て断り、仕事に専念する、だと上司は喜びますが、
仕事に余裕が出来た時だけ合コンに参加する、が程よいストイック。

朝、5時に起きてジョギングと英会話だと、たくさんストイックだが、
15分前には会社に到着するよう努めることでも、OKです。

仕事は、自己犠牲が基本である、では、かなり辛いので、
仕事は、自己向上の目的でもある、としておく。

偉くなって、ボランティア基金を作りたいは、理想的でしょうが、
偉くなって、もっといい仕事をしたい、で十分。

いわゆる、ビールは、確かに美味しいので、
特に暑い日は、朝から飲みたくなりますよね。
でも、一日、一生懸命働き、あるいはがむしゃらにスポーツをし、
のどがカラカラになるまで我慢した後、
冷えたジョッキで飲むビールの美味しさは格別。

それと同じです。
少しだけストイックとは。


▼至高のものへの欲求と禁欲

繰り返しですが、ストイック度が100を目指すに越したこと無いかも
しれません。
でも、そのような精神論は他誌に譲るとして、
ここでは、現実的な“自立成長型の仕事人”的ストイックでいいのです。

「至高のものを手に入れるための禁欲」が、
“自立成長型”的ストイック。

そうです、あまり堅苦しく我慢し、自己に厳しくなり過ぎるのではなく、
かと言って、我慢無く手にしたいものに手を出すのでも無い。
そんな感覚。

至高、至福、そんなものへの欲求があり、それを手に入れるために、
一時の我慢と、一時の自己研磨を行うこと、
これこそ“自立成長型仕事人”への道です。

そして、自分なりに今年は、「少しだけストイック」が継続できたと
判断したら、思い切り、ビールを与えて下さい。
ストイックだけでは破綻してしまいますので。


▼そして、ボーナス、プレゼント

以上、
自分資産が増えた人(特に、見えない資産)、
自分が前に進んだ人、
昨年の自分に勝った人、
及び
少しだけストイック生活を継続できた人、

自分へのボーナス
X'masイブのプレゼント。
奮発しちゃいましょう。

もちろん、高価なものを買うことを言っているのではありません。
いつも我慢していたこと。
欲しいけど、買うのを控えていたもの。

やってみる、手にしてみることは、十分可能だが、
それこそ「少しだけストイック」生活のため、
やってない、手に入れていないこと。
これが、ボーナス、プレゼントの対象に最適でしょう。

是非今晩、じっくり考えてみてください。


▼最後に

私は、100点満点ではありませんが、
少しだけ自分に、プレゼントしたいと思っています。

具体的には、
1 お気に入りの和食屋で食事。
2 大好きなレアもののスコッチ・ウィスキーを飲みつくす。
3 手に入れたかった3/4コートを買う。
など。

ほんと、ささいなこと(もの)です。
でも、これが「少しだけストイック」のために、我慢していたこと。

100点満点じゃないので、この程度で十分でしょう。
私のボーナスは。

ちなみに、皆様はどんなボーナス(プレゼント)?
もし、「私はこんなこと(もの)にした」ってことあれば、
是非、教えて下さい。 
Email送信、サイトを訪れていただければわかります。



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「自立成長型が用いる、投資の格言」  2003年12月17日 (第87号)



▼▼今週のご挨拶▼▼

自立成長型の仕事人になるには、
貴方が、「自分人生」の経営者になること。
そして、経営者なら「自分人生」の経営手法を学ぶことが大切だ。

とのことから、この春より「自立成長型の仕事人になるため」の手法を、
シリーズ化してお送りしてきました。
自立成長型の人になるための「経営戦略」、
同「マーケティング」、
同「人」。

そして、ここ数回に渡り「ファイナンス」について連載しています。



▼▼今週のテーマ▼▼ >>投資の格言

時間もお金も労力も、
自分が持っている「資産」を投じることが「投資」。

自立成長型の人になるためのファイナンス。
その一番大切な項目が「投資」です。

今号は、投資に役立つ格言を、自立成長型の人に置き換え、
解説いたします。


▼人の行く、裏に道あり、花の山

はじめに「人の行く、裏に道あり、花の山」から。
本来の意味は、
多くの人が行かない裏道に意外な花見の場所がある、ということ。

人はとかく人気に左右されやすく、
人気があるものは必然的に高い値段がする。
でも人気が冷めるとこの値段がバブルだってことが露呈し、
価格は下落し、人気に左右されて投資した人は大損する。

これを「自分人生経営者」に当てはめてみましょう。

流行に敏感なことが自慢の反面教師君。
クラシコイタリア系の高級スーツをビシっと決め、
デートは必ず流行っているレストランやクラブ。
株価上昇の上場ベンチャー企業に投資し、
仕事に有利だと人気の資格を取りに行っている。

ところがところがーー、
高級なスーツも、周りの男も同じ格好なのであまり目立たない。
流行のレストランは、高くて混雑しているだけで、彼女は喜んでくれない。
上昇したベンチャー株価は、ちょっとしたことで急落。
資格が取れた時には、それはもう仕事に有利ではなくなっていた。

このような人って、結構いませんか?
そうです。
人の行く道をそのまま追いかけても、
花の山は踏み荒らされ、あるいは花は摘み取られたあと、
というケースが多くなります。

決して、流行なんて追わなくていいってことではありません。
逆に、流行は常に把握しておくにこしたことは無いでしょう。

でも、他人が進む道を、その後から行くのは
「自立成長型の人」として、投資効率が悪いというのも事実です。

高価なスーツ、高いレストラン代、株式投資資金、資格取得の
貴重な時間。どれも、効率的な「投資」とは言えませんね。

是非、人の行く道ではなく、裏の道も頭に入れ、
お金や時間など貴重な資産の投資効率を考えて下さい。


▼天井売らず、底買わず

1円でも高く売り、1円でも安く買いたい。
これが多くの投資家の心理です。

「投資している株式を、最も高値で売却しよう」と狙っていたが、
いつのまにか、株価は天井に達し、下落に転じてしまう。
で、売ろうと思っても売れなくなる。

「一番安い時に買おう」と、下落中の株を狙っていると、
いつのまにか反転(値上がり)してしまい、
買えなくなってしまう。

思い切りが悪い反面教師君。
すばらしいビジネスのアイデアが思い付いた。
でも、かなり詳細に分析調査しないと、なかなか実行に移さない。
そして、いざ実行と決意した時には、ライバルが既に実行していた。

飲み会の場所を決める際、5つも6つも価格比較する。
そして、漸く「ここが一番安い」って決めて予約の電話をすると、
「もう埋まってしまいました。」ってことが多い。

自立成長型の人になるには、「思い切る」ことも大切。
投資しないことには、リターンはありません。
リターンが無いことには、成長もありませんのでね。


▼市場にいる必要はない

目先の利益に目がくらみ、短期的な売買を繰り返す株式投資よりも、
景気や企業分析による数ヵ月後、数年後を読んで投資することを、
薦めた投資格言です。

プロの短期売買投資家は別ですが、素人は、もっと、長期的視点
に立って投資したほうがいいってことですね。

営業マンの反面教師君。
目の前の売上げに通じる営業ばっかりに注力している。
言い換えると、顧客からの信頼を失ってでも、今月の売上高を上げる
ことを優先。

ところが、あまりにも目先の売上高ばかりを追いかけていたせいで、
顧客からのクレームが殺到。
業界内で悪い評判が広まったこともあり、営業成績は落ちる一方。

人は、どうしても目先の利益(成績)を追い求めてしまいがち。
もちろん、今日明日の給料も大切だし、
厳しい成果主義の時代、仕方ないとも言えますが。

但し、目先利益追求型は、いつしかボロが出るもの。
「自立成長型の人」は、永続的成長を求める人のこと。
だから、目先利益と同時に、5年後、10年後を見据えて、
仕事に取り組むこと、基本中の基本ですね。
貴重な時間を仕事に投じる、これ「投資」。
そして短絡的ではなく、長期的視点で投資を行いたいもの。


▼見切り千両

値段が下がっている株式、既に大きな損が出てしまった。
でも「いつかまた戻るだろう」って無意味な期待を持ち、
いつまでも処分できないで、更に損失が増える。

このようなことを戒めた格言で、
見通しが良くないと思ったら、思い切って処分しなさい、ということです。

根性がある。諦めないでとことんやる。
これって、「諦めが悪い」ということも場合によっては言えます。

諦めないでやり続けるのは、やり続けることにより、
自力でなんとかなるかもしれないという場合に有効。

そうではなく、やり続けることによって見通しが良くなるかどうか
わからない場合は、単に諦めが悪いということもありますね。

反面教師君。
任された仕事に対し、既に多額の資金をつぎ込んでいるが、
これ以上やっても、成果が出るとは思えない。

でも、「既に多額の資金を使ったので、なんとしてもやり続けたい」
という「精神論」だけで、会社の資金を更につぎ込んだ。
そして、あまりにも巨額となり、とうとうパンク。

同じく反面教師君。
好きな女性をゲットするために、たくさんの時間を使ってきた。
そう、時間という貴重な資産を。

ところが一向にに彼女は振り向いてくれない。
そしてとうとう、別の男性と結婚してしまった。
でも、諦めきれない彼は、追い続けることをやめなかった。

このようなこと、「辛抱強く、根気があってすばらしい。」
という見方もありますが、それが通るのは、あくまで見通しがある場合。
そうでない場合は、単に「諦めの悪い人」となり、
自立成長型の人になるには、あまりにも投資効率が悪すぎます。


▼卵は、1つのカゴに盛るな

壊れやすい卵を1つの容器に入れて落としてしまうと、
全て割れてダメになる。
よって、いくつかの容器に分散させて盛るように、という格言です。

投資の世界も同じ。
特定の業種、特定の証券種(ベンチャー株、安定上場株など)など、
偏った投資は避けるべきということ。

A社という不動産会社に勤務している反面教師君。
もちろん収入はA社からの給料。
ちょっとお金が余ると、勤務先のA社の株を買う。
住まいは、A社が開発している新興住宅地のマンションを購入。
奥さんもA社でアルバイト、友人の多くもA社の同僚。

そして5年後、A社は倒産。
A社からの給料がゼロとなり、投資していたA社株式も紙くずに。
購入したマンションもA社の倒産に伴い価値が半減。
奥さんもA社のアルバイトを切られ、
友人を頼ろうにも、皆、路頭に迷っているA社社員。

以上は極端な例ですが、十分にありえる話です。
自分の会社に帰属意識を持つことの長所とか、社員持ち株制度など、
「同じカゴに投資する」ということのメリットも、多々ありますが、
ここではとりあえずそれを考慮しないことにしましょう。

自立成長型の人は、時間やお金、自分の生活を投じる、などの「投資」を
上手にやります。
そして、卵を入れるカゴを分散させることを、いつも頭に入れています。


▼動きあるものには、訳がある

この世に存在するものには全て、それなりの理由があります。
株価が上がった企業にも下がった企業にも、それなりの理由があるはず。
株価が動いた理由を見つける努力をすれば、
次の一手が正しく打てる、という格言です。

反面教師君は、世の中の「動き」に敏感、流行の最先端を行こうと努力
している。
でも、なぜこれが流行っているのか?
なぜ注目を浴びているのか、考えようとしない。いつも流行に乗るだけ。
乗るだけだから、別に反面君自身が注目されることは無い。

自立成長型の人は、なぜこれが流行っているのか、
その理由を探ることを心がけている。
次に何が流行るか、予測することが上手。
予測上手だから、自ら流行を生み出すことも多く、それが彼を更に成長
させている。


▼指値は取り消すな

指値とは、例えば100万円の自動車に対し、
「95万円なら買うよ」とディーラーに約束すること。
そして、一度指値したら、深追いせず取り消したりせず、それを忠実に守る
こと、この、途中で考えを変えないほうがいいということを、
この格言は意味している。

反面教師君は、欲深く、初志貫徹が出来ない。
だから、いろんな意味で「人生の指値」を深追いしてしまう。
そして深追いし過ぎて、手に入れることを逃してしまうことが多い。

自立成長型の人は、人生の指値に忠実だ。
だから場合によっては、もっと有利な条件で手に入れることが
出来ただろうものがあっても、後悔はしない
その分、着実に獲得した資産(知識、お金、人脈など)が蓄積されている。


▼最後に

以上、投資の格言、ほんの一部を自立成長型の人に置き換え解説しました。
この中で筆者が一番気に入っているのが、
「人の行く、裏に道あり、花の山」です。

自立成長型の人を対象に、Private Brainというメルマガを送り続けています。
あくまで、人を企業と見立て、企業経営理論を人に置き換えたもの。

「人を企業と見立てるなんて、そもそも無理だ」
という言葉を、多くの読者から受けました。

「すばらしい経営理論を持っているのだから、
人ではなく、企業のコンサルをやったらどうか」
とも言われました。

しかしそれでは「人の行く道」を歩むのと同じ。

人を企業と見立てた「自分人生」の経営理論が、
花の山になるかどうか、まだ確固たる見通しはありませんが、
「見切り千両」と見切るまで、やり続けてみたいものです。

「動きあるものには、訳がある」のごとく、個々人が、自分人生の
経営者、自分ブランドを構築するという「動き」が、いろんな場面
で見えてきているので。


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▼▼次号のテーマ▼▼  12/24配信

>>自分へのX'masプレゼント

今年1年を振り返り、
1ミリでも、前に進みましたか?
1グラムでも、資産が増えましたか?

もちろん進むとは「去年の自分」よりも成長すること。
資産とは、知識や人脈、経験などの見えない資産も含めてのこと。

そして、少しでも進んだ人、増えた人、
今日はX'masイブ、自分に何かプレゼントしましょう。
成長に対する自分ボーナスです。

成長している企業は、昨年よりも利益が増えた、資産が増えた、
仕事が増えた、社会貢献度が増えたーー。
そして、成長企業の経営者も社員にボーナスを与えます。

来週は、このようなことを述べ、今年最後の号としたいと思います。



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「自立成長型の人は、投資上手」  2003年12月10日 (第86号)


▼▼今週のテーマ▼▼ >>投資

自立成長型の人になるには、
常に、前進するための行動をしていく。
前進するには、お金や時間などの資産を使う、
つまり投資が必要だ。

今号は、ファイナンス理論の根幹、投資理論について、
もう少し詳しくお送りします。


▼反面教師君

流行最先端のレストラン。
割高だと思いながらも、行列をなしているのを見た反面教師君、
意中の彼女を、「素敵なお店に連れて行ってあげるよ。」と誘ってみた。

で、行った後、彼女からの感想は、
「マスコミで話題になる前に、入ったことあるわ。」
「でも、話題になってから質が落ちたわね。」
「だから、著名なレストランって、嫌なのよ。」

そして、割高のレストラン代を負担した反面君は、
成果がなかったどころか、
彼女からの評価を、落としてしまったようだ。

株価上昇中のA社。
反面教師君の友人は、昨年この株式に投資し、大きく儲けたらしい。
彼もそれに便乗とばかり、今日、投資してみた。

そして半年後。
A社株は、反面君が投資した時の株価の
半値に落ちてしまっていた。

この資格を取れば、一流の外資系で働けます。
そんなことでブームになっているB資格。
早速、反面教師君も取ることにした。

そして3年後、多大なる時間とお金をかけて
漸く取得した反面君、早速外資系を訪ねてみた。
すると面接官から「もう、この資格保持者の採用予定はありません。」

他社を訪ねてみても同様の回答。
結局、B資格の保有者が急増したことと、
B資格に関するビジネスが不況であることが重なって、
折角の資格保有も、何ら価値が無くなってしまったようだ。


▼投資と、自立成長型の仕事人

自立成長していくには、今日よりも明日、
貴方の価値、つまり「パーソナル・バリュー」を高めていくこと。
これは既に皆様がご理解されている基本コンセプトですね。

企業が、その価値を高めるためには、新しく店舗を開発したり、
儲かるビジネスにお金を出したり、
優れている人材を採用したり、
研究開発に時間を多く割いたりする。

これらには、お金や時間を使うことになります。
そしてこの、お金や時間を使うことを、
企業価値を高めるための「投資」と言います。

人がその価値を高めるのも全く同様。
何か新しいことにチャレンジする。
知識向上のために新しく勉強を始める。
人脈構築のために交流会に出る。
仕事を一生懸命やる。
本を買う、家を買う、資産運用する..。

これらには必ずお金や時間を使うこととなり、やはりそのことを、
自分価値(パーソナル・バリュー)を高めるための「投資」と言います。


▼成功する投資

株の素人が株式投資に手を出す。
もし何ら自己努力をしないで、ただ漠然と投資をすると、
少なくとも手数料分は確率的には損をします。

バブル期の不動産投資。
汗水流さずに資産が倍増、という夢に惑わされ、
多数の人々が大損しました。

努力や汗水無しにして、投資を成功させることは、
サイコロの目よりも偶然であり、成功確率は5割以下。
このような投資では、自立成長型の人にはなれません。

繰り返しですが、ここで言う投資とは、株式投資など、単なる
資産運用のための投資のみならず、
自分の時間や人脈など、保有している自分資産を使うこと、
全てを対象としています。

企業が行う投資にしろ、資産運用の投資にしろ、自分保有の
その他資産の投資にしろ、
では、どのようにすれば投資が成功するのでしょうか?

それは次の3つのキーワードです。
「人よりも知っている」
「価値を高める行動」
「新しい市場の形成」


▼人よりも知っている

冒頭の反面君。
マスコミで話題のレストランに意中の彼女を誘ってみたり、
既に上昇しきっている株式に投資してみたり、
ブームの真っ只中の資格取得に手をだしてみたり。

その全てに共通するのが「多くの人が知っている」ということです。
多くの人が既に知っている情報を持っているということは、
その情報自体には、あまり価値が無いということ。

価値があまり無いものに投資しても、
リターンを得られるはずがありませんね。
「世間常識」を知っているということでは役に立ちますが、
「投資のリターンを高める」ことには役に立ちません。

一方、ブームになる前に知っていた。
皆が注目する前に手を出していた。
誰も知らない情報を持っていた。
これには、多大なる価値があります。

このことを、「情報の非対象性」と言い、
投資を成功させるための大きな要因となるのです。

最近、隠れ家的なレストランが流行っていますね。
でも、実際に「ウワー、素敵なところ、知っているのね!」
って喜ばれるのは、本当の意味で隠れ家だった頃だけ。
今、連れて行っても、流行ってしまった限りは、
隠れ家ではありません。

株式投資で成功するのは、上場株式ではなく、未公開株式への投資。
いわゆる「ある特定の人だけが情報を抑える」ことが出来る。
これが未公開株式の特徴。
そして、ある特定の人は儲かり、上場してから投資した人は、
大雑把に言って、損得が五分五分。

弁理士という資格。
10年前は、名前すら聞いたこと無い人が多かったと思います。
でも現在、特許申請の多発により、どこもかしこも多忙で、
弁理士は引っ張りだこ。

他人より、少しでも多くの情報を持っている。
少しでも早く情報を入手する。
少しでも独自の情報を得る。

これが、自立成長型の人の、投資に成功する鉄則ー其の1です。


▼価値を高める行動

鉄則其の1「他人より、少しでも早く多く知っていること。」
これが無くても投資に成功することは可能です。

それが鉄則ーその2、「価値を高める行動」。
ベンチャー企業へ投資する人々を、ベンチャーキャピタルと言います。
成功するベンチャーキャピタルは、創業間もないベンチャー企業に対し、
何らかの付加価値を与えることが出来る。

付加価値を与えることが出来るから、投資したベンチャー企業は、
投資した時期よりも、価値が高まる。

ブームになっている資格だっていいのです。
もしその資格を取得したら、「取得した資格」という資産の価値を
高めることが自分で出来ると思えれば。

ゼニアやフェラガモなど、高級なスーツを購入した。
それだけでは「スーツの購入」という投資に対し、
その成否は五分五分。

もし、ゼニアの雰囲気にマッチしない行動や、
フェラガモの高級レベルに至らない、稚拙な資質や知見の人だと、
スーツ購入という投資は、そのリターンが少なく、失敗となるでしょう。

ところが、高級なスーツに見合うよう、自らの資質や雰囲気、
振る舞い方の質を高めようとする人。
これは、購入代金以上のリターンを得ることとなり、スーツ投資は成功。
いわゆる「高級スーツ」という資産の価値を高めることが出来たので。


▼新しい市場の形成

他人よりも早く多く得たような情報は持っていない。
価値を高めるような行動を取れる領域も無い。
それでも投資を成功させることは出来ます。
それが、投資を成功させる鉄則ー其の3 「新しい市場の形成」です。

昔ながらのオモチャ、オマケ商品。
これに精通している人って、「ネクラ」と呼ばれ、
どちらかと言うと、悪口の対象になっていました。

ところが「80年代ブーム」、「懐かしい商品」ということを背景に、
今では、多くの人から、プラスの注目を浴びています。

焼酎なんて、オッサンの飲み物だ、ってことで、
焼酎好きは、随分とバカにされたものです。
でも今は、焼酎ブーム、地酒焼酎が売れまくっています。

このように、その時点ではあまり価値が認められていないことでも、
新しい市場、ニーズを作り上げること。
これが、「新しい市場の形成」です。

情報を多く持っている、早く得たなんて関係無い。
投資した後に価値を高めることも、あまり考えていない。
でも、新しいニーズを開拓した。
これで投資は勝ちです。

もちろん、貴方が何かに投資(時間・お金)をし、
投資対象となった資産に対し、新しい市場を形成する。
そんなこと、なかなか出来ないですよね。

ここで言う新しい市場とは、別に広く世の中に対して
市場形成することばかりを言うのではありません。
貴方の周辺の人々に対してだけでいいのです。

例えば貴方は、根っからの電車好きだとする。
そして、電車の模型を買ったり、電車を見に行ったりと、
お金や時間という資源を投資する。

簡単に言えば、貴方の周辺の人々に、電車好きの人を少しでも多く
増やす。そうすれば、貴方が投資した電車に関する知識や保有物
という資産はその価値が高まります。
それが新しい市場形成であり、勝つ投資の鉄則です。


▼最後に

汗水流さないで、利益を得られるのは、偶然以外の何物でもありません。
もちろん汗水には、肉体的・頭脳的・精神的と、いろいろありますが。

地道な努力をした人は、デートでの成功確率も高いもの。
意中の彼女を誘う際に、事前にお店を見に行くなんてのはその一例。

投資とは、何かを得ることを目的に、お金や時間という貴重な資産を使うこと。
ならば、少しでも効果を高めたいというのは万人の思い。

そして、効果(成果・リターン・収益)を高めるには、
アグラをかいているだけではダメですね。

自立成長型の人になり、会社での評価、収入を増やしたいと思っている人。
成功する投資の3鉄則を常に頭に入れておいて下さい。


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▼▼次号のテーマ▼▼  12/17配信

>>投資の格言

投資には、いろんな格言があります。
例えば「人の行く裏に道あり花の山」

これら投資の格言は、自立成長型の人になるためにも
参考になるものです。
次週(12月17日)は、その辺のことをお送りします。




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「自立成長型の人になるには、時間価値を覚えておこう」  2003年12月3日 (第85号)


▼▼今週のテーマ▼▼ >>時間価値

自立成長型の人になるためのファイナンス理論。
その中で非常に重要なものが「時間価値」。

時間価値って、「時間は貴重だ」ってこと?
もちろんそれもありますが、
もう少しファイナンスっぽい理論が必要です。


▼反面教師君

「俺、資格を取るつもり。来年になったら勉強始めるよ。」
「交流会でスゴイ人と名刺交換が出来た。何かあったら利用しよう。」
「いいアイデア思いついた。何か機会があったら実行してみよう。」
「あの子と付き合いたいなー。次の飲み会の席で誘ってみよう。」
反面教師君は、いつも
”今やらないで、やることを先延ばし”する。

100万円のこの不動産、5年後には150万円に!
このセミナーを受講し、3年後には独立開業!
こんなパンフレットにすぐ目がくらんでしまう反面教師君。
”将来受け取るだろう表面的な利益”に、弱いようだ。


▼時間価値

自立成長型の人になるための「ファイナンス」
ファイナンスの基本は投資理論にありますが、
その中で最も重要なことの1つが「時間価値」です。

時間価値って?
例えば、銀行金利が10%だとします。
今日100円を預けると、来年には110円になっていますね。
ということは、今日の100円と来年の110円は、
同じ価値として考えること。

金額的には100円と110円で10円の差額があるのですが、
今年と来年という、1年間の「時間」にも価値があり、
この1年間の時間と10円の価値が、同じということ。
これが時間価値です。

「来年105円あげるのと、今年100円あげるの、どっちを選ぶ?」
という場合、どうしますか?

今年の100円は、金利10%だとすると、来年には110円になります。
よって、来年105円もらうよりも、今年100円もらったほうが得。
こういうことになります。

マイナス金利だとか、細かいことは無視すると、
少なくとも、現在の価値よりも将来の価値の方が、
絶対値が高くなっている。これが基本中の基本です。


▼自立成長型の人にとっての「時間価値」

この「時間価値」を、自立成長型の人なるため、
ということに当てはめてみましょう。

まずは言うまでもなく、自立成長型の人は、資産運用に関しても
必要最小限の知見は持ち合わせているもの。

株式投資だろうが銀行預金だろうが不動産だろうが、全ての投資、
あるいは資産運用には「時間価値」の理論を基本とします。
まあ、これら「資産運用」に関しては、たくさんの書籍が出ているので、
ここでは割愛します。

では、資産運用以外で、自立君になるために役立つ時間価値的概念とは、
どんなことがあるでしょうか。

それは、「お金などの資産以外にも、自分が持っている資産に、
時間価値的概念を取り入れること。」
これに尽きます。


▼例えば

冒頭に挙げた反面教師君。
「今やらないで、やることを先延ばし」では、
時間価値を考慮していない、資産の不稼動だらけの生活となります。

資格を取るつもりという意志。
これは貴重な「資産」です。
この資産は、今日から行動すれば、来年には時間価値分だけ
中身が濃くなっている(価値が高まっている)ことでしょう。
一方、行動を来年に先延ばしすれば、意志という資産は劣化するだけ。

交流会で名刺交換した大切な人脈。
これも貴重な資産ですので、今から行動を起こせば、
時間価値の分だけ、価値が高まります。

貴重な「新規のアイデア」という資産。
これも、早く使うほうが価値を高め易いです。

以上のこと、もちろん何でもかんでも即行動すべき、
と言っているのではありません。
諸般の事情があったり、じっくり検討すべきことがあったり。

ただここで述べたいのは、事情や検討は、それはそれで色々ありますが、
兎も角、お金以外のどんな資産にも、時間価値という概念があること、
これを頭に入れておくべきだということです。


▼現在価値

上述「時間価値」の計算式を逆算したものが現在価値となり、
これも投資理論の必須項目です。

つまり来年の110円は、今この時の価値としては100円であり、
それを来年110円の「現在価値」は100円という表現をします。

上述例では金利を10%としました。
これを次項で述べる割引率と呼びますが、
将来の価値(110円)の現在価値を求める算式は、
将来価値/(1+割引率)=現在価値 
→110円/(1+0.1)=100円。

年度が複数にわたる場合、それをn年間とすると、
現在価値=将来価値/(1+割引率)n乗となります。

「5年後、150万円になると予測されるこの不動産、
100万円で投資しませんか!1.5倍の値上がり、50万円の利益!」
というパンフレット。

割引率を10%とし、5年後の不動産価格を150万円としますと、
150万円/(1.1)5乗=93万円

つまり、この不動産は93円万以下なら投資してもメリットありますが、
93万円以上での販売価格となっていたら、そのパンフレットは
破り捨てて下さい。

人はとかく、表面的な数字に左右されやすいもの。
1.5倍とか、50万円とかに踊らされてはダメです。

「この資格で、将来独立できますよ。」というパンフレット。
資格にかかる費用も、資格取得に使う時間も「投資」です。
だから、独立した「将来」に得られるリターン(収益)を、
現在価値に計算し直し、他の「投資」と比較してみて下さい。
もちろん、数字で出せない場合もあるので、概念的で結構ですが。


▼割引率

割引率とは、上述例では金利10%のことであり、
将来の価値を現在に割引く際の、パーセンテージとなります。

そしてこの割引率は、投資の対象となる資産が持つリスクに
応じて決まってきます。

リスクとは、不確実性、危険度合いのことであり、
高いリスクを有する資産ほど割引率も高くなる。

例えば、公的保護がある郵便貯金の金利と、
倒産するかもしれないベンチャー企業への貸出し金利では、
郵貯の方がリスクも金利(=割引率)も低い。

郵貯の金利が2%、ベンチャー企業への金利が10%だとすると、
それぞれがその資産の割引率となり、
元本が返ってくる不確実性を反映している。

そして、来年110円の価値がある資産が郵貯の場合、
その現在価値は110円/1.02=107.8円、
ベンチャー企業の場合、110円/1.1=100円という計算になります。

仕事に役立つ資格が2種類あり、自立君はどちらかを取ることに
決めました。

1つめの資格は、もし取得すると、1,000万円が手に入る。
でも、資格が取得できない確率が20%もある。

もう1つの資格を取得すると、900万円にしかならない。
でも、資格取得できない確率は5%。

資格取得期間を1年とし、他の細かい条件は全く無視すると、
1,000万円/(1+0.2)=833万円
900万円/(1+0.05)=857万円

900万円しか手に入らない資格を選択すべきということになります。


▼ディスカウント・キャッシュ・フロー

以上、時間価値、現在価値、割引率などを全て勘案したものが、
ディスカウント・キャッシュ・フロー(DCF)といいます。

簡単に言うと、ある投資をすると、長期間に渡ってCash(リターン)を
得られる。
その場合に、将来にわたって得られるCashの全てを、現在価値に
ひき直し、全て合算した額、これがDCF法による「投資による価値」です。

資格の例を挙げましたが、1年目に資格試験代として100万円かかるとします。
2年目は、資格試験に専念するため収入ゼロ、
3年目に、その資格を使った仕事で500万円の収入となり、
4年目は、1,000万円に上がり、−−−−。

これらの支出と収入を、毎年分、現在価値に引きなおし合計する。
これが、この資格を取るという投資に対する、現在の価値の合計ですね。

自立成長型の人、その生活の多くに、DCF法が有効となります。
マイホームや自動車の購入、株式投資などの資産運用にDCFの計算
を行うと、どれを購入すべきか?そもそも購入すべきか否か?
の意思決定に大いに役立ちます。

例えば自動車の取得を、自己資金による購入 or リースで検討。
この損得比較には、リースで購入する際の毎年の支出を全て、
現在価値に割戻し、合計します(DCF法)。
この合計額と、今即金で購入する場合の金額を比較するのです。

時間という資産を使う(=投資)する場合。
これには、精密なDCFでの計算は出来ませんので、大まかに計算して下さい。

アイデア、人脈、知識など「見えない資産」を使う場合。
これらには、大まかな計算も難しいですが、概念だけは頭に入れて投資して
下さい。

以上、ファイナンス理論、その根幹となる投資理論。
何か難しそうですが、基本はシンプルです。
詳細は、巷の書店には必ずおいてある、現在価値、DCF、価値評価などが
タイトルにある本を、一度くらいは読んでみたらいいでしょう。


▼最後に

株式投資ならわかるけど、その他生活上のことを、投資理論に当てはめる。
そんなこと不可能だし、現実味が無いよ。
そう言われそうですね。

確かにその通り、不可能だし、現実味に欠けます。
でも、少なくとも概念だけは頭に入れて日々の行動をしたいですね。

よく「タイム・イズ・マネー」って言葉がありますが、
言葉だけでは、日々の行動に役立ちません。

あるいは、日々、色んな選択をしていますよね。
何を買うのか、どの職業を選ぶのか、誰とお付き合いするのか?
これら「選択」という意思決定に迷っている時。
そこに投資理論が入ると、意思決定のお役には立てるはずです。

彼女(彼氏)を選ぶのも投資理論?
まっさかー。
でも、その理論を構築できたとしたら、表彰ものですね。


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▼▼次号のテーマ▼▼  12/10配信

>>投資

自立成長型の人になるには、
常に、前進するための行動をしていく。
前進するには、お金や時間などの資産を使う、
つまり投資が必要だ。

次回(12月10日)は、ファイナンス理論の根幹、
投資理論について、もう少し詳しくお送りします。




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「自立成長型の人に必要な、ファイナンスの基礎」  2003年11月26日 (第84号)


▼▼今週のテーマ▼▼ >>ファイナンスの基礎

なんとなく、ファイナンスとは何か?
その概念だけでも理解した。

でも、概念だけでは何の役にも立たない。
今号は、ファイナンスの基本について、お送りします。


▼反面教師君

新居を探している反面教師君。
「一等地はそろそろ地価が下げ止まり、値上がりしている。」
という情報と、「頭金ゼロでマンション購入」というチラシに飛びつき
資金の99%を借金で、都心のマンションを購入。
尚、重い借金返済に苦慮している彼は、
マンションにいる時間も無いほど、会社帰りの副業を余儀なくされている。

資産運用が大好きな反面教師君。
銀行定期預金に500万円、株式投資に500万円、−−−。
一方、自動車ローンが多額に残っている上に、
財布にお金が無いと、すぐにカードローンでお金を引き出してしまう。

優柔不断な反面教師君。
新しいパソコンを買うことにした。
パソコン自体は好きでもないけど、少しでも安いもの、
それを探すために、1日かけて安売り店巡り。


▼お小遣い帳と、お金の計画

昨日、親からお小遣いをもらい、
今日、それで玩具を買い、
貯金箱には、少しだけお金が残っている。
これがお小遣い帳であり、今で言う「会計」です。

今、少しだけお金が残っていて、
今月末にバイト代が入ってくる予定で、
そのお金を頭金に、来月、新車を買うつもり。
これがお金の計画であり、今で言う「財務・ファイナンス」です。

よく、会計・経理と、財務・ファイナンス。
これがごっちゃまぜになっている人がいますが、大切なことなので、
自立成長型の人、まずは明確に分けて考えて下さい。

もう少し専門的に言うとこういうことです。

会計とは、ある規則に従って、企業の業務活動を数字で整理・表現し、
記録として取り纏め、債権者や株主などに報告し、
あるいは社内の管理に使っていくこと。
つまり、過去と現在という既成事実が対象です。

財務(ファイナンス)とは、業務活動に密接に関連する資金の流れを
管理することと同時に、どのようなモノに投資を行い、
どのように資金調達をするのかを判断し実行してくことを指す。
つまり、現在と未来というこれからのことが対象です。

もっと堅い言葉で財務(ファイナンス)を表現すると、
「投資の意思決定に関する理論的体系」となります。

また、財務(ファイナンス)の意義は、
「投資の意思決定が企業による資金調達政策、配当政策などの
財務活動のみならず、業務活動全般の方向性を決定づける。」
ということが根底にあります。

尚、財務とファイナンス、実際にやや言葉の意味が異なるのですが、
話を簡潔化するために、今後はファイナンスに統一します。


▼身近なことで言うと

ではもう少し判りやすく、自分人生の経営におけるファイナンスの役割
について述べてみます。

自分人生の経営活動では、
家賃や自動車関係の支払い、飲食物品等の購入、
株式などへの投資、資格勉強への支払い、結婚資金、
その他、いろんな場面で資金を必要とします。

対象が何であろうと、何かしらのメリットや目的のためにお金を払うの
であり、目的達成時には、見える資産(不動産や株式など)、
見えない資産(知識や友人関係など)などを手に入れるわけです。

そして、その、お金を払うことを全て「投資」と呼び、
必要な資金を調達(確保)することを「資金調達」と考えます。

すると、その投資は適切なのか? 他の投資と比較してどうか?
費用対効果はいかがなるものか?
など、投資の価値を検討し判断する「投資判断」と、
投資実行の際、そのお金をどうやって調達(確保)するのか、
それを短期中期長期に分け検討します。

これら投資と資金調達が、自分人生の経営におけるファイナンスです。
そしてファイナンスの究極の使命は、
貴方が経営している「自分人生」の企業価値を最大化すること。


▼もっと身近な例で言うと

例えば、新居を探している反面君は、
「値上がり期待」と「頭金ゼロ」に踊らされてマンション購入しました。
それは「マンションを買う」というファイナンス(投資判断)の、
1つの判断材料としてはいいのでしょう。

でも、買う目的が「投資」なのか「快適な住まい」なのか?
その目的次第で、「投資」の判断となる材料が異なってきます。

もし(金銭的な)投資目的なら、そのリターンを、他の投資商品
(株、債券etc)などと比較する必要があります。
また「頭金ゼロ」は魅力的ですが、それも含めて長期の収益率を
検討すべきです。

もし快適な住まいが目的なら、投資に対するリターン(見返り)に、
金額では表せない「快適な住まいにいる時間」を加えるべきです。

資産運用が大好きな反面君。
定期預金や株式投資をするのはいいのですが、
借金返済の金利を考えて、投資を行うべきですね。

少なくとも、借金の金利の方が定期預金金利よりも高いでしょう。
ならば、何よりも優先すべきことは、借金返済。
ましてや、カードローンに手を出すくらいなら、株式投資の資金すら
そちらに回すべきでしょう。

少しでも安いものを、ってことで安売り店を回った反面君。
もちろん100円でも安くパソコンを買うに越したことはありません。
でも、1日という「時間」を投資したことを、頭に入れるべきですね。
1日の時間価値を金額換算するのは難しいですが、
少なくとも相当の額を投資したことになります。


▼ファイナンスの理論

これら「自分人生経営に関するファイナンス」を、
的確に判断・実行していくために、必要最低限のファイナンス理論を
持ち合わせることが求められます。

例えば貴方が自動車を買う場合、ローンにするのか、自己資金にするのか。
ローン金利は固定か変動か。
リースと比較したらどうなるだろうか。
他の保有資産を売却して資金を得るほうがいいのか。
これらを判断していくには、必ずしやファイナンス理論が必要となります。

サラリーマンの場合、勤務先の株に投資するケースがあります。
でもこれって、勤務先が倒産したらどうなるでしょうか?
給料はもらえなくなるのに加え、投資した株は価値がゼロ化します。
こんなことにならないためにも、勤務先ではない企業の株に投資する。
この理論が「分散効果」です。

もちろん、自社株投資の優遇策があるとか、勤務することへの意欲を高める
そんな効果があることは、ここでは触れていませんが。


▼投資理論

自立成長型の人になるためのファイナンス理論。
その基本となるのが「投資理論」です。

投資。
当り前ですが、お金などを何かの資産に投じ、リターンを得るという行為。
株式投資、不動産投資が典型例ですね。
投資には必ずリターンとリスクがあるのも常識。

さてここからが本題です。
投資というと「お金」を投じる、とだけ考えがちですが、
それだけではありません。
時間、労働、知恵、人脈など「何か価値があるもの」を、
他の資産や行動に投じる。
ここまで含めたものが投資です。

一日の行動を思い浮かべて下さい。
大切な時間を何かに使っています。

いかに投資額(=使う時間)を減らし、リスク(=目的達成出来ない要因)を
減らし、リターン(=時間を使った目的)を高めるか。
人脈という資産を使って何か行動する。
まさに投資ですね。

人脈を使う場合。
「この人脈を使って、何かをしよう」という目的があります。
ところが、使い方を間違えると、大切な人脈を失ってしまうことがあり得ます。
人脈の基本は信頼ですから。

となると、失ってしまうかもしれない、でも非常に大切な資産である「人脈」
これを使うのも投資ですね。


▼最後に

株式投資ならわかるけど、その他生活上のことを、投資理論に当てはめる。
そんなこと不可能だし、現実味が無いよ。
そう言われそうですね。

確かにその通り、不可能だし、現実味に欠けます。
でも、少なくとも概念だけは頭に入れて日々の行動をしたいですね。

我々は、日々いろんな選択をしています。
毎日、数々の「意思決定」をしているはずです。

どっちを買うのか?
どの職業を選ぶのか?
誰とお付き合いするのか?

これら「選択」という意思決定に迷っている時。
そこに投資理論が入ると、意思決定のお役には立てるはずです。

彼女(彼氏)を選ぶのも投資理論?
まっさかー。
でも、その理論を構築できたとしたら、表彰ものですね。


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▼▼次号のテーマ▼▼  12/3配信

>>時間価値

自立成長型の人になるためのファイナンス理論
その中で非常に重要なものが「時間価値」

時間価値って、「時間は貴重だ」ってこと?
もちろんそれもありますが、
もう少しファイナンスっぽい理論が必要です。

次回(12月3日)は、非常に重要な理論である
「時間価値」について、お送りします。







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