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「自分人生の経営ハンドブック 要約編(最終号)」 2004年5月19日 (第107号)


▼▼今号のテーマ▼▼ >>ベーシック理論の読破、ありがとうございます

今日、このメルマガをご覧になっている読者の皆様、お疲れ様でした!!
「Private Brain」が送る、昨年4月からのシリーズ「
自分人生の経営ハンドブック」、今号が最終号。

自分の人生を、会社(企業)と見たて、
貴方自身が、「自分人生の経営者」となり、
どうしたら、優良な経営(ステキな自分人生)が出来るのか?

自立型のビジネス・ピープル、成長型の自分人生経営者になるには、
どうすればいいのか?

企業経営と同じ手法や理論で、そのためのベーシックな考え方を、
昨年4月からのシリーズにて配信してきました。

そして今もPrivate Brainの読者である貴方は、
間違い無く、自分人生の“優良な”経営者。
だって、こんな堅苦しいメルマガを読むだけの、自立型マインドを
持っているのだから。

では、自分人生の経営、ベーシック理論、要約編、最終号をお送りします。

Private Brain 上原貴志

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▼「自分価値」向上のためには

漠然と、単に走るだけのマラソンよりも、
「5km通過、10km通過」と把握しながらのマラソンの方が、
走っていて楽しいだろうし、早くゴールに到着することでしょう。

ダイエットしたいとか、ゴルフが上手くなりたい、モテたい、
仕事が出来るようになりたい、収入を増やしたい、、、
全て同じようなことが言えます。
そう、漠然と目標を立てるよりも、具体的に立てることと、
目標達成までの進捗・進歩を、具体的に把握できること。
これが、目標達成の確率を高める秘訣であり、
自立成長型の人になるための基本です。

企業も同じですね。
「売り上げを伸ばすぞ。」ではなく、「10%アップを目指せ。」の方がいい。
10%ってのも、1ヶ月後、半年後、1年後と期間を分けることと、
具体的な商品別に細分化するほうがいい。

人も企業も、「自立成長」している、しっかりと経営しているのは、
定量的に、しかも具体的に、自分の成長(過程)を把握しているものです。

成長過程や進み具合を把握するためには、
自分の現在を数値化するという「定量化」が必要です。

これは、自分というものを一つの企業に例え、
見える「自分資産」と、見えない「自分資産」に分類するのです。
見える自分資産も、現在手元にある資産と将来受け取るだろう資産に分類。

また、見える資産も見えない資産も、具体的項目に細分化します。
見える資産なら、預貯金、不動産、将来受取期待の給料などに。
見えない資産なら、知識・知見、人脈、自分ブランド、などに。
そしてこれらを数値化(定量化)するのです。

定量化することの目的は、前述した通り、
自分の成長度合いや目標への進捗(しんちょく)を把握するためです。
つまり、10年前と今日、1ヶ月前と今日という、時系列比較をするため。

そしてもう一つが、「どこに自分の資源(時間やお金など)を集中するか、
いわゆる「選択と集中」をするためでもあります。
詳しくは⇒ http://cso.fc2web.com/melmaga/0402.html#vol.97


▼自分って“安全”

優良企業ほど、「明日のCash」に多大なる注意を向け、
「自社の安全性分析」をしています。

成長している企業ほど、「成長の中身」に最大の関心を払い、
「自社の成長性分析」をしています。

そして優良な企業ほど、「自社の姿」を多面的に把握しており、
「自社の財務分析」をしています。

自立成長型の人、自分人生の経営者も同様。
自分を「会社」と見たてて、
明日のCash、自社の成長、自分の財務分析を行っています。

「自分の財務分析」とは、主に次の3つです。
1つ目は、株を買うなどの「お金の投資」や、働くなどの「時間の投資」、
いわゆる「投資に関しての分析」です。

2つ目は、借金が払えず自分倒産となるのを避けたり、
時間が足りなくて、やりたいことが出来なくなることを避けるために行う
いわゆる「安全性分析」です。

3つ目は、自分がどのくらい成長したのかの内容や速度を分析する、
いわゆる「成長分析」です。

詳しくは⇒ http://cso.fc2web.com/melmaga/0402.html#vol.98


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▼▽▼▽ 新シリーズのご紹介 ▼▽▼▽

以上、如何でしたでしょうか?
自分人生の経営、そのベーシック理論。
自立成長型の人になるための基本動作。

さて、次週から、新シリーズとなります。
お楽しみに!!

「どんな内容?」
それは次週に解説致しますが、
久しぶりに、ご好評を頂いていた「反面教師君」の復活です。

自分人生の経営、ベーシック理論を読破された方なら理解出来る、
「反面教師君のここがイケてない。」ってのを、
反面君の一日の生活を通じて、お送りします。

ではでは、

Private Brain 上原貴志




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「自分人生の経営ハンドブック 要約編(8)」 2004年5月12日 (第106号)



▼▼今号のテーマ▼▼ >> 自分の価値って?

自分人生の経営、その投資で気をつけること。
投資のリスク・リターン。
自分という「商品」の価値算定。

要約編(8)の今号は、そんなお話です。


▼投資で気をつけること

自分という商品の価値を高めるために、
お金や時間など、限られた自分資産を、何かに投じる。
この「投資」という行為において、頭に入れておきたいことがあります。

一つ目は「分散効果」。
例えば、自分が勤務する会社の株を買い続けていたが、その会社は倒産。
給料がもらえなくなったのと同時に、投資した株も紙くず。

こんなことを避けるのが分散効果です。

生卵を1つの籠に入れて運ぶと、籠を落とした際、卵は全滅だが、
複数の籠に入れて運べば、全滅を避けられます。
このように、生卵を分散させて運ぶことにより、
全体のリスクを軽減させる手法を分散効果と言います。

分散効果は、いろんなケースに当てはまります。
例えば仕事の配分。

仕事に使える資金や時間、労力には限りがあります。
それを、2つの大きなプロジェクトのみに使うのではなく、
大きなプロジェクトは1つ、あとは小さなプロジェクトを10個。

このように配分することにより、仕事への分散効果が計れます。
プロジェクトの失敗確率は、大きくても小さくても大差は無いでしょう。
ならば、2戦2敗では全滅してしまう前者よりも、
後者の方が、いくばくかでもプロジェクトが成功する可能性があります。

投資で頭に入れておくべきことは、この分散効果以外に、
「リスクの相関」、「機会費用」、「埋没費用」などがあります。
これらについて、詳しくは下記をご覧になって下さい。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0312.html#vol.93


▼投資のリスクとリターン

自分価値を高めるための投資にも、リスクとリターンがあります。
だから、当然ながら、リターン(何かを得ること)のみならず、
リスク(何かを失う危険性)を考慮して、
時間やお金、知識、人脈などの資産を投資すべきですね。

例えば「時間」という資産を投資する。
その際、単に「効率的に時間を使う」というのが、
あたかも投資としては適しているように見えますが、
一概にそうとも言えません。

逆に、「時間の効率化」は、かえって「自分時間という資産を減らす」
場合があるのです。

知恵や知見などの「知」という資産の価値を高めるための投資も同様。
単に知識の詰め込みでは、かえって無駄な投資になりがち。

このように、投資する際には、一見、その成果物であるリターン(得るもの)
だけに目が行きがちですが、
あくまで、リスク(失う危険性)も考慮することが大切ですね。
詳しくは⇒ http://cso.fc2web.com/melmaga/0402.html#vol.94


▼自分の値段って「いくら?」

企業は、今日よりも明日、成長していることを目指し経営されています。
自立成長型の人も同じ。
「自分人生」という「会社」が、今日よりも明日、成長していることを目指し、
自分人生を経営。

では、どれくらい成長しているかを計ることって可能なのだろうか?
企業なら一目瞭然ですね。

貸借対照表(B/S)の左側、資産の合計額から、
右側の負債の合計額を差し引いた「資本の合計額」を、
「企業の正味の価値、真の価値」である「自己資本」と言います。
そして、企業の成長を計るには、自己資本がどれくらい増えたかで分かります。

同じことが、自分という会社(あるいは商品)にも当てはめることが出来ます。
つまり、自分価値=自分資産ー自分負債

自分資産には、出来れば将来受け取る金額も含め、
自分負債にも、将来の支払い額を含めます。

そして、いかに「今、手元にある資産」よりも、
「これから得るだろう資産」の価値が、自分資産に占める割合が高いかが、
判明するはずです。
詳しくは⇒ http://cso.fc2web.com/melmaga/0402.html#vol.95


▼見えない資産の計算

自分価値を算出するのは、自分資産ー自分負債
だが、自分資産を金銭的に算出するのは難しい。
なぜなら、知識、人脈、経験、自分ブランドなど、いわゆる
「見えない資産」が、自分資産(価値)の大半を占めるからです。

しかし、自分の価値向上、成長を把握するためにも、
なんとかして、見えない資産を定量化したいもの。

では、どうやって、見えない資産を定量化するのか。
それは、昨日の自分の姿を100と置くことから始まります。
ここには「円」とか「kg」など、単位はありません。

そして明日以降、100という自分価値、自分資産の量が、
どれだけ増えているのか、成長しているのか、
その推移を定期的に見ていくことが、
「自立成長」をするためのやり方となります。

なぜ、「自分の昨日の姿を100」とするのか?
一つ目は、昨日までの自分を後悔しても意味無しだからです。

「もっとこうやっていれば」とか、「あそこで失敗しなければ」
なんてことは、失敗を成功に活かすという意味では良いことですが、
自分価値という観点からは、無意味。

だから、現状の姿である「昨日の自分」を100とすることから始めます。
この辺は、先日お送りした「埋没費用」を参考にして下さい。

次に、「他人と比較する」よりも、「自分の過去と比較する」ことが、
自立成長型の人になるためのポイントです。

あくまで比較対照は、他人ではなく「昨日の自分」
よって、100という数値には、単位が必要ありません。

尚、見えない自分資産の定量化の方法、詳しくは
⇒ http://cso.fc2web.com/melmaga/0402.html#vol.96
をご覧になって下さい。

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▼▼上原貴志の「編集後記」▼▼

ゴールデンウィーク(GW)、いかがお過ごしになりましたか?

私はいつも、GW中の旅行は避けるようにしています。
だって、値段は普段の倍以上で、混雑も倍以上
倍x倍=数倍以上。

つまり、「投資のリターン」からすれば、普段の数分の1ってこと。
当然、そんな投資は避けたいですね。

「ならば、いつ旅行に行くのか?」
ん!そう反論されると辛いところがあります。

結局、「投資リターンが高い時期に旅行しよう。」
って思っていて、あっという間に1年が経過。
結局、大した旅行も出来ずじまいってこと、度々ありました。

そんな私は、大した旅行も出来ない「成長していない人」
なのかもしれませんね。


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▼▼次号のテーマ▼▼ >>ホントのホント、要約編の最後

要約編、次号は(9)
ようやく、これで終わりです。
そう、自分人生の経営、そのベーシック理論。
次号5月19日、ホントのホント、最終です。




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「自分人生の経営ハンドブック 要約編(7)」  2004年4月28日 (第105号)



▼▼今号のテーマ▼▼>> 投資、そしてその格言

お金、時間など、自分が持っている資産・資源は限られている。
そしてそれらお金や時間を何らかに使う。

これはまさに「自分資産の投資」です。
今号は、「投資」についての要約。


▼投資

人気の「とある資格」を取得すると転職に有利だ。
そんなブームに乗って、多額のお金と時間を投じたものの、
取得時には、有資格者が多くなっていて、転職には役に立たなかった。
これは、「自分資産の投資」の失敗ですね。

「今日よりも明日、自分の価値(パーソナル・バリュー)を高めていく」
こういう自立成長型であることが、自分人生の経営者としての基本。

そして、会社がその価値を高めるために色々と投資をするのと同様に、
自分人生という会社も、自分価値を高めるために色々投資をする。

尚 投資とは、自分のお金のみならず、時間、知識、人脈など
現在持っている「自分の資産」を何かに投じることです。

そして成功する投資とは、「人よりも知っていること」と、
「自分の価値を高める行動」に投資することで、
決して「ブームだから、他人が成功したから」を理由に
投資しないことです。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0312.html#vol.86


▼自分人生経営に役立つ「投資の格言」

以上が自分人生経営における投資の基本ですが、
もう少し具体化させるために、「投資の格言」をご紹介します。

『人の行く、裏に道あり、花の山』

多くの人が行かない裏道に意外な花見の場所がある、という意味。

人気があること(もの)に、貴重な時間やお金を投じても、
それは他の人も同じで、差別化にはならない。
あるいは、人気のためバブってしまい、あとで価値急落もありえる。

一方、裏の道は花が踏み荒らされていない可能性も高く、
価値急落というリスクも少なく、差別化も出来るということです。


『天井売らず、底買わず。』

もっと高くなるだろうと躊躇していたら、売れなくなってしまった。
もっと安くなってからと二の足を踏んでいたら、買えなくなってしまった。
つまり、思い切りが悪いことへの戒めの意味です。

最高を求めるまで妥協しないというのもいいですが、
あるレベルで踏ん切りを付けていきたいものですね。


『市場にいる必要はない。』

目先の利益に目がくらみ、短期的な売買を繰り返す株式投資よりも、
景気や企業分析による数ヵ月後、数年後を読んで投資することを、
薦めた投資格言です。

成果主義の時代、どうしても目先の短期利益・成果を追い求めがち。
でも、やはり最終的に「勝つ」のは、長期的視点を持った人ですね。


『卵は、1つのカゴに盛るな。』

卵を1つの容器に入れて落としてしまうと、全て割れてダメになる。
よって、いくつかの容器に分散させて盛るように、という格言です。

選択と集中の時代ですから、時間やお金などの「自分資産」を、
一つの籠に入れることが、いかにも良いことだと思われがち。
でも、あまり集中し過ぎると、全てパーになるというリスクがありますね。
詳しくは⇒ http://cso.fc2web.com/melmaga/0312.html#vol.87


『実体の伴わない相場は長続きしない。』

実体・実力が伴っていないと伴わないと、いつしか化けの皮がはがれる。
過大にアピールしても、いつしかボロが出てしまう、という意味です。

入社試験。
面接のハウツー本を読み、自分の実体を飾ることも少しは必要でしょう。
でも、多くの面接官は「これはハウツー本から引用したな」ってわかるもの。
無理して着飾るよりも、自分の実態・実力をストレートにぶつけてみること、
これも大切だということですね。


『遠くて知らないものには手を出すな。』

知らない銘柄より、身近で馴染みのある銘柄に投資しなさいという教えです。
例えば、同じリスクとリターンの投資商品でも、ブラジルの債券よりは、
地元の自治体が発行している債券に投資する。

自分人生でも同じ。
誰かがやっているから、自分はよくわかんなくても手を出してしまう。
これは、色んな意味で失敗する確率が高いですね。


『知ったらおしまい』

最新の情報だと思っても、それが雑誌やTVなどパブリックに出たら、
その瞬間に情報価値は急減するという意味です。
つまり、パブリックで仕入れた情報を信じ込んで行動したり、
知ったかぶると、痛い目にあいますよ、ということ。

グルメ雑誌で褒めちぎっていたお店、知ったかぶって彼女を案内。
ところがそこは、急激に流行ったので店の質が低下し、
「嫌なお店ね」って彼女からは悪評。
そんなことにならないようにしたいですね。
詳しくは⇒ http://cso.fc2web.com/melmaga/0312.html#vol.90


『歌を忘れたカナリヤは、裏の山に捨てられる。』

歌を忘れたカナリヤは、裏のお山に捨てられ、
本業を忘れた企業は、投資家に捨てられるという格言です。

ともかく自分の得意分野、本業に徹するべきであり、
そこから外れることにあまり浮かれないようにってことですね。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0312.html#vol.91


『最初の損は、最良の損』

何事も、最初に損(あるいは失敗)するのがいい。
もし、最初から得をしたり、勝ったり、成功したりすると、
人間どうしても「自分ってすごい腕の持ち主だ」って思ってしまうもの。

同じような意味で、こんな格言もあります。
「負けた相場を知っている者こそ価値がある。
なぜなら、次回はそれを教訓とするから」


『知って行わざるは、知らざると同じ』

相場が上がるか下がるかの見通しを、仮に予測できたとしても、
実際に売買しなければ意味が無い、という格言です。

他人の成功を見て、「俺だって、やれば出来るのに」って言う人が多い。
でも、結局は「やっていない」のだから、言っても意味無しです。


『百冊の理論書は、1回の売買にしかず』

多くの相場理論書を読んでも、それは1回の売買経験には及ばない。
つまり、理論や手法などは机上の空論、バーチャルであり、
実践を使って体得することが、何よりも大切ってことですね。

仕事、恋愛、趣味、スポーツなど至るところに「ハウツー」本が氾濫。
もちろん読む価値のあるハウツー本もありますが、
結局は、自分でやってみることが一番ということ。
詳しくは⇒ http://cso.fc2web.com/melmaga/0312.html#vol.92

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▼▼上原貴志の「編集後記」▼▼

何度か、入社試験の試験官をやったことあります。
学生の方々は皆、一生懸命ですばらしいのですが、
「これはハウツー本を真似ているな」とか、
「これって、随分と着飾っているな」
ってこと、不思議にわかってしまうものです。

逆に、「自分をさらけ出している」、「うそ偽りがない」
ってのもなんとなくわかるもの。

これは決して私だけではなく、周りの同僚も同じことを言ってます。
(もちろん、私や同僚が誤解しているケースもあるのでしょうが)

で、顧みて、私が学生の頃、どうしていたのか?
間違いなく、面接ハウツー本を読んでいました。
かなり実力以上のことを面接で申した記憶があります。

エラソーに言っている私も、同じことをやっていたのですね。

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▼▼次号のテーマ▼▼ >> 要約編の最終編

自分の価値算定。
自分人生という会社の「会計」。

次号は、要約編の最終、自分人生経営の最終編です。
尚、来週はGWのためお休みとし、
配信は5月12日(水)となります。




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「自分人生の経営ハンドブック 要約編(6)」  2004年4月21日 (第104号)



▼▼今号のテーマ▼▼ >>ファイナンス

自分の人生を一つの会社に見立てて、貴方はそこの社長。
これが自分人生の経営者のことですね。

そして会社の経営者なら、会社の財務諸表、ファイナンスなどについて、
ある程度の知識は持っておきたいもの。

今号「要約編」は、自分人生のファイナンスについて。


▼自分人生経営におけるファイナンスって?

高利回りのわけのわからない投資商品にホイホイ乗ってしまう。
パチンコ代のために、ローン残高がドンドン増えている。
安物買いの銭失いで、買った激安商品は直ぐにゴミ箱行き。
女を口説くために高級レストラン、でもいつも結果は”オジャン”。

「自分人生のファイナンス」を理解すると、
これらを避けることが出来ます。
ファイナンスとは、資産形成のことだけではなく、
自分人生を経営していく上で、幅広く有効な理論・手法です。

高利回りという「利益(リターン)」を得るには、
必ずリスクがあります。
まずはこう考えるのが基本中の基本。
拝金主義になり過ぎるのはあまりお薦めしませんが、
人生の経営経営者として最低限、金の管理はしたいものですね。
詳しくは⇒ http://cso.fc2web.com/melmaga/0309.html#vol.83


▼ファイナンスの基礎

お小遣いで玩具を買い、貯金箱には少しだけお金が残っている。
これがお小遣い帳であり、いわゆる「会計」です。

来月入るバイト代を頭金に、新車を買うつもり。
これがお金の計画であり、いわゆる「財務・ファイナンス」です。

家賃や自動車関係の支払い、飲食物品等の購入、株式投資、
資格取得代金、結婚資金、その他いろんな場面で資金を必要とします。
何かの目的のためにお金を払い、見える資産(不動産や株式など)や
見えない資産(知識や友人関係など)などを手に入れる。

このお金を払うことを全て「投資」と呼び、
必要な資金を調達(確保)することを「資金調達」と考えます。

すると、その投資は適切なのか? 費用対効果はいかがなるものか?
など、投資の価値を検討し判断する「投資判断」と、
投資実行の際、そのお金をどうやって調達(確保)するのか?
これら投資と資金調達が、自分人生の経営におけるファイナンス。

そしてファイナンスの究極の使命は、
貴方が経営している「自分人生」の価値を最大化すること。
詳しくは⇒ http://cso.fc2web.com/melmaga/0312.html#vol.84


▼時間価値

「来年になったら資格取得のための勉強を始めよう」
という先延ばしの人。
「将来儲かりそうだから投資しよう」
という将来利益に目がくらむ人。
ファイナンスの根底にある「時間価値」を理解したほうがいいでしょう。

時間価値とは、簡単に言うと、
「来年の100円よりも、今日の100円の方が価値が高い。」
「来年の1時間よりも、今日の1時間の方が価値が高い。」
ということです。

例えば今日100円を、金利1%で預けると、来年101円になります。
逆に、来年の100円は今日の99円。

同じことが、1時間、1ヶ月という時間についても言えます。
お金などの資産以外にも、自分が持っている資産に、
時間価値的概念を取り入れたいものですね。

時間価値を取り入れる上で忘れてはならないのが「割引率」。
割引率とは、リスクの高さ(多さ)のこと。

例えば、銀行預金は1%で、ベンチャーへの株式投資は20%。
預金は余程のことが無い限りは、元本返還されるので、1%の金利でOK。
ベンチャー投資は、紙くずとなるリスクも高いので、
20%のリターンは欲しい。

この1%、20%が割引率のことで、お金や時間などを「投資」する際、
必ず押えておきましょう。
詳しくは⇒ http://cso.fc2web.com/melmaga/0312.html#vol.85

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▼▼上原貴志の「編集後記」▼▼

決断の先延ばし。
今でも私は、自分の優柔不断さに嫌気がさすことがあります。

時間価値概念で言う「今の1時間、1ヶ月、1年」という価値は、
数年後には、何倍の価値にもなっている。
それがわかっていて、決断できない弱さ、私にもあるのですね。

もちろん、熟慮、熟考、多面的に考えるなどは重要だし、やるべきこと。
さもないと、何でも有りの危ない人、リスク一杯の人生経営になる。

でも、「やらないことの後悔」、「先延ばしすることのリスク」
これを最近考えるようになりました。
確かに、「やらないことには何も生まれない。」ですしね。

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▼▼次号のテーマ▼▼>> 投資、そしてその格言

お金、時間など、自分が持っている資産・資源は限られている。
そしてそれらお金や時間を何らかに使う。

これはまさに「自分資産の投資」です。
次号4月28日は、「投資」についての要約。
投資の格言もあるので、お楽しみに。




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「自分人生の経営ハンドブック 要約編(5)」  2004年4月14日 (第103号)



▼▼今号のテーマ▼▼ >>自分商品、自分ブランド

自分人生の経営におけるコアが、「自分商品」及び「自分ブランド」。
自分商品とは、貴方自身を商品に見立ててみることから始まります。
自分ブランドとは、貴方自身をブランド化していくことです。


▼自分という商品

仕事の対価として給料をもらう。
これは、営業や経理などの機能、つまり貴方の「自分商品」を、
会社に提供したことの見返りですね。

恋人が貴方と過ごしてくれる時間(デート)。
これは、貴方の優しさ、楽しさ、安心感など、つまり「自分の魅力」を、
彼女(彼氏)が買ってくれているのですね。

全てこのように割切る必要はありませんが、
他人のお金、時間、労力などの「他人の資産」をもらうのは、
それに見合う「自分商品」に価値があるからです。

逆に申せば、「自分商品」の価値は自分だけで決めれるものではない。
あくまで、自分商品にお金や時間を投じる他人によって決まるもの。
つまり価値とは、「自分本位」ではなく「相手本位」で決まるということ。

その前提に立つと、
「こんなに働いているのだから、もっと給料をよこせ。」とか、
「あれだけ尽くしたのだから、結婚してくれてもいいのに。」
なんて、不満タラタラの人は、考え方を変えたほうがいいでしょう。

「こんなに働いている」、「あれだけ尽くした」ってのはあくまで自分本位。
他人(相手)からすれば、その成果に見合った給料を支払うだけだし、
その中身が気に入った場合だけ結婚に承諾するのだし。

鮮度の落ちた魚ばっかを売っている魚屋が
「一生懸命セールスしているのに、誰も買ってくれない。」
って嘆いても、皆さんも買い物はしないでしょう。

「自分という商品」の中身を把握し(自己認識)、
「自分という商品」の価値の向上に努め(自己向上)、
それを相手に伝えていく(コミュニケーション)。
それが、必要とされる基本動作です。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0309.html#vol.77


▼自分ブランド

「ブランド」と言えば、エルメスやゼニアなどの高級ファッションや、
リッツカールトンのような5つ星ホテルを思い浮かべますが、
「安い家電が揃っている。」というヨドバシカメラも、
「全て100円で買える。」というダイソーも、立派な「ブランド」です。

そして、お店やファッションなどのブランドと同様に、
人にもブランドというものがあります。

「○○さんって、博学で知的だよね。」
と、周りの人々が、その人の特徴を端的に直ぐに頭に浮かべられる。
この場合、○○さんは”ブランド人”だと言えます。

「パソコンのトラブルに付いては、XX君に聞こう。」
と、ある特定の事柄に関して、しょっちゅう名前が挙がる。
この場合、「パソコンのトラブル解消」が、XX君のブランド。

自分人生を経営する上で非常に重要なのが、この「自分というブランド」
そこで、ブランドについて少しばかり解説してみましょう。

商品などのブランドとは、消費者である顧客に対して、
特定の特徴やベネフィット(顧客にとっての利益)、サービスを
継続して提供するという、売り手側(商品の提供者)の約束の印です。

競合相手の商品(サービス)と区別させ、より良い認識をさせるための
名称、言葉、シンボル、デザインの組み合わせとも言えます。

同様に、ブランド人は周辺の人々である顧客に、特徴やベネフィットを
継続的に提供することを約し、またそのための努力を惜しみません。

だから、「博学で知的だ。」っていうのがブランドのブランド君は、
その向上に必死で、電車で漫画なんか読んでいる暇はありません。

「あの人はお洒落。」と言わせるのがブランドのブランド君は、
他人より20分早く起きて、その日のスーツやタイ、シャツを選びます。

「彼は、めったに病気で休んだりしない。」というブランド君は、
健康維持のために、陰では、積み重ねの努力を継続しています。
毎晩、飲んだくれて、帰りにラーメンっていう誘惑に負けずに。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0309.html#vol.78


▼ブランドの意義

安くしても売れ残ってしまうリンゴは、更に安くする以外には道は無い。
一方、ブランド力のある「青森産の○○リンゴ」は、多少高くても完売。
これがブランドの意義・効果であり、一言で言うと「差別化」のこと。

これは人にも当てはまります。
合コンで、一生懸命自分を売り込み、よくしゃべり、芸も達者。
女性から携帯番号を教えてもらったら、マメな電話魔と化す。

でも、女性に「あのヒト誰だっけ。」って識別されずに、
電話やメールの返信も無いまま、終わってしまう。
これは前述した安売り以外の道が無いリンゴと同じ。

会議でも、取引先との関係でも同様。
出来る限り、安売りリンゴではなく、差別化リンゴになりたいですね。

ただ、「高いリンゴ=ブランド品」、「カッコいい男=ブランド人」
というわけではありません。
4個300円のリンゴでも、ブランド・リンゴにはなりえます。
顔や頭が見劣りしても、ブランド人になりえます。

そこで、ブランド人になるために知っておきたいブランドの機能について
三つばかしお話しします。

ブランド機能の一つ目は「識別機能」。
リンゴでもパソコンでも消費者は「買って損した」とは思いたくないもの。
しかしリンゴもパソコンも、あまりにも種類が多くて選択出来ない。

その際、「青森産の○○リンゴだから」とか、「IBMのThinkPadだから」
っていうことで、ブランドを目印に商品を識別すれば、
選択する手間が大きく省け、買って損したという後悔の回避にも繋がります。

同様にブランド人は、「あの人は、信頼がおけるから心配無いよ」
という「識別機能」が、周辺の人々にあるのですね。

ブランド機能の二つ目は「固定化機能」。
ブランドを一度認識し、その価値を認めたお客さんは長期にわたり、
そのブランド商品を購入。
これをブランド・ロイヤルティーと言います。
そうなると企業側は、無理な売込み(安売り)が不必要となります。

同じようにブランド人には、固定ファンがたくさんいる。
自分からアピールしなくても、彼(彼女)の業績は誰もが認知している。
だから、どんどん高いレベルの仕事が舞い込んでくるのです。

このような感じでブランドの機能を理解している企業や人は、
「見えないけど、最も重要な資産・価値」としてブランドを位置づけています。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0309.html#vol.79


▼ファッション

商品を、CMやカタログなどで宣伝広告し、パッケージに入れ、
お客さんの目を引くような販売をし、売れたらキレイな包装紙でラッピング。
これらは、企業経営で行われているマーケティングの一環。

同じように「自分商品」にも、広告やラッピングなどを行っていくのですが、
その1つがここで述べる「ファッション」です。

そこで1つお尋ねします。
「カッコいい服を着ていますか?」
「ファッションに気を使っていますか?」
但しカッコいいとは、高い服とか先端の流行を指しているわけではない。
気を使っているとは、お洒落をしまくることを言っているのでもない。

ではどんなこと?
それを理解するために、自分商品のマーケティングの一環である
ファッションについて、まずは三つばかしお話してみます。

一つ目は「ブランド品の乱発者」になることだけは避けましょう。

頭のテッペンから足の先まで、名のある高級ブランドで身をまとう。
しかも、ポリシーが感じられない組み合わせ。
更に、自分の現在置かれている知見や地位とはかけ離れた高級さ。
これって、最悪ですよね。

逆に、消防士の制服、油まみれの自動車工のつなぎ服、職人服、
これらはとっても素敵でカッコいいと思いませんか?

二つ目、「個性の無いファッション」も避けたいですね。
黒系の三つボタン・スーツに濃紺のタイを太めの結び目で付けている。
少々のロンゲかディップで固めたショートに、そして幾ばくかの髭。
なんとも個性の無いことったら、ありゃしない。

合コンで、右から左まで、参加者全員が同じスタイル、同じファッションで、
気が狂いそうなくらいに笑ってしまった女の子がいたそうです。
だって、三面鏡を開いて見ているみたいだって。

三つ目、「一点台無し組合せ」にならないよう気を使いたいですね。
つまり、ステキなファッションも、ある一点で全体が台無しってこと。

例えば、上から下までビシっとスーツで決めたのに、靴下が白。
ステキなパンツなのに、ベルトが長すぎて一周半しているとか。
完璧なVゾーンなのに、Yシャツのエリ元から下着のシャツが見えてる。

完璧な組合せなのに、ここ一点でボロが出てしまう。
全体が台無しになってしまう、なんとも勿体無いですね。

こんな感じでファッションに気を使うのが、自分商品のマーケティング
ですが、男性読者の中には「オトコは服装なんかではなく中身だ」
と反論される方々もいるでしょう。
でも、それは単なる逃げ口上。

ファッションとは「制服」です。
ファッションとは「自分を表すもの」です。
ファッションとは「自分を効果的にPRする武器」です。

だからこそ、もっともっと、ファッションに気を使うべきでしょう。
そう、お金では無く、気を使うのです。

「そうは言っても、ファッションって難しいよ、センス無いし」
って方のために、次の三つのやり方をお薦め致します。

一つ目は、靴とかネクタイとか、どれか1つのアイテムでお気に入りの
ブランドを定め、それを中心に他のアイテムを組み合わせていく方法。
例えばカバンが茶色のコーチという人は、それに合わせて時計を、
その時計に合わせてスーツを... 
って感じで、1つのアイテムを中心に他のアイテムに広げていくのです。

二つ目は、ベーシックなスタイルを決めること。
アメリカン・トラッド系、クラシコイタリア系、モード系。
なんでもいいですが、1つのスタイルを定めると、後は楽になります。

三つ目は、自分のロール・モデル(目指したいモデル)を決めること。
ロール・モデルは、芸能人でも著名人でも同僚でも、誰でも結構。
「あ、あんなファッションがいいな。」、
「あの人のようになりたいな。」と思う人、ファッションのことです。

このように、自分商品のマーケティングの一環として、
ファッションに気を使っていくうえでひとつ重要なのが、
自分ブランドを作り上げることです。

ファッションという視点でいうブランド人とは、
「あの人はいつもこんなようなファッションをしている」
「あの格好を見れば、あの人を思い出す。」
という、自分の代替をしてくれるようなファッションを持つこと。

以上、ファションについて述べてきましたが、1つ重要なことを
忘れていました。
それは、「自分という商品の中身と、身につけているファッション」
に整合性、統一性を持たせること。
自分のライフスタイルやポリシーと、自分のファッションが同一であること。

商品の中身と包装紙(ファッション)が異ならないようにしたいもの。
中身が100円ショップ商品なのに、ヴィトンの包装紙でラッピングしても、
直ぐにボロが出るのと同じ。
100円ショップ商品にも、ヴィトンにも、それにふさわしいラッピング。
当り前の話ですね。
それを「自分という商品」のラッピングにも当てはめることです。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0309.html#vol.80


▼コミュニケーション

自分商品マーケティングで忘れてはならないのが「コミュニケーション」。
つまり、自分という商品、あるいはその魅力を、意中の女性、今の恋人、
家族、仕事仲間、取引先、上司、友人など第三者に伝えること。

どんなに良い商品でも、消費者にその中身が伝わらない限りは売れない。
優れた提案書も、どんな口説き文句も、相手に伝わらなければ意味無し。

そこで、効果的に自分のメッセージを周辺の人々に伝えるにはどうしたら
いいのかを検討し実践していくことが求められます。
まず、貴方という商品を、周囲の人々が「買う」に至るまでの
プロセス(購買プロセス)を把握してみましょう。

自動車を購入するケースを思い浮かべて下さい。
購入するには、その車がどんなものか、性能やスタイル、価格などを理解し、
その車が好きになり、購入する候補の1つとなり、購入することを決定し、
購入を実行。

人は商品では無いですが、あくまで例えとして、
貴方を、第三者である女性(男性)が恋人として選択する場合も、
実際には同じようなプロセスがあるかもしれません。

まず、貴方という人間を理解し、貴方のことが好きになり、
恋人候補としてノミネートされ、恋人になるという意思が固まり、
恋人となる。

同じように、仕事上で上司に出した貴方の提案書。
上司は、貴方の提案書内容を理解し、その提案内容が気に入り、
新規ビジネスの候補として取り上げられ、新規ビジネスに決定され、
実行。

貴方が自分商品を伝えたい相手が、現在この中のどのプロセス段階にいる
かを把握した上で、最適なコミュニケーション手段を実行していきたいもの。

そのためには、次のような流れでメッセージを伝えていく。
まず、相手に対して注意を促し、次に興味を持たせ、
そして欲求を喚起し、最後に動機付けを行っていく。

注意を促すとは、「おーい、ここに”私という商品”があるよ」って、
相手に気付かせることです。
それも「売り込み型」ではなく、「相手から来させる型」で。

次に、興味を持たせるためには、
相手がいつも、どんなことに関心を持っているか?
そこに絞ったコミュニケーションをとることです。

人は、基本的には興味のあることにのみ、きちんと聞いて、
頭にインプットする。興味の無いことは、耳を貸しているだけ。

そして、欲求を喚起するには、相手にそのニーズを起こさせるような
コミュニケーションをします。
「興味がある」だけの段階から、
「手に入れてみたい」という段階に持って行くために。

最後は、動機付けさせるようなコミュニケーション。
最後の一押しを促すような手段、そう、背中を押してあげるのです。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0309.html#vol.81


▼自分商品のマーケティング、仕上げ

自分商品のマーケティング要約編、お伝えし忘れたいくつかを最後に
取り上げます。

まずは「新商品開発」。
貴方という「自分商品」も、新商品の開発に心がけましょうということ。
決して、時代に迎合しろ、ということではありませんが。

例えば経理の知識がある人が、経理処理だけではなく、
経理のコンサルティング機能を新商品として加えることにした。
それによって、単なる経理業務という「商品」ではなく、
「顧客ソリューション」という価値が加わった新しい「商品」を
提供できるようになります。

このように「既存の商品やその機能」に、何か新しいことを加える。
これが、自分商品の「新商品開発」の考え方です。
では、自分商品の新商品開発、どうすればいいアイデアが思い浮かぶのか。
そのアプローチとしてニーズ型発想とシーズ型発想というのがあります。

ニーズ型発想とは、「周辺の人々にはこんなニーズがあるようだが」、
「それを満たす方法はないだろうか?」というもので、
顧客ニーズから新商品を発想し開発していくアプローチです。

シーズ型発想とは、「こんな新しい技術やサービスが世に生まれた。」、
「こんな新しい資産や知識が私の手に入った。」、
「これを活かして、何か周辺の人々に利用できないだろうか?」
というもので、手に入れたモノから新商品を発想し開発していく
アプローチです。

次に「自分商品の広告」について。
文字通り「自分商品」を第三者に広告すること。
商品同様、メディア、ネット、クチコミなどいろいろ方法はありますが、
その中で最も重要な方法は、クチコミです。

効果的なクチコミをするには、「拡散させるクチコミ・リーダー」を
見つけ出し、その人に対し集中的に「貴方のいい噂」をイメージ作り
することです。
決して広告は「売り込み型」にならないように。

今度は「流通チャネル」について。
「自分商品」商品を、何かの手を介してお客さんに提供されていくわけで、
その“何か”を流通チャネルと言い、お米であれば農協、問屋、米屋のこと。

例えば、貴方の直属上司から仕事を頼まれ、貴方は素晴らしい仕事振りを発揮。
でもそれが、更なる上司(社長)には伝わらない。
貴方の将来を決めるのは、その更なる上司(社長)なのに。

この場合、流通チャンネルをダイレクトにする必要があります。
間に入った「流通業者」が邪魔をしているため、貴方という商品が正確に、
最終消費者である「更なる上司(社長)」に伝わっていない。
ならば中間排除が必要となるわけです。

最後に「既存顧客の維持」について。
マーケティングには、新規の顧客獲得と、既存の顧客維持の2種があり、
企業では、「既存顧客維持」のほうが重要だと言われています。
これはまさに人という「自分商品」のマーケティングでも同様。

彼・彼女に対し、もっともっと買ってもらうようにすること。
これが、新しい第三者を増やすよりも重要です。
「俺のアドレス帳には、こんなに多くの女の子の携帯番号があるんだ」
よくこんな自慢をしている男って、「バッカみたい」の典型。

そんなことよりも、もっと中身が濃く、深い間柄で、
長期間つきあっている知合い、彼女、友人。
数は少なくても、そっちの方が、何十倍も価値があります。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0309.html#vol.82


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▼▼上原貴志の「編集後記」▼▼


学生時代、偽物ブランドを着て喜んでいました。
もちろん回りの友人たちには「本物だ。」と偽って。

20代の頃、借金でヴィトンのカバンやブルガリの時計を買ったことあります。
もちろん、身の丈とは不釣合いで、似合っていなかったこと間違いなし。

今思い起こせば、まあそのような時期もあったのかなーっていう程度ですが、
当時は、それなりに一生懸命、ファッションを考えていたつもり。

最近になってようやくですね。
外見だけで中身が薄いラッピングに誘惑されることもなく、
まずは自分商品・ブランドを高めることが先決だと思えるようになったのは。

と言っている矢先から、BRIOやLEONを読んで、
「いいなーこれ、どこで売ってんだろう」って誘惑に負けそうな私もいます。

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▼▼次号のテーマ▼▼ >>ファイナンス

自分の人生を、1つの会社に見立てて、貴方はそこの社長。
これが自分人生の経営者のことですね。

そして会社の経営者なら、会社の財務諸表、ファイナンスなどについて
ある程度の知識は持っておきたいもの。

次号「要約編」は、自分人生のファイナンスについて。




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「自分人生の経営ハンドブック 要約編(4)」  2004年4月7日 (第102号)


▼▼ご連絡▼▼ ”雑誌に取り上げられます!”

上司に不満を持っていますか?
上司を蹴っ飛ばしたくなった事ってありますか?

そんな方々のための雑誌が発売となり、
私こと、上原貴志のオピニオンが、トップで特集されます。

4月9日(金)発売、ソフトバンク・パブリッシング社の
「ビジネス・スタンダード(ビジスタ)」という、ビジネス・ピープル
向けの雑誌。
http://www.sbpnet.jp/bisista/

書店では、ビジネスコーナー、若しくは男性誌コーナーで売って
いますので、是非、ご購読頂き、読んでみてください。

「どんな内容?」という方のために、さわりだけ教えちゃいます。

「ムカつくよ、オレの上司! 蹴っ飛ばしてやりてえ。」
分かります、その気持ち。
そう、上司に不満を持つ部下は万国共通どこにでもいるし、
不満を持つことは自然の姿です。
でも、不満を持つだけでは1円の価値も生まないし、
蹴っ飛ばして得られるものは「その瞬間の快感」だけ。
そこで、..... (あとは雑誌のお楽しみ)


▼▼今号のテーマ▼▼ >> マーケティング

消費者のニーズを集めること。
ニーズを商品化し、消費者に販売すること。
これらの行為を「マーケティング」と言います。
マーケティングこそ、企業活動の命。

で、同じことが「自分人生の経営者」にも言えるのです。
上述の「商品」を貴方自身に置き換えてみて下さい。
今号は、「人にもマーケティング」の要約編(前半)です。


▼人にもマーケティング

マーケティングとは、
「お客さんが望んでいるような商品(サービス)を考え、価格を定め、
その商品の宣伝広告や売る場所などを考えて、実行する」ことです。

この文章を、自分人生の経営者に当てはめると、
「自分の周辺の人々が望んでいる”自分の魅力”を考え、
自分の価値を定める。そして、そのアピールの仕方や、
自分の活動場所を考え、実行する。」

「自分の周辺の人々」とは、仕事や会社関係、家族、友人・恋人などのこと。
「自分の価値」は、貴方が受け取る給料とかの金銭的報酬のみならず、
第三者が貴方に提供してくれる時間、労力その他全てのこと。
「自分の活動場所」とは、会社、学校、趣味の場などのこと。

優良な企業の経営者は、
自社の特徴は何か?
それは、どの層の顧客に適しているのか?
その層の顧客に対し、自社の差別性を明確に打ち出すにはどうすべきか?
を考え、戦略的にマーケティング活動をしています。

成功している企業は、「顧客に最大の関心を払う」ことに焦点を当て、
「顧客を満足させる」ことが、何よりも大切だと認識しています。
そして、それらを達成させるための手段がマーケティング。

ヒトも同じ。
自分の特徴、魅力は何か。
それは、仕事の場で、プライベートの場で、どのような人々に受けるのか。
その人々に対し、自分の差別性を出すにはどうすべきか。

但し、決して周辺の人々に迎合するという意味ではありません。
あくまで、「貴方の価値」という価格を高めるための行為です。

企業が「標的とする市場」を明確化するのと同様、
貴方という商品も、標的市場の明確化が必要です。
多くの女性にモテたい。
あの上司からも、この上司からも認められたい。
ともかくたくさん資格を取りたい。
こんな、万人に受けることを望んではダメ。

自分という商品を売っている「自分人生の経営者」なら、
マーケティング理論を押さえていきましょう。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0309.html#vol.73


▼売り込まない

上述した「自分人生の経営」においてのマーケティング、
もう少し詳しく述べるとこうなります。

「周辺の人々が貴方に期待していることは何か?」
「貴方は、周辺の人々に何を提供できるのか?」
「周辺の人々の期待と、貴方が提供出来ること、
そこに”自分の価値”がある」
「そして、その価値を周辺の人々にアピールし、認識してもらう」
「また、その価値が一番発揮出来る仕事やプライベートの場所を考える」

仕事場でもプライベートの場でも、大競争の時代。
顧客(=消費者=自分の周辺の人々)のニーズ多様化。
より一層の売り手(貴方自身)本位の脱却と、顧客本位の導入が
必要となりますね。

そのためには、貴方が標的とする人々の層を定め、
そのニーズに見合った価値を提供し、
人々の満足度を高めることに主眼を置き、
競合者と競争していく、という姿勢。
この「マーケティング志向」が必要とされます。

迅速な事務処理を望む上司と、面白い発想を望む上司。
貴方1人が、これら2人の異なったニーズを満たすのは、難しいはず。

遊び大好き派手好き女性と、硬派堅実を望む女性。
貴方1人が、双方から結婚を申し込まれるのは、まず考えにくいはず。

ある程度ターゲットとする市場(人の特徴)を絞り込み、
そこにいる人々の満足度を高めることに集中することをやっていきたい
ものですね。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0309.html#vol.74


▼商品とマーケティング

ベンツとカローラは、消費者の層(セグメント)が異なります。
だから、ベンツはカローラ消費者を相手にはしていないし、
カローラは、ベンツ消費者(ベンツ・セグメント)には売り込みをしない。

売れている商品ほど、消費者のセグメント(層)を絞っています。
セグメント(層)を絞ることをターゲティング(標的を定める)と
言うのですが。

また、定めた標的(ターゲティング先)に、闇雲に商品を売り込んだりも
しません。
逆に、消費者からこちらに来させるようにします。
来させるために何か特徴づけることを、ポジショニングと言うのですが。

このような考え方が、マーケティングの基本。

同じことを、貴方自身に当てはめてみましょう。
多様なタイプの上司の要望を全てこなすなんて無理。
どの女性からも好かれるなんて不可能。
自分を売り込むよりも、相手に来させるようにしたいものです。

万人に受けることを望み、売り込みばっかすると、
せっかくのベンツなのに、カローラ並みの価格(価値)に成り下がって
しまいます。

マーケティングの進め方は、整理すると、こういうことです。
まず、自分が置かれている生活や仕事の市場環境を識別するために、
自分の外で起こっている市場(外部)分析を行う。
同時に、他人と比較して自分の強さ(内部)分析を行う。

分析結果に基づいて、自分の人生目標や生活の主軸が設定され、
マーケティング戦略の構築段階へと進みます。

マーケティングの構築段階とは、市場(戦う場所)を的確に捉え、
周辺の人々(=顧客)ニーズに基づき、
いくつかの市場に分けるという市場細分化をまずは行う。
つまり自分の周辺にいる人々は、どういう分類がされているか、
どういう固まりに分けられるかを把握することです。

次に、細分化された市場の中で、自分が生きていくべく市場
(顧客の固まり)を選択するという標的市場の選択を行う。

そして、標的市場の中で、自分の優位性が保てるようなポジション
(標的市場内での貴方の位置付け)を設定します。

設定したポジションを顧客(=周辺の人々)に確実に届けるため、
自分の売りとなるポイント=商品やサービス(Product)、
自分の価値=価格(Price)、売込み方法(Promotion)、
売り込む場所(Place)を立案し実行していくこととなるのです。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0309.html#vol.75


▼売り込み先

自分が勝てる土俵(市場)とその技(ポジション)を
具体的に見つけ出してみましょう。

それには、
第一段階:市場の細分化(セグメンテーション)
第二段階:標的市場の選定(ターゲティング)
第三段階:ポジショニング
を行っていきます。

第一段階の市場細分化(セグメンテーション)について。

周辺の人々(=顧客)全体に対し、自分という「商品」を提供し、
万人から認められれば、言うことはありません。
でも、「自分一人で顧客全員を満足させる」ことは不可能でしょう。

一方、人々(顧客)のニーズが多様化、高度化し、
ちょっとやそっとのことで、顧客は満足してくれません。

そこで、顧客に入り込み、自分という存在理由を認めさせ、
自分という商品を「ブランド」化させなくてはなりません。

自分というブランドを認めさせるには、
顧客一人一人のニーズにマッチさせなくてはならない。
でも、自分の時間や能力には限界があります。

そこで、不特定多数の顧客を、
同じ性質やニーズを持つセグメント(固まり)に分け、
あるセグメントに照準を定めて、
自分の限られた資源(時間・労力・カネ・能力等)を投下する。

この考え方が必要となるのです。

論理的な説明を好む上司と、体力勝負のスーパー営業マンを好む上司。
業績評価は、短期収益が主の企業と、長期的視点が主の企業。
派手好きな女性と、地味好みの女性。
その時楽しければ派の友人と、相互向上を求める友人。

セグメントは、その所属している場所によって、いろいろとありますね。

第二段階は、標的市場の選定(ターゲティング)

このように細分化された市場に対し、自分はどの市場で戦っていくかを
選定していくことが、第二段階の標的市場の選定(ターゲティング)です。

ターゲットを選定していくには、自分の強みや特徴を把握することと、
ターゲットにしない市場(戦う場所)を明確にする必要となります。

言うまでも無く、強みを発揮出来る場所が標的市場となるわけだし、
それは逆に言えば、強みを発揮出来ないような場所を「捨てる」こと
でもあります。

ターゲットとする市場を選定したら、次にその標的市場の中で、
自分という「商品」をユニークなものとして位置付けてもらい、
そのイメージを作り出す活動が必要となり、
それを、第三段階のポジショニングと言います。

要は、「貴方」をその顧客層の中で、明確に位置づけさせること。
あるいは、ある特定の分野や事柄に接した際には、貴方のことが
頭に浮かぶようにさせること。

派手好き女性という顧客層に、「クラブのことなら、アイツに聞こう」
こう思わせるのもポジショニングです。

論理的思考の会社幹部に、「彼なら、これを論理的に分析できる」
こういう印象を持ってもらうのもポジショニング。

つまり、「○○のことなら、あいつだ」となることです。
そうなれば、もう「自分という商品」は、出来上がったことになるでしょう。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0309.html#vol.76


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▼▼上原貴志の「編集後記」▼▼

前述した「ビジスタ」という雑誌、なかなか読み応えありますよ。
標的市場は、主に30代の、アクティブなビジネス・パーソン。
そう、標的市場を明確に定めているのがいいですね。

そう言えば最近、ビジネス誌もさることながら、
男性誌も充実してきましたね。
以前なら、若者向けか中高年向けという大雑把な切り分けだけ。
あるいは、お堅いビジネス系と、やわらかい週刊誌系だけ。

最近は、仕事もプライベートも充実させている40代前半の男性をターゲット
とか、ワンランク上のライフスタイルをエンジョイしている男性向けだとか、
かなりセグメントが細分化され、ターゲティングも明確になってきました。

それだけ男性のニーズも多様化したのか?
単なる働きバチではない男性が増えてきたのか?
あるいは、景気が上向くと、男性のファッション関連消費が増えるという
定石通りに世の中が動いているからなのか?

いずれにせよ、男性としてはありがたいことですね。

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▼▼次号のテーマ▼▼ >>自分商品、自分ブランド

自分人生の経営におけるコアが、「自分商品」及び「自分ブランド」。
自分商品とは、貴方自身を商品に見立ててみることから始まります。
自分ブランドとは、貴方自身をブランド化していくことです。

次号4月14日は、マーケティング要約編の後半、
是非、お見逃し無く。




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「自分人生の経営ハンドブック 要約編(3)」  2004年3月31日 (第101号)



▼▼今号のテーマ▼▼ >>自分人生の経営ハンドブック 要約編(3)

人は一人では生きていけない!
そんなこと、誰もが知っていること。

でも案外、他人の重要性って忘れがちになるもの。
今号「要約編(3)」は、自分人生の経営で非常に重要な「人」について。


▼人ヒトひと

自分人生の経営には、他人を上手に使っていくことが必要です。
これはまさに企業経営と同じ。
そう、優れた企業経営者は、社内外のヒトを上手に使いこなしています。

既存経営者が出来なかった日産自動車の再生、なぜゴーン氏が出来たのか?
その1つ目は、目標の明確化です。
ゴーン氏は、企業理念やビジョンを明示し、目標を明確化しました。
しかも目標未達の場合は、自身を含め経営陣全員が責任を取ることも宣言して。

2つ目は、社内のコミュニケーション(意思疎通)。
ゴーン氏は、掲げた目標を関係者と共有すべく、
社員とのコミュニケーションに最大の努力を払ったと言われています。

3つ目は、関係者への動機付け、やる気を起こさせたこと。
ゴーン氏は、ルノーのやり方を一方的に押し付けるのではなく、
日産のアイデンティティを尊重し、日産従業員の持つ潜在力を信じることを、
各人への動機付けの基本原理に置いていました。

以上、リーダーシップ能力を発揮し、日産の再生に邁進したゴーン氏は、
あるインタビューで次のように述べています。
「挑戦的な目標に社員を駆り立てるのが社長だが、
そこに困難があれば、彼らを助け、勇気を与えるのも社長である」と。

また、単にリーダーシップの発揮だけではなく、
部下たちに大きな裁量権を与えたことも、成功の1つの理由になっています。
部下たちに明確な責任範囲と一定の裁量権を認め、意見のぶつかり合いを
奨励し、問題点を顕在化させ、自らその克服に参画させることを進めてきた
のです。

以上のことを、自分人生の経営者である貴方に当てはめてみてください。
周辺の人々に対し、貴方が言ったこと、実行していますか?
約束したことを厳守していますか?

実行する際には周辺の誰かの協力が必要となるのでしょうが、
納得して、協力してもらっていますか?

何かを他人に指示する場合、明確にその目的を説明していますか?
目的達成に苦労している他人に対し、力になってあげていますか?

そうです。まさにゴーン氏と貴方は同じ発想でいいのです。
成功する企業経営者と、自立する仕事人。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0306.html#vol.69


▼人の心理 

自分人生を経営する上で、他人の協力が必要なわけですが、
金や地位だけでは人は動きません。
そこで、人を動かすために、まずは人の心理を理解しておきましょう。

「なぜあいつは協力してくれないのか。」、
「どうすれば彼を満足させられるのか。」
を漠然と考えるのではなく、その基礎となる人間心理を知っておくこと
が重要。

1つ目の基礎知識は、「マズローの欲求階層論」。
「低次の欲求が満たされると、より高次の欲求へと段階的に進んでいく」
というもので、人には「5次元」の欲求があります。

一番低い次元の欲求が、「生存や生理的な欲求」で、
睡眠欲・食欲など「生きるために絶対不可欠」な欲のこと。

二番目が、「安全や安定を求める欲求」で、
痛いこと・危ないこと・不安などから回避欲、保障されたい欲。

三番目が、「社会的な欲求」で、
誰かに必要とされたい、愛されたい、どこかに属したいという欲。

四番目が、「自尊・尊厳的な欲求」で、
評価されたい、褒められたい、認めてほしいという欲。

五番目が、「自己実現欲求」で、
自己成長、自己向上、自己実現となります。

人が仕事をしたり誰かに協力するのも、こうした欲求がその動機となる。
また、一度その欲求が満たされると、同レベルの欲求では次の行動の
動機付けにはなりません。
自分人生の経営者は、この欲求階層論を念頭に置いてから、
他人への協力依頼や、友人関係構築に努めたいもの。

人の心理でもう1つ重要なのが「ピグマリオン効果」。
これは「目にかけてあげることが、その人の生産性を高めるには
最も有効的である。」というもの。

例えば、同じ能力がある部下2人に対し、片方には
「君は優秀だ、仕事が出来る人として有名らしいな。」と褒め上げ、
もう片方には「君はどのセクションの人だっけ?まあがんばりたまえ。」と
ぞんざいに扱うとします。

結果は、同じ能力にも拘わらず、褒め上げられた方がほぼ間違い無く
高いレベルの業務を達成します。

つまり人は、他人ましてや上司や経営陣に目をかけられ誉められると、
ますます仕事に励み、実力以上の業績を上げるよう自立的に努力し、
結果いい業績を達成する。
そして更に誉められるという好循環を生むのです。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0306.html#vol.70


▼リーダーシップ

自分人生の経営者は、「自分の人生は、自分が引っ張っていく。」
という意志を貫いていくことが求められます。
また、自分人生を引っ張るには、他人の協力が必要なこと、
良好な人間関係・人脈構築が必須であることも、知っています。

他人の協力を得て、自分人生を引っ張っていく。
それには、「貴方という経営者」が、第三者である他人に対し、
「自分人生」の”リーダーシップ”を取ることが重要。

但し、誤解の無いように。
友人や仕事関係の中で、リーダー格になる必要がある、ってことではなく、
貴方自身が「自分人生」のリーダーシップを取るべきということです。

自分人生のリーダーシップを取る上で重要なのが、
誰かに物を頼んでも、その結果責任は、全て貴方が負っていると思うこと。
つまり、頼んだことが失敗であっても、それを相手のせいにしないってこと
です。

妻や恋人、友人や部下に何かを依頼しが、思い通りにやってくれない。
そんな時に、「何やってんだよ」って愚痴るだけならまだマシ。
ところが、依頼先に対し怒ったり叱ったりって場合が多いのではないだろうか。
怒ったり叱ったりってのは、最も簡単だし単純な行動。

その場では、依頼先のヒトは従う、うなずく、あやまるかもしれません。
でも、長続きはしないことでしょう。
結果が芳しくない場合、依頼先の責任ではなく、貴方の責任。
これくらいの強い考え方を持つことを、お薦めします。

話は変わって、エンパワーメントという概念を解説します。
エンパワーメントとは、貴方が誰かに物事を依頼・指示する場合に、
相手の人が自立的に考え行動するよう、側面的にサポートすること。

「あれやっといて」、「これ頼む」だけではダメ。
かと言って「ああやってこうやって、こうしろ」って全て指示するのもダメ。
手取り足取りでもなければ、任せっきりの自由放任でもなく、
エンパワーメントというやり方で、第三者に物事を依頼するのです。

リーダーシップの最後は、「影響力」について。
依頼される側は、貴方の何らかの「パワー/ちから」に応じるから、
あるいは何らかの理由があるから、依頼事項を「やってあげる」のです。
その「パワー/ちから」や「理由」のことを「影響力」と言います。

影響力には、金に物を言わせる「報酬という力」、
ペナルティを課すなどの「強制という力」、
上司や親という地位を利用した「権威という力」、
優秀な人からの依頼だから応じたくなるという「優秀という力」、
好きな人に頼まれたから応じるという「愛情の力」があります。

金だけでケリをつけようという人は、金の切れ目が縁の切れ目。
愛情だけで何かをやってくれるのは理想的だが、現実的にはやや難しい。

何かを依頼し、第三者がそれに応えてくれるには、何らかの理由がある。
その理由となる「影響力」を、たくさん、強く、深く持つ事が、
人生のリーダーとして、あるいは経営者として必要ですね。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0309.html#vol.71


▼そして、協力を得るには

以上、自分人生の経営において、人の協力を得るための考え方や
手法を述べてきましたが、もう1つ重要なのが「モチベーション」。
モチベーションとは、依頼されたことを「やってあげる理由、動機」のこと。

モチベーションには、「生活に必要な金銭を得たい。」という
生きる上での根本的なもの、いわゆる「金銭的動機」があります。

また、「価値観を共有出来る組織・友人関係・家族関係の中で生活をし、
そこで注目や評価を受けたい。」という「社会的動機」もあります。

更には、「自分を成長させたい、社会的使命感を満たしたい」という
一段高いレベルの「自己実現動機」というのもあります。

「補完関係」を構築するというのも、他人の協力を得る上では重要です。
依頼主の貴方が上司であろうと夫であろうと、それは別に「偉い」わけ
ではない。単に部下や妻と役割が違うだけ。

だから、部下や妻に「偉いという立場」で依頼や指示をするのではなく、
「自分の不足していることを補ってもらう。」という姿勢が重要です。

また、「妻だから、洗濯をやるべき」、「部下だから、コピーをやらせても
いい。」なんていう発想もダメ。
相互補完の観点から、「どちらがやった方が効果的か、効率的か。」を
考え、結果的にそれが妻や部下なら、そう依頼するというようにすべきです。

場合によっては、夫が洗濯をしたり、上司がコピーを取ったりする方が、
効果的な相互補完になることも、ありえます。

野球チームは、4番バッターも9番バッターもそれぞれに求められている
機能がある。どちらが偉いわけでもなく、相互に補完し合う。
そういうチームが強い。
個々人の関係でも同じですね。

一方、他人に何かを依頼したり、関係を構築する際、
モチベーションという「手法」ばかりが先行してもダメです。
一番大切なのは、何と言っても「コミュニケーション」。
そう、依頼先や関係先との「意思疎通」ですね。

メッセージの送り手である貴方と、受け手である依頼先。
このコミュニケーションがうまくいかないと、トラブルの発生、
業務の滞りなどに結びついていく。
一方、円滑なコミュニケーションは、迅速な意思決定や問題解決に繋がり、
結果として、貴方も依頼先も効果が高まっていることになります。

効果的なコミュニケーションを行うには、
自分がどういった人物であるかをさらけ出すという自己開示、
自分の考えを表に出すという自己表現、
同時に相手の話をよく聞く傾聴、
そして明確な表現が求められます。

相手に「自分がオープンになり、明確に表現し、且つ相手の話を十分に
聞いてあげる」、という姿勢が無いと、決して相手は心を開かないことで
しょう。

コミュニケーションとは、「相互に意思疎通が出来た」場合のみを指すのです。
つまり、「言っただけ、言いっ放し」はコミュニケーションとは言いません。
そして、コミュニケーションが下手な人ほど、自分は上手だって思っている
もの。
http://cso.fc2web.com/melmaga/0309.html#vol.72

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▼▼上原貴志の「編集後記」▼▼

以前、あるプロジェクトを任された私は、
部下や社外の協力を得られず、大失敗したことがあります。

部下には、「ともかく言われたことをやれ。」という指示。
社外には、「報酬払うのだから、やってもらって当然。」という姿勢。
今思い出すと、そんな感じだったようです。
これでは、人は動きませんね。
失敗して当然。

最近、ある交流会があって参加しました。
そこの主催者は、ともかく人の使い方が上手。
「自分の実力は大したこと無い」、
「いかに人の協力を得られるかが、交流会成功のポイント」
と明確に教えてくれました。

所詮 人は、自分だけで出来ることって、ちっちゃなこと。
本当にデキる人、優れた人は、他人の使い方にも優れている。
これに尽きますね。

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▼▼次号のテーマ▼▼ >> マーケティング

消費者のニーズを集めること。
ニーズを商品化し、消費者に販売すること。
これらの行為を「マーケティング」と言います。
マーケティングこそ、企業活動の命。

で、同じことが「自分人生の経営者」にも言えるのです。
上述の「商品」を貴方自身に置き換えてみて下さい。
次号4月7日は、「人にもマーケティング」の要約編です。





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