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「景気が良いこと=人々によって良いこと?」  2004年8月11日 (第118号)



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  自立成長型の「出来事の読み方」
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前号では、
猛暑=景気にプラス=人々にとって良いこと 
冷夏=景気にマイナス=人々にとって良くないこと

でも、本当にそうなのでしょうか?
逆に、猛暑だと過ごしづらいし、エネルギーの消費が増えるし。
一方冷夏だと、過ごし易いし、エネルギーの無駄があまり無い。

と考えると、景気にプラス、好景気てことが、
本当に、人々にとって良いことなのでしょうか?

今号はその続き、「景気と生活」です。


▼景気とリビングスタンダード

連想ゲームをしてみます。

景気が良ければ消費は伸びる、家も家具も服も新調。
使い捨てが増え、ゴミ焼却炉は大繁盛。
その分、環境悪化、資源枯渇への道となるが、それは無視。

つまり、ゴミが増え、資源枯渇となることと
景気が良くなることは、おおむねイコールなのだ。

一方、不景気ならば、消費を我慢したり、バザーを利用。
お古の子供服などをもらったりあげたり、リサイクルが大繁盛。
その分、環境悪化や資源枯渇のスピードは緩まる。

つまり、環境に良い、地球に優しくなることと、
景気が悪いことは、おおむねイコールなのだ。

しかし景気は栄華盛衰、平家物語ではありませんが、
国家も企業も、永遠に存続する王朝は滅多にありません。

消費の限界=資源の限界を知ること。
地球の資源は有限です。
私達の命も有限です。


▼資本主義と自然主義的生活の調和

資本主義
=アメリカングローバルスタンダードの限界
=自然破壊に繋がる動き
となります。

消費は、電気、ガス、水、紙、天然資源も含みます。
人口の多い中国もインドも、
先進国同様の高エネルギー生活を目指しています。

各国の省エネを、京都の世界会議で決めようとしたわけですが、
アメリカは反対しました。

アメリカの双子の赤字を埋めるべく、
英米を中心にイラクでの戦闘が止みません。

戦争による軍需景気=スクラップ&ビルド=資源の無駄
ってのは、避けたい選択です。
他には方法がないのでしょうか?


▼どっちがシアワセ?

東南アジアのミャンマーには、
「ケンカ」という単語がありませんでした。

しかし、「国家の景気にプラス」とばかりに、
先進国のいろんな文明を導入。

結果、今では、首都ヤンゴンで、ケンカは日常茶飯事とのこと。

同じく東南アジアのタイ、バンコクは交通渋滞で有名。
歩いて10分の距離を自動車だと30分。
空はいつも、スモッグで曇っている。

1998年、東南アジアを不景気が襲い、タイ経済も壊滅。
結果、所得が減った国民の多くは、
自動車の購入や維持の余裕が無くなり、
移動をバスや自転車に変えた。

すると、バンコク市内の交通渋滞は急激に緩和され、
青空も見えるようになってきた。

自立成長型のビジネス・パーソン。
自分人生の経営者。
どっちがシアワセかは、貴方次第です。

しかし、景気にプラス、こればかりを考えて仕事をすることが、
決して最善ではないこと、頭に入れておきたいですね。


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    今 週 の 反 面 教 師 君
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▼新札導入

「新札を導入すると、自販機の入れ替えが必要。」
「そうなると、自販機の需要が増し、経済効果がある。」
「だから、新札の導入は良いことだ。」

これって、反面教師的な政治家の短絡的思考ですね。

新札導入の是非は色々と意見はあるでしょうが、
その是非を判断するのは、国民が導入を望んでいるか、
あるいは、より暮らし易い生活に繋がるか否か。

新札導入=自販機需要増大=経済効果有り=良いこと
そんな短絡的な発想なら、別に新札導入しなくたって、
全国の自販機を一斉に壊すことでも、
新たに自販機を揃える需要が生まれる。

ならば、自販機壊すことも経済効果があることとなり、
それが景気には良いことなります。

皆さんも、反面教師的な政治家の発言には、
よーく留意して、耳を傾けましょうね。




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「自分のモノサシで判断」 2004年8月18日 (第119号)



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自立成長型の「出来事の読み方」
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通貨供給量という経済用語、ご存知ですか?
簡単に言うと、政府(日銀)が日本の国に供給するお金の量。

政府は、経済を良くするために、たくさんの量の通貨(お金)を
国内に供給しています。
にも係らず、それが必要な人々、企業に行き渡らない。

今日は、この現象を、自立成長型で読んでみましょう。


▼通貨供給と人間の血液

お金を血液、政府(日銀)を心臓、銀行を血管の「弁」、
カラダ全体を人々や企業だと思ってください。

心臓が血液を送り出し、弁は、受取った血液をカラダ全体に、
どれだけの量をどれだけの速度で送り出すか調整。

つまり、カラダの末端や毛細血管にどれだけ血液が行き渡るかは、
心臓からの血液の量と、弁の調整具合で決まります。

これと同じ役割を果たしているのが、政府(日銀)と銀行。
政府(日銀)が通貨(お金)を国内に送り出し、
銀行は、受取ったお金を人々や企業全般に行き渡らせる。

血液が行き渡らないとカラダは不調を来たし、
場合によっては死を招くこともありますね。
だから、健全な心臓や弁の働きが重要なのは
言うまでもありません。

同じように、お金が行き渡らないと人々や企業は不調となり、
場合によっては破産や倒産を招くこともあります。
だから、健全な政府政策や銀行の働きが重要なのは
言うまでもありません。


▼行き渡らないお金

政府(日銀)は、日本の景気を良くするために、
国民一人一人とか、零細中小企業にまでお金が行き渡るよう、
たくさんの通貨(お金)を国内に供給しています。

ところが、零細中小企業の多くは、「お金が足りない」と嘆いている。
つまり、政府(日銀)から供給された大量のお金が、
末端に行き渡らないで、銀行に滞留しているのです。

銀行に滞留させないで末端にまでお金が行き渡らせるには、
企業や個人向けの融資を拡大させる必要があるのですが、
それが有効に働いていないということですね。


▼なぜか?

その理由はいろいろありますが、最もよく言われているのが
「銀行には、中小企業への融資の審査能力(判断能力)が欠けている」
ということ。

もっと詳しく述べると、未だに「不動産という担保が無いと融資しない」
とか、
「企業の内容ではなく、返済原資となる保有不動産しか銀行は見ていない」
ということです。

以前と異なり銀行の姿勢も随分と変わり、
最近では、不動産が無くても、融資を積極的に進めている銀行もあります。
でもそれはまだまだごく一部。

となると、当然ながら、不動産を有していない企業は、融資を受けられない。
不動産を有していても、その価値以上の融資を受けられない。
結果、本当にお金を必要としている中小企業やベンチャー企業に
お金が行き渡らない。

つまり、政府が大量のお金を国内に供給しても、
銀行という弁が正常に働いてなく、そのお金は銀行に滞留する一方で、
末端まで行き届いていないのですね。


▼自己判断しない横並び

この現象は、融資する銀行や銀行マンが、
依然として、「自己判断しない横並び」を続けているからです。

不動産を有している企業に対し、
その不動産価値以下の額を融資することは、誰でも出来ますね。
また、融資の判断もそんなに難しくはありません。
だって、債務者たる企業が倒産しても、融資金は回収できるのだから。

一方、不動産を有していない企業へ、
あるいは不動産の価値以上の額を、融資する。
この判断は非常に難しくなります。

なぜなら、債務者が倒産したら融資金は回収出来ない。
だから、どれだけの確率で倒産するのか?
そもそも今後その企業はどこまで成長するのか?
それを、多面的に分析するのと同時に、
最後は、「だから大丈夫」と、自分で判断する必要があるからです。

前者の不動産担保による融資は、
「不動産」という、自分以外の人でも価値判断できる資産を担保に
融資の判断している。
自己判断せずに、他力本願の行為、
言ってみれば、「他人のモノサシ」での判断ですね。

後者の融資は、
自分で考え自分で分析し自分で判断している。
自己完結型の、「自分のモノサシ」での判断ですね。

そして、自分のモノサシで判断出来ない限りは、
他人のモノサシである不動産の価値に頼るしかない。
すると、どうしても、行き渡らせるべき企業に対し
十分なお金が回らないことになってしまいます。

血液の流れを調整する弁、
当然ながら、自分のモノサシで血液の量を調整している。
銀行も、企業も、人々も、
自分のモノサシで判断できること、
これが、自立成長型の仕事人、自分人生の経営者ですね。



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   今 週 の 反 面 教 師 君
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▼新規ビジネス

「これが、面白い新規ビジネスです」
部下が提案してきた。

上司の「他社は既にやっているのか?」という質問に対し
部下は「まだ誰も手をつけていません」と回答。

すると、反面教師型の上司は
「誰もやっていない事業なんて、リスクが高い」
「もう少し他社動向の様子を見るべきだ」
と、部下の新規提案を却下。

これって、他社動向という「他人のモノサシ」に頼った、
他力本願的判断。


▼流行のお店

友人から「このお店、すばらしいよ、行ってみない?」
と誘われた反面君、
行った後の感想を求めれ、「特段なんてことは無いね」と反応。

ところが後日、とある流行雑誌にそのお店が紹介。
それが火付け役となり、そのお店は最先端のスポットとなった。
その後、反面君いわく「あそこはいい店だよね」ですって。

これって、自分で良し悪し判断しないで、
他人に流行ってるか否かで決めている、他人モノサシの典型例。



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「成功=他人のおかげ、失敗=自分のせい」 2004年8月25日 (第120号)


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自立成長型の「出来事の読み方」
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アテネ・オリンピック。
日本のメダルラッシュ、すごいですね。

そこで今号の”出来事の読み方”は、
アテネ・オリンピックに関してです。

もちろん「我々も、メダリストのように一生懸命努力しよう」
なんていう、誰でも言うような意見ではありません。

メダル獲得後の選手のインタビューから見つけ出した
1つの共通点についてのお話です。


▼「みなさん、ありがとう」

メダル獲得直後の勝利者インタビュー。
「ホント、嬉しいです、気持ちいいー!」
「努力の甲斐がありました」
「これも、皆さんのおかげです」

この3フレーズは、多くのメダリストに共通していますね。
で、1番目と2番目は、メダリスト本人のこと。
そして3番目は、メダリストの周辺の人への感謝の念。


▼言われたからって、言えるものではない

周辺への感謝。
これが小学生なら、授業中に先生から
「常に周りの人々への感謝を忘れないように」
と教えられ、それを忠実に守っているとも思えます。

でも、大人になったメダリストたちが、
他人から「周りへの感謝もコメントで言うように」
なんていう指示は、されていないことでしょう。

また例え、言うように指示さられていたとしても、
メダル獲得直後の興奮状態では、そんなこと覚えていないはず。

だから、「皆さん、ありがとう」というコメントは、
メダリストたちの本音だと思います。


▼周りに支えられている

確かにメダルを獲得するには、
多くの人々の協力があったことは間違いありません。

教えてくれたコーチ。
激励してくれた友人やチームメイト。
心の支えとなった家族。
金銭的支援をしてくれた協会やスポンサー。
そしていつも応援してくれたファンやサポーター。

彼ら彼女らがいたからこそ
メダル獲得に繋がったというのも、事実なんでしょうね。


▼強い人ほど知っている

試合で勝つ。
そのためには、周辺の人たちの多大なる協力が必要である。

試合で勝った。
そこには、周辺の人たちの有形無形の支えがあった。

強い人ほど、これを認識しています。
勝つ人ほど、他人への感謝を忘れません。

だから興奮冷めやらないメダル獲得直後でも、
「皆さんありがとう」
「これで、応援してくれた人々にお礼ができます」
「勝てたのは、私を支えてくれた人たちがいたからです」
というコメントができるのですね。


▼どの世界でも同じ

これは、スポーツだけに限ったことではありません。
ビジネスの世界でも、プライベートでも同じ。

起業して成功した経営者。
1つの仕事を着実に成し遂げるビジネス・パーソン
営業成績がいつも抜群のセールスマン。
彼ら彼女らは、周辺の人々への感謝を忘れていません。

心の友が多い人。
家族とハッピーな生活をしている人。
人脈が広い人。
彼ら彼女らは、自力だけで上手くいっているとは思っていません。

スポーツでもビジネスでもプライベートでも、
デキる人の共通点ですね。
「勝った、上手くいった理由の大半は、
自分の実力ではなく、他人の支えがあったから」と
認識しているということが。



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   今 週 の 反 面 教 師 君
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営業成績でトップになった反面君。
「どーだ、すごいだろー」と、周りに自慢ばかり。
その陰で、無理な納期の要求に、一生懸命応じてきた、
裏方の人たちへの感謝は無かった。

受験に成功した反面君。
「やっぱ俺って、あったまイイー」ばかり。
親への感謝は忘却の彼方のようだ。

ベンチャー企業経営者の反面君。
「俺の経営センスが起業成功を導いた」が口癖。
同じ夢を追ってがんばった同僚については何も語らない。

反面君の共通点は、
成功したのは自分の実力、努力の結晶であって、
周辺の人々の支えや協力のおかげだとは思っていない。

そしてこのような反面君、
一般的には、その成功は長続きしないでしょう。
だって、人々が離れていくばかりだから。

「成功は他人のおかげ」
「失敗は自分の責任」

これを忘れちゃ、一生、反面君のままですね。




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「現場、部下、後輩、下請けに裁量権を」 2004年9月8日 (第121号)


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自立成長型の「出来事の読み方」
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地域住民が直接参画出来る「地域運営学校」。
地方行政の権限を増やす「地方分権」。
地域にお金を回す仕組みの「市民バンク」。

いずれにも共通するのが「地域・地方」への裁量。
そして、その流れが、日本でも加速しています。

これを、自分人生の経営者的に読むとどうなるか。


▼地域運営学校

東京都世田谷区では、保護者や地域住民が
学校運営に直接参画できる「地域運営学校」を開設する。

要は、教育方針、カリキュラム、教員人事などについて、
地域住民が発言権を持つという仕組みです。

今の学校制度は、国や自治体が、その運営を行い、
方針などについても決定権を持っている。

保護者や地域住民は、「意見を言うことは出来る」が、
「その効力は非常に乏しく、声が現場に届かない」
というのが実態です。

それを解消し、地域住民が参画出来るようにしたこの仕組み、
今後も増えていきそうですね。

そもそも学校運営は、その地域地域で異なっていて当たり前。
だって、地域の特性、少子化の進捗状況、産業構造、
県民性、市民性は、地域地域で異なる。

異なるものを、1つの基準、全国共通で運営するのは
無理がありますね。

そして何よりも、「子供を預けている住民」や、
「近くで生活している住民」の声が届くようにするのは、
時代の流れからして当然のこと。


▼地方分権

同じことが、地方分権という流れにも当てはまります。
北海道の道州制とか、財源を地方に委譲するとか。

学校運営ですらそうなのだから、
その他もろもろを含めた「地方の運営」は、
ある程度、その地方に委ねるのは、
当然の流れですね。

霞ヶ関(東京官庁街)の人が、
沖縄という地域の運営について、ある程度の権限を持っている。
果たして、沖縄県民の本当の声を聞くことが出来るのでしょうか?

地方自治の国際モデルであるヨーロッパ自治憲章の流れが、
ようやく、日本にもたどり着いたようですね。


▼市民バンク

一般的な銀行預金は、
「自分は預金する人、運用は銀行の仕事」でした。

ところが、「自分のお金が地域のどこに流れるかを見たい」
「お金が生きている実感が欲しい」
ということから最近増えているのが、この「市民バンク」

欧米やアジアでは、地域にお金を回す会員方式も盛んですが、
その流れが日本でも加速しています。

また、「投資組合」という地域ファンドも増えています。
これは、地域に根付いている元気のいい中小企業やベンチャーに
投資をする組合(ファンド)のこと。

従来のファンドは、大手ファンド会社に資金を預け、
このファンド会社が全国の企業に投資をする仕組みですが、
地域ファンドは、お金を預ける人も、お金を運用する人も、
お金を出してもらう人も、皆、地域の人ってこと。


▼参加者=受益者

以上、地域運営学校、地方分権、地域ファンド(市民バンク)。
共通するのが、
「その場にいる人が、参加し、意見を言い、恩恵を受ける」
ということです。

そして世の中は、この流れが加速していrます。

従来のトップダウン式は限界に来ているのでしょう。
なぜなら、その現場、その地域に居ないで、
遠くの快適な事務所にいる人々が、
決定権を持っていたり、現場や地域に指示をする。

これでは、現場や地域の声が、決定権を持っている人に、
直接伝わりません。
伝わらない=意見が通らないのでは、
現場や地域のモティベーションは低下する一方。

また、決定権を持ち、指示を出す側も、
現場や地域のことがよくわからないでやらされるので、
決してハッピーではないでしょう。

あくまで、参加者が受益者となり、受益者が決定権となる。


▼権限委譲

以上のことは、仕事上でもプライベート上でも重要な、
「権限委譲」にも繋がりますね。

デキるビジネス・パーソンは、部下に権限委譲をします。
自立成長型の人は、周辺の人々に意志決定権を与えます。

もちろん、単に「全てお任せ」の権限委譲ではダメで、
上手に委譲します。

具体的には、「だいたいの方向性を示す」とか、
「大きな局面で指示を出す」
あるいは「到着点(目標)を明確に示す」こと。

これらに注力し、それ以外の(主に細かい)ことを、
ある程度、現場・部下・周辺の人々の自主性に任せ、
裁量権を与えるってことです。

逆に、部下や周辺の人々に「押し付け」ることが多い人。
全て自分で決めようとする人。
手取り足取り教えようとする人。
ちょっと、考え直したほうがいいかもしれませんね。

Private Brain 上原 貴志


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   今 週 の 反 面 教 師 君
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▼子供に手取り足取り

はしの上げ下げまで手取り足取りの反面お父さん(お母さん)

宿題も全部見てあげている。
というか、最後は自分でやって「あげて」しまう。

お受験も就職も、子供の意思ではなく反面親が決める。
結婚相手だってそうだ。
まさか、お墓まで、親が決めるなんてこと無いでしょうが。


▼部下に指示

仕事の詳細に渡るまで、部下に指示を飛ばす反面上司。

レポートには一字一句チェックを入れ、
持っているカバンや着ているスーツまで、注文を付ける。

客先に同行しても、結局は反面上司が1人でしゃべってしまい、
部下はいつも、単なる同席者。
まさか、トイレにまで着いてきたりはしないでしょうが。


▼ホワイトカラー

現場を無視して注文ばかり申し付ける、反面ホワイトカラー君。

クーラーが無い蒸し暑い工場の工員に対し、
「これは理論上、出来るはず」っていうのを口癖に、
現場工員に事細かに注文する。

しかし自分は、クーラーの効いた部屋から出ようとはしない。
まさか、一度も工場に入ったことが無い、ってことはないでしょうが。




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「自分が”限定商品”になるように」  2004年9月15日 (第122号)



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自立成長型の「出来事の読み方」
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ビール、お菓子、タバコ、下着
さて、これらに共通する言葉とは何でしょうか?

答えは「地域限定」。

ここのところ、いろんな商品が「地域限定」で販売されています。
今号は、「地域限定」について、
自分人生の経営者的に、読んでみましょう。


▼地域限定商品

大きな駅や空港で目にする地域限定のスナック菓子。
カールとか、コアラのマーチが有名ですね。

これら有名な商品のみならず、
次のような地域限定商品が、売れ行き好調です。

キリンビールは、岡山国体を記念し、
岡山工場生産の限定ビールを、岡山県内で販売。

東ハトは、アンデス山脈岩塩入りの濃厚な味わいの
キャラメルコーンを、山梨県と関東のみで販売。

大阪・ミナミでは、アメリカ村限定となる超地域限定の
フリーペーパーを運営中。

伊豆農協では、伊豆産のアロエを使ったワインを
伊豆地域限定で発売。

トリンプでは、京都限定のショーツを販売。
舞妓や招き猫の刺繍などがあるらしい。

JT(日本たばこ)は、北海道限定のホープライト、
宮城限定のゴールデンバット・メンソールなど、
12種類の地域限定タバコを販売。


▼地域限定が売れる理由(わけ)

まだまだ消費が低迷し、売り上げアップに四苦八苦。
これが日本全体の消費動向でしょう。

その中で、地域限定が元気なのは、なぜでしょうか?
答えは言うまでもありませんね。

ピンポイントで商品が特定できるくらいの特徴を有していて、
それが限定的な売り方をされていて、
尚且つ、中身がすばらしいから。

消費者のニーズ。
我々が生まれる前は、「ビールが欲しい。」
高度成長期は、「あのメーカーのビールが欲しい」
バブル前後は、「あのメーカーのこのブランドのビールが欲しい」

そして今後は、「あのメーカーのこのブランドの、
あそこで売っているビールが欲しい」

そして、売れている地域限定商品は、
このニーズを満たしているのです。


▼「ヒト」という商品

同じことが、人という商品にも当てはまります。
ビールという商品を貴方に置き換え、
消費者を、上司、同僚、顧客とか、
友人、恋人、家族、知人に置き換えてみましょう。

消費者のニーズ。
我々が生まれる前は、「働き手となる若者が必要だ」
高度成長期は、「あの学校(会社)の若者が必要だ」
バブル前後は、「あの学校(会社)でこんなことが出来る
若者が必要だ」

そして今後は、「あの学校(会社)」という言葉を
残すか否かは人それぞれだが、
共通するのは、
「こんなことが出来る、○○君(さん)が必要だ」
となっていくのです。


▼個性だけではなく「個別性」

個性の時代。個性を磨け。
そんな言葉が流行りましたが、
もうそれも過去のこと。

個性だけでは勝てない時代に突入です。
言い換えれば、個性があることは当然であり、
個別性が求められるということ。

個性だけだと、あの人「みたいな」人がいれば、
それで代替がききます。
これが個別性となると、あの人「以外」ではダメ、
代替がききません。

そして、自分人生の経営者、自立成長型の人は、
個性を磨くよりも、個別性を確立する必要があります。
なぜなら、代替がきかない人となり、
それが最も「商品価値」を高めることになるから。

では、個別性を確立するにはどうすればいいのか?
それは、「特徴」を見つけ出し、それを「特長」にすること。
「特徴を特長」にするのです。

是非とも「限定」商品になりたいですね。
「これは○○さんにしかわからない」
「あれが出来るのは○○さんのみだ」
って。



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   今 週 の 反 面 教 師 君
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もう、こんな反面教師君って、いるはずはないですよね。

「俺は○○大学の出身だ。」が自慢で、
ともかく出身大学を全面に出す反面君。

「○○社に勤務しているんだ。」が合コンの口説き文句で、
すぐに名刺を配る反面君。

「中途採用する人は、MBAホルダーに限る。」ってことで
採用に際し、資格ばかりに目が行く反面君。

あ、でも見回したら、いっぱいいますね。




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「良い事例、優れた行動を真似る」  2004年9月22日 (第123号)


優れた【自分人生の経営者】になるには、
良い会社の事例、優秀な経営者の行動、ステキな社会現象などを、
自分に置き換え、参考にしていく。



 自分人生の”優良な”経営者を目指す皆様へ
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
 ■■■出来事・社会現象の「読み方」■■■
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

世の中の出来事、経済動向、社会現象。
それは全て、「人間」が成すものですね。

だから言うまでも無く、出来事・経済・社会などを観察すれば、
人間ってどうあるべきか、どう進むべきかがわかります。

一方、自分自身を高める、自立成長するという
自分人生の”優良な”経営者は、
自力だけではその達成が難しいもの。

だから、「いい事例」、「ベスト・プラクティス」を参考にし、
「悪い事例や現象」を反面教師にします。

そこで、自立成長君の貴方に、
参考になる出来事や経済動向、社会現象と、
それをどう考えたらいいのかを、ここでお送り致します。

良い会社はどんなことをしているのか?
優れた企業経営者が行うこととは?
ステキな出来事が生まれた背景は?

そしてこれらの逆のケース。

会社も経営者も出来事も社会も、
その主人公を「貴方」という自分に置き換えることにより、
優良な自分人生経営者になる一助になることでしょう。

この春からスタートしたシリーズを、一部変更し、
次週より、以上のお話をお送り致します。

お楽しみに!




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